[過去ログ] 【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 (1002レス)
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278(1): アーグ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/12(木)01:41 ID:QH7AGMIso(1/7) AAS
>>234
【扉を蹴破ると、其処に広がっているのは緑の園。文字通りに、植物の楽園であった】
【洞穴の中に偶然光が差し込む穴が空き、そこに雨水と植物の種子が緑を育んだのだろう】
【隔絶された土地だ。場所さえ知っていれば上から入れるのだろうが――隠れ場所には、ピッタリで】
【問題はその奥だった。其処には岩壁をくり抜くような形で、教会の壁が存在し】
【その扉は開け放たれていて――奥の奥、祭壇には異様な背丈の人物が確かに立っていた】
【最早詳しく姿を描く必要もないだろう。聖人であり、悪魔の使徒である男】
【或いは混沌の大司教≠ニいう異名を取る、スラウロット大水害の主犯。】
【アーグ、という怪異が其処に居た。木戸が蹴破られた音に、おもむろに振り返り――】
……ほう?あの沼を越えて小僧がただ一人やってくるとは、そうそう思わなんだ
省4
279(1): クローフィ・チャイカ [sagesaga] 2015/03/12(木)01:42 ID:F+5cAmx0o(3/8) AAS
>>276
いきなり怒鳴り付けといて優しくしろとは図々しい……って、なんでここに腰を据えちゃうんですか?
【これでやっと自分の時間に戻れる……と思ったのもつかの間、男のとった行動に彼女は驚きを隠せない】
【自分への嫌がらせか、ここに用事があるのか、はたまた他の何かか……なんにせよ、少女にとっては些か不愉快なようだ】
【まぁこの場所の所有権を彼女がもってるわけでもないから、男は男でしたいようにすればいのだが】
280(1): 天野ソラ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木)01:55 ID:RCMo5lcYo(1/6) AAS
>>278
【蹴破った扉から差し込む光が、暗闇に慣れていた目を不意打ち、地下の腐った空気と違う新鮮な肺に入ってくる】
【毒の中からいきなり薬に放り込まれたみたいに、環境の急な変化が体の感覚を狂わせる、しかしそれも時期に慣れるだろう】
【三原色の光球が中を泳ぐ視界で、辺りの様子を改める。まるであの地下空間と繋がっているとは思えない緑溢れる自然の世界】
【だが、それに感嘆の声を表す前に、視界の奥の奥にいる『ソレ』の姿を見た瞬間から、もう他には何も見えない】
───アァァァァァァァァァァァァァァァァーグゥゥゥゥ!!!!
【溜まりに溜まった憎悪が爆発し、慟哭が辺りの空気を震わせる。齢17の少年が出せるとは思えないような怒りの叫びだ】
【挑発に乗った?いや違う。何があろうと彼はこうしていた、叫びながらアーグへと真っ直ぐ駆け出し、両手に鉄紺色の焔を燃やす】
【この瞬間から少年はヒトから獣と成る、憎しみと怒りに囚われた復讐の獣】
【しかし、地下での芋虫による麻痺毒が効いているのか、動きが洗練されているとは言えず、油を注していない機械のようにそれはぎこちない】
省2
281(2): ヴェール=カタストルフ [saga sage] 2015/03/12(木)02:05 ID:8ZmCQuR9O携(3/5) AAS
あぁはいはい、うるせぇな。んだよ
【街の景観を見ていた男だが少女の声に反応し目を配る、もっともローブで隠れていてよくわからないが】
俺もここに用があんだよ、来たのは偶然喧しいクソガキがいたせいだけどな
【鼻で笑った後不愉快そうな少女の様子をみる、まぁ当然といえば当然でこの男と出会ってこのような顔をしなかった人間は少ない】
【男は自分勝手で理不尽で自分が自分である事に妥協はしない】
なんだったら力づくで追い出してみるか?その方が分かりやすいぞ
省2
282(1): アーグ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/12(木)02:07 ID:QH7AGMIso(2/7) AAS
>>280
【少年の慟哭は、教会の奥にまでしっかりと響いた。無論、アーグの聴覚はそれを捉えてもいた】
【故に――喜悦、としか表しようのない笑みを浮かべて、彼は少年を見据えたのだった】
【手にした武器、声に滲む悲哀と怒気、憤懣やるかたないといったその心情】
【全てが真っ直ぐに伝わってくる。――楽しい、なんて甘露な感情を運んできたのだ、と。】
クっ、…クハッ……!これは、これは……!!
