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【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 (1002レス)
【ひとっ走り】能力者スレ【付き合えよ!】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/
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524: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(チベット自治区) [sage] 2015/03/15(日) 18:28:49.32 ID:Y9u76Ndso >>522 /お疲れ様でした! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/524
525: 柳小猿+小狐 ◆5CR8PxLmeE [sage saga] 2015/03/15(日) 19:37:08.78 ID:qfhP+oOI0 「……ふあ、」 昼の国のある街に小猿と小狐は足を伸ばしていた。 鉄仮面と揶揄される小猿も欠伸をするときには流石に子供らしく見えるのか。 いつになく何処となく眠そうなというか…寝惚けている雰囲気ではある。逆に小狐の方はきっちりと起きているようだ。 理由はここへ来るまで間…鉄道やらの乗り物に乗っている際の移動中、余程気疲れが溜まっていたのか、ほとんど寝て過ごしていたのが原因であろう。 目的地に着いた際に小狐が起こしてくれた為、乗り過ごすという最悪な事態からは免れた…が。 寝起き特有(尤も小猿だけかもしれないが)偏頭痛に悩ませるハメに。 内側からぐわんぐわんと響いてくる、地味に嫌な頭痛を気力で振り払いつつ小猿と小狐は街の中を回ってゆく。 水の国のものに比べれば、簡素な印象を与える噴水のある広場に立てられた時計は、丁度10時の針を指していた。 (そういえば…今はどっちの10時でしょうか。) 事前に聞いた話によると、昼の国は四六始終太陽が登ったままなのだという。 ここに来るのは初めてであり、本当かは知らぬことだが以前世話になった宿屋の人間が嘘をつくとは思えない。 今現在の天候は青空。太陽はさんさんと街と二人を照らしている。仮に夜だとしても信じられないくらい晴天だ。 「……何はともあれ、休憩です…。」 『きゅーん』 そんなことを呟きつつ、小猿は人もまばらな噴水の方へと向かい腰かける。その膝の上に飛び乗る小狐。 とりあえず今は、ナイーブな気分を消すべく静かな場所で過ごしていたかった。 宿については、追々探しにいくとして。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/525
526: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga] 2015/03/15(日) 20:18:28.79 ID:GpZQ4gb40 【街中、大通り沿い――】 【唐突に何かを壁に叩きつけたような音が響く、続くのは、ひどく驚いたような悲鳴。甲高く、少女のもののようで】 【何事かと視線を向けてみれば、幼い少女と、もう少し大きな高校生くらいの少女の、――喧嘩、だろうか、】 【小さいほうが大きいほうにアイアンクローをしている様子が見られるはずで。なんら、隠す様子も、ためらう様子もなかった】 な――、やめっ、何、するのっ、*ちゃんッ? ちょっと、待って――! 【紫髪の少女と、黒髪の少女。ばたばたと手を振り払おうとするのが黒髪のほうで、こちらのほうが背は大きく】 【小さいほうは小学生だか中学生だかの年齢、ただ、金糸でひどく細かい刺繍を施した魔術師用のローブだとか、ただの子供にも見えず】 【膝を越すまで長い紫の髪を揺らして――、「ごめんねえ、お仕事だから」なんて呟く声が、僅かに聞こえた】 【拒絶する黒髪が何度か繰り返すのは、きっと紫の名前だろう。だけれど、その声は、なんともノイズがかった不思議なもの】 【誰が聞いても聞き取れることはなく、それなら、世界に存在を拒絶されているような――そんな印象を与え、】 【壁に叩きつけて、頭を押さえ込んで、一分もしない頃。