読まれなくなった作家、読まれ続ける作家 (973レス)
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728: 08/09(金)10:39 ID:whReTWv7(1/3) AAS
いかんせん、大江はつまらん。 
死体みたいに冷たく血が通ってる感じがしない。
G・マルケスは抜群に語りが面白い。
南米の土着の生命力、破茶滅茶な混沌、魅力に溢れている。
「百年の孤独」「コレラの時代の愛」etc
確実に世界でこれからも読まれる。
「族長の秋」の独裁者の地獄絵図を思わせるパラノイア的世界の表現は、あの小説のスタイルにしか成し得ない技だ。

大江は「何だか小難しい実験的な作品を理解出来る自分」で満足出来る人には、うってつけではなかろか?
でも、どんどん読まれなくなるだろう。
732: 08/09(金)22:22 ID:whReTWv7(2/3) AAS
大江の場合はノーベル文学賞の肩書きが更に作品を詰まらなくしていると思う。
ブッキッシュな文学オタクには受けが良いと思うが。
結局の所、大江はその肩書きが無ければ更に読まれていないだろう。

谷崎は授与される可能性が高かったと言われていた年に、選考過程で79歳で亡くなってしまったのが大きい。
ただノーベル文学賞の肩書きが無くても、未だに読まれ続けている事がその資質を物語っている。どの本屋の棚にもあの谷崎作品の妖しい赤い背表紙の連なりが鎮座している。演劇や映画にも翻案され続けている。
本来、小説の様なモノを読む事を良しとされない、時の天皇が「細雪」を読んでいたのは有名な話。
谷崎は読者を楽しませる事を前提としており、とにかく語りが変幻自在で面白いのだ。
高尚だ云々は、当の作家本人が眼中に無い。
生粋の職人気質を持った戯作者。
734
(1): 08/09(金)22:51 ID:whReTWv7(3/3) AAS
大江や村上春樹の作品を数冊読んでから、
谷崎の「少将滋幹の母」ただ一冊を読んでみて欲しい。
その文章の簡浄かつ流麗さ、筋の運びの軽妙さ、男の母性への情景を痛切鮮やかに描くラスト、、円熟の域に達した大作家の筆捌きに、読書の喜びを再発見させてくれる事は必至だ。
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