言わんでも良いぞ、名前など無粋な符号でしか無いと理解出来たわ……ッ!
私を殺したいのだろうな?心に付いてこない不器用な肉体で、私の心臓をえぐり出したいのだな?
違うとは言わせぬ……分かるぞ、その心=c―!素晴らしい感情の発露だ……褒めて遣わす。
省6
283: ヴェール=カタストルフ [saga sage] 2015/03/12(木)02:07 ID:8ZmCQuR9O携(4/5) AAS
/>>281は>>279宛てです
284(1): リリルカ・メリフルアス◆CQH94LWMlU [sage saga] 2015/03/12(木)02:12 ID:AbzjfeUxo(1/7) AAS
―――――ん〜……。
【華やかな街の陰には闇がある。繁華街には人が多くいるが、街の外れには人がいない】
【即ち闇が集まり、悪事の坩堝となる事が多く―――大抵、そういう場所は廃れている】
【人気の少ない街の外れ、廃墟では”白い”と形容するのに相当な女性が歩き回っていた】
【うーん、と首をひねったり、立ち止まり辺りを見回したり……少女という歳ではないが、物騒にも程がある】
中心街から1時間以内……周りには森、川……勿体ないですわね〜……。
【崩れた瓦礫跡の中に幾分か綺麗な椅子を見つけて、彼女は少し休憩する様に腰掛ける】
【かぱっ、と手にしていたアタッシュケースを開いて―――取り出した紙にすらすらと書き記していく】
省4
285(1): カニバディール◆EQBB9rCCt1P5 [sage saga] 2015/03/12(木)02:14 ID:3XpFJl+Mo(3/3) AAS
>>277
【幾度も感じてきた、肉による打撃の感触。進路にあるもの全てを押しのけ、引き潰し、破壊する感触】
【異形を出迎えたのは、その慣れた感触ではなく、彼女の魔眼がもたらす引力であった】
【巻きつけられ、それを感じ取って初めて、先ほどまでの力の片鱗がわかる。彼女が操っていたのは、これだったのだと】
【だが、時すでに遅し。引き上げられる感覚を認識した時には、すでに彼女は下にいた】
【見開いた単眼の先で、彼女が矢を番え。無理な姿勢で傷を負いつつも、正確な狙いが異形を捉えた】
【鮮血と共に、異形の胸部の真ん中に矢が突き立つ。その身体がのけぞり。ぐらりと揺らいだ】
――――がふっ……!!
……負け、か……この場は、退かせてもらうとしよう……
いずれ、その武器とその命……必ず、奪い取ってくれる……
省7
286: エクレア◆GBHFWL/yB. [saga sage ] 2015/03/12(木)02:23 ID:lUcxguYGO携(1) AAS
>>285
……っ…はぁ!…はぁ…
【バタンと】
【既に一人だけの公園に倒れこむ】
【盛大に息を吐き出し、吸い込む】
…はぁ……はぁ…
【自分が自分では無くなる感覚と】
【今さらながら戻ってくる本来の感情】
【戦いを乗り越えた彼女には】
省7
287(1): 天野ソラ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木)02:33 ID:RCMo5lcYo(2/6) AAS
>>282
邪 魔 だ ッ ッ ! !