押さえ込む右手から溢れるのは、まばゆく紫の魔力光】 【それも数十秒もせずに消えうせるなら、ひらり、さも何もなかった顔で、紫色は体を離し】 【びっくりしてへたり込むのも気にせず、ただ、しゃがみこんで視線を合わせてやると――、】 「じゃ、ボク、もう帰るね」 【なんて囀って、どこかに消えてしまう。場に取り残されるのは、ギャラリーめいた通行人と、黒髪の少女で】 【腰までの髪はくしゃっと崩れ、左右で色の違う黒赤の瞳は、驚きからか魂の抜けたよう、遠くを見ていて】 【首に嵌めたレース編みのチョーカーと、生成りと赤のワンピース。段であしらったフリルは、押し付けられた壁のせいでユガミ】 【足を伸ばして座るともあひる座りとも取れない状況の足にはロングブーツ、ぺたんと内側に向けて、そろえられ】 …………、なに、? 【――多分、本人が一番現状を理解していない。呟いた声は、どこか鈴の音に似ていて】 【握り締められて痛むこめかみをさすりながら、心底深いため息を吐く。息は、もう白くならなくて】 【たくさんのひとの中で堂々と行われたこと。誰の目を惹いてもおかしくない――というか、ものすごく、見られていた】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/526
527: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga] 2015/03/15(日) 21:09:00.93 ID:CHSWx9HX0 >>490 【マリアは、彼の言葉に静かに耳を傾けていた。嫌な顔をする訳でも、表情を曇らせる訳でもなく……ただ、静かに】 【そして、全てを聞き終える。彼の言葉を受け止めた彼女の顔は、失望に曇る事も傷ついたように悲しむ事もなく――――尚も穏やかだった。】 【彼女は、今の話を聞いても彼に失望などしなかった。普段通り穏やかな微笑みを湛えて―――そっと、俯く彼に寄り添う】 ―――ひとつ、私の昔話を致しましょうか。 ……ご存じの通り、私には両親が居ません。小さな頃に戦争に巻き込まれて……身寄りの無い私は、教会に預けられました。 小さな頃の私は、周りの子達が羨ましかった。私の周りにいる友達はお母さんやお父さんがいるのに、どうして私だけ独りぼっちなんだろうって…… 友達が親に愛されているのが、ひどく羨ましくて……私も皆と同じように愛されたい、親に甘えたいのに独りぼっちで……何度も泣きました。 ふふっ―――今の貴方と同じですね。 でもね―――そんな時、お母さん≠ノ教えて貰ったのです。「顔を上げて、よく周りを見てみなさい。貴方は一人ぼっちなんかじゃありませんよ」って…… ……涙を拭いて周りを見れば、其処には私を大切に想ってくれている人が沢山いる事に気が付きました。 寂しくて泣いた時には、お母さん≠ェ隣に居てくれました。独りで寂しく遊んでいれば、すぐに仲の良い友達が遊びに誘ってくれました。 お母さん≠焉A友達も……みんな私の事を大切に想ってくれている。何も、私の事を想ってくれているのは、亡くした両親だけではなかったのです。 確かに私は両親を亡くしました。でも……だからと言って、独りぼっちになった訳では無かったのです。 「カランコエ」の子供たちも同じです。あそこに居る子供たちは皆、親に棄てられたり身寄りを亡くしたりしたりした子供たちばかり…… そんな子供たちが、なぜあんなに元気な笑顔を見せるか分かりますか?……肉親が居なくても自分を大切に想ってくれている人がいる事に、ちゃんと気付いているからですよ。 ――――貴方も同じです。よく周りを見てみなさいな、貴方は決して独りぼっちなんかでは無い筈で御座いますよ。 確かに貴方の家族は亡くなったかもしれない……けれど、貴方を大切に想っている人はちゃんといる筈で御座います。 私だって、フレデリック様だって、貴方を大切に想っています。私たちは結婚しましたが……貴方の親友である事を辞めた訳では無いので御座いますよ。 確かに旦那様も子供達も愛していますし、大切な存在で御座います。ですが――――私も、フレデリック様も、同じくらい貴方という親友の事も大切なので御座います。 ……独りの家にいるのが寂しくなったら、私の家に来てください。私もフレデリック様も、いつだって大切な貴方の事を歓迎します。 血の繋がった家族の温かみには敵わないかもしれませんが……きっと、寂しくは無い筈です。 家族を失った悲しみはきっと癒えない程に大きいでしょう。……でも、いつまでもその悲しみに囚われていては、傍にある大切なものまで見失ってしまいますよ。 前を向きましょう。