イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (964レス)
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948: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2024/10/19(土)02:34 ID:XBVmBDIo0(1) AAS
クラウディア「まぁまぁ、ふふっ……ところでフランカ、少し頼まれ事をしてくれないかしら?」
提督「どうしたの、お母さま?」
クラウディア「ええ、ちょっとルチアーノさんのカフェに行ってコーヒー豆を買ってきてくれないかしら? 買っておいた分がそろそろおしまいになりそうなのに気付かなくって……年末年始は店もお休みでしょうし、今のうちに買っておかないと」
提督「いいわよ。どうせ暇だし、ついでにコーヒーでも飲んでくるわ」
クラウディア「そうね、それならお菓子も食べていらっしゃい♪」
提督「ええ、それじゃあ行ってきます」軽いクリーム色のセーターと履き心地の良い茶色のズボン、脱ぎ履きのしやすいスエード生地のスリッポンと気軽な格好で家を出た……
…小さな町…
提督「チャオ、ルチアーノおじさん」
カフェのマスター「フランカ!戻って来たっていうのに顔を出してくれないから、てっきりミラノ辺りの生意気なカフェにあてられてうちみたいな田舎のカフェはゴメンだってお高くとまっているのかと思ったよ!」
提督「まさか。ミラノやローマでカフェなんて入ったらあまりの値段に目が回るわ……カフェ・コレットを甘めに。それからコーヒー豆をひと袋」
マスター「はいよ。それにしてもずいぶん大人になって……ついこの間までカスティリオーネさんとこのお嬢様と手をつないでいたあのお嬢ちゃんがね……」
提督「もう、おじさんったら何年も前の事を……」提督は苦笑いしつつ、運ばれてきた甘く熱いコーヒーを口に含んだ……
提督「……相変わらず美味しいわ」
マスター「そりゃあそうさ。こんな顔馴染みだらけの小さい町で少しでもマズいコーヒーなんて出してみろ。あっという間に評判が広まって客が来なくなっちまう……ヘタな都会よりも気が抜けないよ」
提督「そのセリフも相変わらずね。おばさんは元気?」
マスター「買い物に行ったきり帰ってきやしないよ。どうせ八百屋のばあさんとくっちゃべってるんだろうさ……年の瀬だからとっとと売りだめの勘定を済ませたいっていうのに」
提督「それじゃあおばさんを見かけたらそう言っておくわ」
マスター「ああ、もし見かけたら「ロバみたいにちんたらしてるな」って伝えておいてくれ……それじゃあ、どうぞごゆっくり♪」
…年の瀬の冷たいがすっきりした風に髪をなぶらせながら甘く濃いコーヒーとカンノーリを楽しんでいると、知り合いと言うほどでもないが顔を知っている地元の女の子が近寄ってきた……その女の子は夏期休暇の時にもちらっと見かけたが、その時に比べると半年あまりでずいぶん成長しているように見える…
女の子「……チャオ、お姉さん」
提督「チャオ、クリスマスおめでとう。どうかした?」
女の子「ええ、ちょっと相談したいことがあって……ここ、座ってもいい?」
提督「どうぞ」
女の子「ありがと」
提督「良かったら一ついかが?」菓子皿のカンノーリをすすめる……
女の子「ありがと、いただくわ」
提督「……それで、私に相談事ってなにかしら?」女の子が話しやすくなるよう頬杖をつき、姿勢を下げて目線を合わせる……
女の子「うん……あのね、お姉さんがカスティリオーネのお姉さんと婚約しているって聞いたから相談したいんだけど……」
提督「けほっ……!」思わずカンノーリのかけらでむせた……
女の子「違うの? うちのお母さんがそう言ってたから……」
提督「そう、ね……婚約とまではいかないけれど、幼馴染みの仲良しではあると思うわ……それで?」
女の子「……あのね、女の人どうしで好きになるってどういうことか教えて欲しくて///」
提督「誰か気になる人がいるのね?」
女の子「うん///」
提督「なるほど……その子とは仲が良いの?」
女の子「と、思う……この間、キスされたし///」
提督「ほっぺに?」
女の子「ううん……唇だった///」
提督「そう、なるほど……」ごくりとコーヒーを飲むと、カップを置いて視線を合わせた……
提督「キスされて気持ち良かったのなら……あるいは少なくとも嫌じゃないのなら「その子のことが好き」でいいと思うわ」
女の子「……お姉さんも気持ち良かった?」
提督「そうね。少なくとも今までずっとアンナと「仲良し」でいるくらいには……ね♪」そう言うと唇に指を当て「この事は他の人には秘密よ?」と共犯者めいたウィンクを投げた……
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