【両手に燃やす焔を凝縮させ、硬質化させ、作り出すのは元の手より一回り程大きな龍の爪】
【鉄紺色のそれは、心を映し出したかのような禍々しい光を鈍く放ちながら、目の前から襲い掛かる植物達に振るわれる】
【足を止める事は無い、いくら傷使うとも進めれば良いと、小さな傷が幾つ出来ても気にせずに、天野は突き進む】
【取りこぼした植物達が作る傷からは、赤黒い血がネバつき、滴る】
【教会内へと飛び込んだ頃には、決して少ないとは言えないだけの傷がついていた】
アーグ!……アァァァァァァァァーグゥッ!!
テメェは!何であんな事をしたァッ!!何のために皆を殺し、街を壊したァッ!!答えろ!!
俺がテメェを殺す前にッ!!理由を聞かせろォォッ!!
省4
288(1): クローフィ・チャイカ [sagesaga] 2015/03/12(木)02:39 ID:F+5cAmx0o(4/8) AAS
>>281
えぇー、これまた屁理屈っぽいものが……あぁもういいですよ、力づくに訴えずとも私が退きますから
【またもや不条理、本日二度目である】
【今までのやり取りでこの男と口論するのは時間の無駄ではないのだろうかと薄々感づいてしまった少女は、もう色々と面倒なので場所を譲ってしまうことにした──どのみち、さっきまで考えていたような思考は今日はもうできないだろう】
【そこはかとなく「譲るのだから感謝しろ」という思いを込めてそい言い残し、少女は再び翼を展開する】
それではごきげんよう、名も無き変質者さん──精々、いい夜を
【最後にも嫌味を込めた挨拶を残して、そのまま塔から飛び降りた】
【もしその後も少女の動向を注視していたら、そのまま勢いをつけて滑空していくのが見えるだろう……だからどうしたという話だが】
【一夜の不毛な言い争いは、何か意味のあるものを残したのだろうか?──彼女はその問いにNoと自答した】
//眠気がきついのでこの辺で……からみありがとうです
289(1): (宮城県) 2015/03/12(木)02:41 ID:YwcPYRcT0(1/6) AAS
>>284
【時は遡って少し前、女性の佇む町外れの廃墟から少し離れた林の中に、長身の男が一人、ぽつねんと座り込んでいた】
【黒々とした川面を見つめ、息を殺して動かない。面持ちは深刻だが、世を儚んで自[ピーーー]る一歩手前……などという事は別にない】
【それもその筈、男の右手には渓流用の釣り竿が握られていて、そこから伸びる糸の先端には、ひらひらと疑似餌が揺れていた】
【いわゆるところの太公望と言うやつだ。さて、男は数分のあいだ、そうして動かずいた訳なのだが】
フィーッシュ……ッな、これデカい!デカいよこれ!きた!?本命きた!?メイン川の主きた!?これで終わ……ああああッ!
【手の内にがつんと鋭いアタリを感じるや否や、それに合わせ、にわかに血相を変えてリールを巻き取り始めた】
【女の元まで届くほどのはしゃぎぶり。しかし矢鱈にハイテンションな叫び声は、数秒後には悲鳴に変わる】
【なんと釣り上げたその瞬間、魚が渾身の力で身を捻ったせいで釣り針が外れてしまったのだ】
【ルアーから逃れた魚は釣り上げられた勢いを保ったまま、明後日の方角へ──女性の方へと飛んでゆく】
省4
290(1): アーグ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/12(木)02:46 ID:QH7AGMIso(3/7) AAS
>>287
【少年の雄叫びと竜爪の如き焔の光に、大司教の口元は裂けんばかりであった】
【攻撃の大半は躱された。確かに傷を付けられはしたが、笑うほどのものか。】
【――否だ。笑う理由は、まったくもってただひとつの愉悦≠ノ起因する】
『何故、殺して壊したのか』……―貴様は害虫を駆除せぬのか?
家に虫が湧き、鼠が跋扈しても脳天気に飯を喰らって生活するのか?
例え目の前を汚らわしい存在が絶え間なく横切っていても、全く気にかからぬのか?