―――前を向けば、其処には貴方を想う人が沢山いる筈ですから。 【――大切に想っているのは家族だけではない。家では独りぼっちかもしれないけれど……彼を大切に想っている人は、傍にいるのだ】 【独りが寂しいならいつでもマリアの家に来ればいい。二人は彼の事を必ず歓迎するだろうし、子供達もすぐに懐くだろうから】 【家族と同じくらいに―――親友だって、彼の事を大切に想っているのだ。だから……前を向いて欲しい】 【マリアは、変わらず其処に居る。親友として彼を想う心は、嫉妬の言葉を聞いた後も決して揺らぐことなく其処に在るから―――】 //それでは本日も宜しくお願いします!あと、夕飯で次のレスが少し遅れるかもしれません…… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/527
528: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga] 2015/03/15(日) 22:07:12.82 ID:fjuoyO0J0 >>527 【彼女の言葉の数々が、その一つ一つがエルヴェツィオの心に静かに染み込んでいくのを感じた】 【どうしてマリアはこんなにも優しく接してくれるのか、普段と変わらぬままでいられるのか】 ……………………なんで………っ…………… ……何で、マリアはそんなに強く生きられるんだよ…………! どうして俺を軽蔑しない……っ、なんで嫌にならない……!なんだって怒ってくれないッ!! …………どうやったら………………っ…………そんな 優しいままでいられる……………………? 【なんで、どうして、そうやって必死に彼女に訴える】 【大切なものに気付いて 大切に想う、たったそれだけの事ですら今のエルヴェツィオには出来なくなっていた】 【それを彼女は教えてくれた、マリアが居なければその迷いに辿り着けなかったかも知れない】 【マリアと隣り合わせになっている今、ようやく温かさがあると感じられた。ああ こんなに近くに大切な仲間が居たのに、どうして今まで気付けなかったんだと】 【そこには変わらないマリアの姿があった、そうだ、自分は一人では無かった】 …………で……でも俺…………お前らの事を心の中で………… それに今……お前にも…………酷いことを言ってしまった……………… ……どうやったら、マリアみたいに強くなれる……?……俺は…………どうすればいい………… 【もう隠すことも出来なくなった大粒の泪をぼろぼろと溢して、マリアに問う】 【惨めだ、彼女はこんなにも強いのに、自分はいつまでも記憶に囚われたままで、何も悪くないのに彼女達を妬んでしまった】 【どんなに剣の腕を磨いても、結局 強くはなれていなかった、弱いままだったのだ】 【マリアは……、どうして真っ直ぐに歩けるのか。エルヴェツィオはまだ前を向く方法が解らずにいた】 /遅れて申し訳ないです……!よろしくお願いします! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/528
529: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga sage] 2015/03/15(日) 22:23:44.46 ID:o5ctDOebO 【路地裏】 【仄暗い路地を薄く照らすのは微かに入り込んだ町の灯りと月明かり】 【その中に浮かびあがるシルエットは、地面に伏す幾つかの影と何かを持った櫻の人形】 【前髪は目元まで伸ばし両側は顎の辺りで切り揃え、後ろは肩甲骨の下まで伸ばした蘇芳色の髪に焦茶色の瞳】 【緋色の着物を左前にして着ている】 【年の頃は十代半ばといったところか】 【そんな、櫻の雰囲気が漂う少女】 ──つまらないわ、どうして皆死んでるの? 鞠で遊ぶのは飽きちゃったわ 【不服そうな表情で呟く彼女の足元に転がるのは、幾つかの物言わぬ死体】 【ぽい、と少女が放り投げたのは人の首】 【ごろりと物言わぬ死体の中に転がり出でて加わる】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/529
530: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga] 2015/03/15(日) 22:56:15.00 ID:CHSWx9HX0 >>528 どうして、で御座いますか……そうで御座いますね――― 【少し、考えるような仕草をして。―――やがて顔を上げれば。微笑みと共にそっとその答えを告げる】 【その微笑みの理由は何なのか。彼女の心は一体どこから来るのか。問い掛けに応えるように、言葉を紡ぐ――――】 ―――同じ苦しみを知っているから、かもしれませんね。 自分で言うのも可笑しいかもしれませんが……私の人生は、20年程の短い間でも苦難の連続で御座いました。 家族を失って、沢山苦労して……貴方と同じ苦しみを、味わったことがありました。 ……ですから、貴方の苦しみが分かる気がするのです。ああ、昔の私と同じだ……って。 貴方の心が分かるから……軽蔑する事なんて、ありませんよ。 あなたが言った事は、酷い事ではありません。ただ気付いていなかっただけなのです。 私は其れをちゃんと分かっていますから、傷ついたりしませんし、貴方を軽蔑することもありません。 ―――周りの皆さんの想いに気付けば、前を向けますよ。 人は一人では生きていけません。ですが……周りの人たちと繋がれば、きっと前を向けるので御座います。 【前を向く方法なんて、簡単だ。自分の事を想ってくれている人の心に気付く―――ただそれだけでいい】 【自分の周りにはこんなにも仲間がいるんだ、って……そう思うだけで、前に進む力はきっと湧いてくる】 【一人ではきっと真っ直ぐ歩くことはできない。でも―――手を差し伸べて導いてくれる人がいるから、マリアは真っ直ぐ歩ける】 【彼も、きっと同じ。今其処にある暖かさに気付けば、きっと過去の悲しみから解き放たれえるから―――】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/530
531: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga] 2015/03/15(日) 23:39:41.09 ID:2w8xVRB60 【森の奥深く。普段ならば草木の揺れる音のみが聞こえる其処に、今宵は一つの音色が混じり】 【心地よい、と表すべきか。良く澄んだ音色は森全体に響き渡っていて】 【音を辿れば、やがては開けた場所へと辿り着く事だろう。其処に居るのは、純白のローブを纏った一人の少女】 【手にしているのはオカリナであり――――音の主である事は間違い無いようだが】 「…………イリニの邪魔をしないで欲しいのですが」 【よく見れば、辺りには数多くの鳥が集っており】 【恐らくは奏でられていた音色に誘われたのだろう】 【――――白の少女は一人溜息を吐けばオカリナを仕舞い込み】 【仕方ないとばかりに聖書を膝の上に広げてみれば今度は其処に子犬が乗っかって】 「何故イリニの邪魔をするのですか。イリニはただ――――……もう、いいです」 【言葉を続けたとしても意味が無いのだと悟ったのだろう。口を閉ざしてしまえば、後は好きな様にさせてやり】 【一見すればまるで森の精霊だとか、そんな風に勘違いされても可笑しくは無い位に鳥だとかも集っている】 【尤も、誰かが此処を訪れたのだとしたならば其方へと視線を向けるのだが】 【――――とある酒場。余り治安が良い、とは言えない其処は怒号やら乱闘に野次を飛ばす声などが絶え間なく行き交っており】 【少し視線を辺りに向ければ割れた酒瓶が転がっていたり、乾いた血が床を彩っていたりする場所】 【だけども、其処の二階は静かなもの。と言うのも、ノックアウトされた者やら泥酔して眠りこけてしまった者が殆どなのだから当然と言えば当然だが】 【さて、そんな場所に似付かわしくない人物が一人】 【二階の一角に置かれたテーブルに本を山積みにして、小難しい表情で其れを読み進める人物】 【纏うのは緑のローブであり――――一見すれば、宛ら学者の様な女であって】 「うーん……無理矢理受注させられたのも納得出来ないけど――――どうしよう、かなぁ…… そもそも何があるのかも詳しく分からないなら迂闊に一人で入る事も出来ないし……」 【一人溜息を吐けば、一枚の洋紙を手にする事となる】 【記されていたのは“探索依頼”。どうやらギルドより遺跡の探索を依頼された様だが――――溜息は、上手く行っていない事を示すのだろう】 【偶然にもこの酒場を訪れた者が静けさを求めて二階に上ったならば、その通りの女が視界に映ろう】 【席は全て飲んだくれだとかで埋まっており、奇しくも女の正面しか空いた場所も無いのだが】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/531