……ならん、というのなら話は別だが…――ク、フフ……それだけのことよ。
邪魔だから消した。私にはそれが出来た。かの者達は信心が決定的に欠けていた。
省8
291(1): リリルカ・メリフルアス◆CQH94LWMlU [sage saga] 2015/03/12(木)02:58 ID:AbzjfeUxo(2/7) AAS
>>289
――――はっ、そうですわ。この辺りをサファリパークっぽくしてしまえばいいんですわ。
それから立地の悪いさは無料シャトルバスでクリアして……ってなんだか、うるさいですわね……。
【明暗ではないか、と新しい事業開拓の思いつきにほくそ笑む。まあ、利益の見込はほぼ考えていないだろうけど】
【趣味と仕事が直結して、なおかつ彼女のする仕事の大半が自分があったらいいと望むものだった】
【資金は一生遊んでも使い切れない程あるから良いが……今のところそれでも外した事がないので、実は金儲けの天才かもしれない】
【さて、そんな事はさておき。彼女は一気に不機嫌な色に顔を顰めた――折角良い案が浮かんだのに、五月蝿い声が】
【というかこんな深夜にこの辺りで騒いでいるとは、非常識な……と、まあ自分を棚上げに苛立ちを覚えつつあった】
まあ、下見はこの程度にして帰りましょうか―――――はい?
省9
292: ヴェール=カタストルフ [saga sage] 2015/03/12(木)03:06 ID:8ZmCQuR9O携(5/5) AAS
>>288
テメェまだ言いやがるかクソガキィ!
【翼を展開する少女に向かって叫び立ち上がるとまではいかないが体を起こす】
【しかし男が体を起こすときには少女は塔から飛び立っており滑空しているのが見える】
【少女とのやり取りとの間で夜もすっかり更けていた】
チッ、あのクソガキの所為で余計な時間とられちまったぜ。まぁ退屈はしなかったからよしとしてやるか
【自分から呼びかけて自分から登ってきたにも関わらず男は少女に責任転嫁する】
【だがこの夜の問答は男にとっては退屈ではなかった、それだけで良しとしている】
省5
293(1): 天野ソラ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木)03:09 ID:RCMo5lcYo(3/6) AAS
>>290
【巨大な龍の爪は、本物のそれと同じとは言えなくも、武器としては十分すぎる力を持っている】
【しかし、それだけで敵うのならばアーグという存在が脅威として語られはしない、杖に受け止められたかと思うと、それに対応する間も無く強い衝撃が天野を襲う】
───……ガ…ァッ……!!
【まるで目の前で爆発が起きたかのような衝撃に、天野の体は弾き飛ばされ、呼吸も出来ずに宙を舞う】
【地面に落ちた天野の右手の爪は衝撃で割れて無くなっており、右腕そのものがグシャグシャに折れ曲がってしまっていた】
【度し難い苦痛、叫び声を上げても不思議ではない痛々しいダメージだが、天野は立ち上がり、アーグを睨み付ける】
……『邪魔だから』……だと?
【今更何を言われようと、考えが変わる事は無い───例えばアーグの行動には深い理由があったとしても、それが世界の為だったとしても、一切変わらず彼はアーグを殺しにかかっただろう】
【故に、今更アーグの返答が悪逆非道に塗れていた物だとしても、今更『酷い』だのと宣う事は無い】
省10
294(1): (宮城県) 2015/03/12(木)03:27 ID:YwcPYRcT0(2/6) AAS
>>291
【警告の甲斐無く、哀れ高速で飛来するお魚さんは女性の顔面にクリティカル】
【男はしばし放心状態で、倒れた彼女を眺めていたが】
【慌てて我に返ると、女性に駆け寄って抱え起こした】
や、殺っちゃった……? いや、まだ息はあるか。良かったあ……。
もしもーし、大丈夫かなー? 大丈夫でしたら返事ちょうだーい! もしもーし!
【女性の軽く華奢な身体におっかなびっくり、壊れ物に触れるように抱えつつも、一先ずポケットからハンカチを取り出して】
【魚直撃の影響で何やらぬるぬるしている彼女の額やら頬やらを軽く拭いつつ、問いかける。無事に気が付いてくれれば、何よりだ】
【女性が目を開けば、そこには心底安堵したような笑顔を浮かべる男の姿。使い込まれた黒スーツの上下に革靴と、何やらビジネスマンのような風体だ】
【かなり上背があり、一見して細身だが、スーツ越しの腕の感触から察するに、随分鍛えられているようだった。左腰にはホルスターを提げている】
省2
295(1): アーグ◆SYLP4psCi. [sage saga] 2015/03/12(木)03:30 ID:QH7AGMIso(4/7) AAS
>>293
ほう、人を殺すのに理由が要るのか。それは一体誰が決めた規則なのだ?
世の政治家か?それとも異端の神か?或いは貴様自身がそう決めたのか?
理由があれば人を殺しても良いのか、倫理を定めたその神は誰が正気を保証するのか
そして或いは…――おっと、貴様が決めたのだとしたら、随分と"偉い"のだな?
【ケタケタと笑って答えると、アーグは杖を両手で持ち直して何事か、非常に短くつぶやいた】
【それが詠唱だと気付けるのは恐らく高位の術者くらい。だが次の動作を見れば誰でも"そうだったのだ"と分かるだろう】
【発生する黒い渦。全てを飲み込む深淵の黒は、見るもの全ての背筋を絶対零度の舌で舐め上げる――】
【――そう錯覚するほどの黒が出現した。そして、自らに向かって投げ放たれる焔の槍を】
【憎悪の塊である少年の全てを、腹底に響く低音を唸らせながら呑み込んでしまうのだった】
省11
296(1): リリルカ・メリフルアス◆CQH94LWMlU [sage saga] 2015/03/12(木)03:35 ID:AbzjfeUxo(3/7) AAS
>>294
【魚が激突して気絶―――珍しい体験をしているものである】
【意識を飛ばしている最中、彼女は夢を見た。魚が自分を食べようとする悪夢】
【もうそして何よりも魚臭い、ぬるぬるしている。不快感は最高潮だった……っ!】
――――――――食べさせませんわぁっ!!!!
【もう食べられないよ、という寝言はテンプレートだけど―――食べさせません、とはこれ如何に】
【兎にも角にも意識を一応は取り戻したと見て良いが、眼を見開いた瞬間に夢と現実の区別は一切ついていなかった模様】
【夢の中で目の前の魚を払いのけようと振りかぶった手、それに呼応するように振り払われる平手】
【現実とリンクして……まあ、つまり介抱する男の頬めがけて、彼女の白魚の様な手が振りぬかれる……!】
297(1): 天野ソラ◆81It1xIT0A [sage saga] 2015/03/12(木)03:49 ID:RCMo5lcYo(4/6) AAS
>>295
【空気の層の中に穴を開けながら、何物をもその憎しみで貫く渾身の槍───その筈だった】
【自分の力を過信していたのはあるかもしれない、でも、まさか予想出来ようか?……アーグが作り出したそれは、空間そのものに黒い孔が空いたような存在は、実際に目にした事が無くとも、何であるかを理解する】
───ブラック……ホール……だと?
【目の前でアーグの能力を目にして、体感するのは、実際にはこれが初めてか。天野はそのまさかの規模に、目を丸くする】
【空の星々を、光すらも吸い込み噛み砕く宇宙の暗黒を、こうも簡単そうに呼び出すなどとは予想だにしていなかった】
【そして、続くアーグの言葉、自分が人より上だと、疑いもせずに言い切れるその精神の強さ。ブラックホールの驚きも相俟って返す言葉が詰まる】
【強ち否定し切れないのだ、これだけの力量の差を目の当たりにして、まだ殊勝でいられる精神を育てる時間は天野には無かった】
【そのせいで反撃に対する反応が遅れる───目の前に現れた純白が何を意味しているのか、理解した時にはもう遅い】
【腕、脚、腹───自身の力が牙を剥き、身体中に突き立ち、冷たい冷気が体の内から染み渡る】
省6
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