532: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga] 2015/03/15(日) 23:49:35.03 ID:fjuoyO0J0 >>530 【彼女の微笑みを見ても、もう辛くは感じなくなっていた】 【どうしてマリアは、さっきまで自分を妬んでいた人に こんな表情をみせられるのだろうか】 【境遇が同じだとしても、マリアが持っていて今のエルヴェツィオにはない物が何なのか……それが彼女の微笑みからは少しだけ分かりそうな気がする】 ………………っ…………!……やっぱり…………俺は……馬鹿だな……………… 俺が守らなくちゃあならない筈の優しい女に……こうして諭されるような駄目な男だ………… ………………この腕は、戒めの形として残っていくことになるだろう……、それでいい………… 【右手でぐぐ…と涙を拭う、手のひらがびしょびしょになって、顔も赤くなっていた】 【自分よりも年下のマリアに こうして教えられるなんて、なんてみっともないんだと】 【涙で濡れた右手で左腕をさすり、これは自分への戒めになると言った…………やはりあの時、雷龍の攻撃を受け止めたせいで動かなくなっていたのか】 【…………それから暫くして、エルヴェツィオも少しずつ落ち着いてきたようだった、呼吸も多少は乱れているが先程よりも比較的安定している様子】 【そして、マリアに一つだけ頼みがあると言うだろう、普段なら冗談半分で言うような頼みだろうが、今は心からの願いだった】 ………………なあ…………手を、握ってくれないか……? ……少しで良い…………ただ今は人の、お前の暖かさを感じていたい………………頼めるか…………? http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/532
533: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga] 2015/03/16(月) 00:21:21.28 ID:VkW4sb7I0 >>532 【マリアだって、決して強い訳では無い。―――ただ、大切な人に囲まれているから前を向ける、それだけだ】 【人間なんて、独りで生きていけるほど強くはない。だからこそ、本当に大切なのは誰かを想う心ではないだろうか……そんな気がするのだ】 ふふっ―――本当に、不器用なんですから。貴方も旦那様も…… ……大丈夫で御座いますよ、私はいつだって貴方の傍におりますからね。 ―――やはりその腕は……、…… 【みっともないなんて、思ってはいない。情けないなんて、感じてはいない。……ただ、優しく傍に寄り添うだけ】 【―――腕は、あの戦いの時の物なのだろうか。動かないとなれば相当な重傷だが、それでも彼は其れを戒めとしようとする】 【全く、どうしてこうもマリアの周りの男は不器用なのだろうか。皆、傷を己の戒めとしようとする……】 【フレデリックは戦いで欠いた腕と足を戒めとするし、彼は動かない腕を同じく戒めとするし……】 【……でも、その不器用な真面目さが彼らの真っ直ぐ過ぎる心の表れなのだろう。】 ―――ええ。 【余計な言葉は添えず、変わらぬ微笑みと共にただ一言頷いて手を差し伸べる。】 【手を握れば、柔らかい肌、細い指、彼女の体のほんのり優しい暖かさが伝わるだろう。包み込むように、掌を重ねて】 【満足するまで、そうやって握っている事だろう。……これで、落ち着くこともできるだろうか】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/533
534: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga] 2015/03/16(月) 01:13:35.72 ID:WnMK7etP0 【――――墓場。忌み嫌う者も多く、特に夜ともなれば近づく者からも居ない場所】 【然れど今宵は其処に一つの人影。響くのは、水っぽい音】 【改めて墓場を見渡せば所々が掘り起こされたりしていて…………人影の方に視線を向ければ、近くに幾つもの遺体が放置されていて】 「さて……優秀な素体でも無い物から作るとすればこんな所でしょうか。後は魂を吹き込むだけですが――――其れは後で行う事としましょう 果たしてアリスが喜ぶ物か否かは分かりませんが、実用には十分耐えうる物でしょうね」 【ぼんやりと浮かぶのは燕尾服を纏い黒のシルクハットを被った人物。生憎と顔は見えずとも、その声は間違い無く男の物】 【何をしているのかと見遣れば――――地面には一人の人間が横たわらせられていて。然れど、節々に縫い跡がある事が疑問を持たせるか】 【放置された遺体はどれも片足だけ無かったり、腕が無かったり。中には指等が無くなっている物も在り、兎にも角にも何処かしら身体の一部が欠損していた】 【辺りは静寂に包まれる中で唯一音のする場所だから目立つだろうし、或いは辺りが濃密な“瘴気”に包まれている事に気付いた者が近寄る事も考えられるか】 【放置された遺体だとか其処に一人居る人物に何を思うかは、その者次第だろうけれど】 【月の光に照らされる森の中。普段ならば旅人だとか以外通る事も無い其処】 【今宵は一人の気配があって――――……見遣れば、軍人を連想させる様な身形の男が見えるか】 【歳にして20代の半ば、或いは後半。左の目に走った傷は眼球を潰しているのか、瞼が閉じられたままで】 「今日も今日とて野宿か。……まあ、最近は暖かくもなってきたから良しとするが――――」 【男が作った焚き木は、月光を除きこの辺りで唯一の光源】 【故に、遠くからであろうとその焔は目立ち】 「問題は腹が減るのはどうにも出来ない事だな…… 動物の一匹二匹でも居れば捕まえて食えたんだが……」 【その焚き木に釣られてか、気配に誘われてか】 【何であれ、この場に訪れようとしたならば――――数瞬早く、男が其方へと視線を向け】 【剣を握る事は無い。だけれども、その鋭い視線からして警戒して居る事は確かであり】 /予約でありますー http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/534
535: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(不明なsoftbank) [sage saga] 2015/03/16(月) 01:20:42.18 ID:q+F3117g0 >>533 ………………はは、不器用か…………そうかもしれないな。 …………この腕はもう、焼けてボロボロだったんだ……どんなにしても治らない………… だからもう切っちまった、荷物にはしたくない………………本当はまだ、お前らと一緒に戦いたかったからだ…… 【少し、本当に少しだがエルヴェツィオが小さく笑った、彼女に打ち明けられたお陰で心に余裕が生まれたのだろう】 【腕についてはもう治らなかったらしく既に切断していて。マリアが彼を見つけた時の左腕の肘から先に感じる違和感はこの為だったか】 【せめて足手まといにならないように 動かない腕は置いていく、まだ仲間と、彼女達と共に戦いたかったから】 ………………………………ありがとう……………… 【感謝の言葉を伝えるのと同時か、マリアの掌がエルヴェツィオの手を包み込む】 【彼の騎士らしくごつごつとした手とは違って、柔らかくて、優しくて、暖かい】 【エルヴェツィオはまた涙が溢れてきそうなのを堪えつつ、触れ合う肌の感触と温もりを確かめる】 【ああ、大切な誰かが要るというのはこんなにも落ち着くのか、彼女の手をそっと きゅっと 優しく握り返した】 【……それからしばらく、2分か3分はそうしていた、それほどまでに安心したのか】 【もう一度ありがとうと伝えると、彼女が見せたようにエルヴェツィオも微笑んでみせて】 【きっともう大丈夫、これでもう彼も 前を向いて歩けるはずだから】 【どうしても孤独を感じてしまった日には、マリア達の家を訪ねることもあるかも知れない】 【しかしその時に見せるのはきっと、昔から変わらぬ、いつもの明るい彼の姿だろう】 /それではこのあたりで……!ありがとうございましたー! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/535
536: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga] 2015/03/16(月) 01:24:21.40 ID:VkW4sb7I0 >>535 //はい、此方こそ有難う御座いました!眠気が限界ですので、〆はまた起きてから落としますねー! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/536
537: アイン ◆r0cnuegjy. [saga] 2015/03/16(月) 01:24:42.26 ID:sS4PFayEo >>534 ────ネクロマンサーとはこれまた珍しい 【男に向かって声がかけられる。その方向を見れば墓石の上に座り込んだ別の男が見えるだろう】 【齢は三十代前半。東洋人特有の顔つきに黒い短髪。赤黒い外套を長身に纏っている】 【その瞳は興味深そうに横たわった人間に向けられていた】 俺もその手の魔術には精通しているが、死体弄りをしたことはあまりないな 一体、何をやってるんだ? 【外套の男は不躾にシルクハットの男へ質問を投げかけた】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/537
538: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga] 2015/03/16(月) 01:45:15.53 ID:WnMK7etP0 >>537 「――――只の“物”を“生き物”へと変えているのですよ 尤も、此処の亡骸達は良くても一介の戦士程度。私の求める其れにはほど遠いのですが…… 聖者達の死体などそう都合良く落ちて居る筈もありません。…………要するに、目的までの繋ぎですね」 【深く被ったシルクハットでは顔も分からない。精々その声が若人である事だけは分かるのだが――――】 【何分、人間とは異なる気配。果たして其れも合っているのかも怪しい事】 【何であれ、だ。死者を冒涜している事に違いはあるまい】 【死者を無理に起こし、己の手足とする事。――――尤も、此処にはそれに対して憤怒する者も居るまい】 【小さく笑って見せたならば、一歩退けて創り出した継ぎ接ぎだらけの人間でも見せる事だろう】 「――――とは言えど、これは私の奴隷にも部下にもなる訳ではありませんが 謂わば私の主への献上の品ですね …………貴方は何故此処に? 特別良い死体が埋められている訳でも無い。そして、故人に会いに来た訳でも無い ――――こんな不吉な場所を夜歩いていれば、悪魔に攫われてしまいますよ」 【恐らくは、其方へと視線を向けたのだろう】 【シルクハットの下に隠された表情は分からない……が。小さく笑い声が漏れた事から何と無く察せよう】 【或いは辺りを包む気配に気付けたのならば、男の言う悪魔とやらが実際に此処に居る事が気付けるだろうし】 【――――場合によっては、男自身がその悪魔である事も知れるか】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/538
539: アイン ◆r0cnuegjy. [saga] 2015/03/16(月) 01:57:37.08 ID:sS4PFayEo >>538 【瘴気にそれに伴う気配。相手が悪魔である、とまではわからずとも、ただの人間でないことに男は気がついた】 【そして気がつくと、彼は苦笑した。人間でない存在は彼にとって珍しいものだったが、最近、悪魔と出会ったばかりだったのだ】 さて、な 何かの気配を感じ取ったから、それの正体を判別させにきただけだ。どうやらそれはお前らしいが………… いや、悪魔だかなんだか知らんがいい腕前だな。もっとも、さっきも言ったがあまり詳しくはないが 【男は墓石から飛び降り、継ぎ接ぎだらけの人間に近寄って観察した】 ふん……その主とやらも気になるが…… お前は、死体弄りだけか? 他の魔術は知らんのか? 【観察しながら、男は質問を重ねた】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/539
540: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga] 2015/03/16(月) 02:28:29.73 ID:WnMK7etP0 >>539 「――――さて、どうでしょう。貴方にとっての魔術が私の定義と異なって居れば“知らない”とも答えられますが ただ、そうですね……人間の言う魔術とは異なりますが、“禁術”ならば私が得意とするものですね …………遠い昔に忘れ去られた物。其れを禁術と呼ぶ方も多いのですから皮肉なものです 魔術に興味でも?」 【禁術の解釈も人によって大きく異なるだろう】 【多大な犠牲を払うから、人道的では無いから――――そのどれだって、間違いで無い事は確か】 【だからこの男の指す禁術とやらが正確には何であるかも分からず……或いは、魔術師の思う禁術によっては大きな相違が生じるだろうけれど】 【然れど“碌な事で無い”のは確かだ。恐らくは、聖と対極に位置するような】 【そして。態々『他の魔術を知らないのか』と問われた事を疑問に思ったのだろう。最後に紡いだのは、何故それを問うたのかと訊ねる様でもあって】 「それと……私の主には――――そうですねえ、今夜会わなかった事が幸運かもしれませんよ 何分気分屋な方ですから……人間に対して友好的な一面もあればそれこそ悪魔の本性を見せる時も 彼女は“話”が好きですから、恐らくは面白い話の一つや二つある方ならば特に危険な目に遭う事も無く帰る事が出来るかも知れませんが ……何れ、この場所にも来るかとは思いますが。この人形を見たい、とも言っていましたので 一番は聖者の遺体でも使えれば教会の真似事が出来るんですけどね――――」 【女も男も、子供も大人も関係無くまるで使える部位を全て継ぎ足した様な】 【眼球の色は左右で異なり、当然手足の長さも不揃いだ。キメラ、なんて言葉がピッタリの容姿】 【コレが動くとなれば、それだけで一般の人々が逃げしそうな位には不気味。――――重ねて、其処に込められる魂が恐らくは悪しきものなのだから宛らホラー映画か】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/540
541: アイン ◆r0cnuegjy. [saga] 2015/03/16(月) 02:38:21.31 ID:sS4PFayEo >>540 【不揃いな肉体にしばし好奇の目を注いでいた男だったが、見飽きたらしく視線を外した】 【動く前の死体であればまだこの男にとっては単なるモノ。知的好奇心がくすぐられるものでもない】 【不気味な見た目も、ある程度の死霊術を扱えることもあって珍しくは映らなかった】 興味も何も魔術師だ。それも、この世界でも上位のな 【問いかけに男は短く答えた。さも当然であるかのような、あっさりとした言い方だった】 ふん……まぁ、居ない奴のことはどうだっていい。今のところ興味があるのは、お前が何を知っているか、だ 禁術とやらは、具体的には何なのだ? 【男の忠告も、魔術師は気にした様子もなかった。己の強さに絶対の自信を持つために、恐ることもなかった】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/541
542: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga] 2015/03/16(月) 02:51:24.29 ID:WnMK7etP0 >>541 「フフ――――……それは貴方の見た中での“世界”。私の見る世界と同じ中で、果たして上位……と言い切れるでしょうか」 【観点の違い。見る世界の異なり】 【――――二人の見る世界が果たして同じであるのか、否か】 【或いは“強さ”の考えの違いでもあるのか、それとも只の戯れか】 「禁術、とは言えど所詮は魔術の一端です。例えるならば――――……おや。アリスの方からお呼びの様ですね すみませんが、目的も果たせた事ですから私はコレで失礼しますよ 墓荒らし、なんて在らぬ誤解を受ける前に此処から立ち去る事をお勧めしておきます」 【最後の言葉は忠告でも警告でも無く、ただの冗談】 【所詮この場へ頻繁に墓参りに訪れる者も居らず――――例え見つかろうと、男性が責められる謂われは無いのだから】 【継ぎ接ぎの其れへと掌を当て、「それでは」と言葉を紡いだ所には既に転移陣が発現していて】 【数秒掛かる事無く、男の姿は消える事となろう。この場を包んでいた不穏な気配も一瞬にして消えていたのだから、まるで夢から醒めたかの様だけれど】 【――――辺り一面は荒らされた墓地。それが、確かに現実であった事を知らせようか】 /申し訳無いですが、眠気の混じる中ここから繋げていくのが難しく…… /すみませんが、この辺りで失礼します。お疲れ様でありました! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/542
543: アイン ◆r0cnuegjy. [saga] 2015/03/16(月) 02:52:33.02 ID:sS4PFayEo >>542 //お疲れ様でした! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1425741001/543
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