[過去ログ] 【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 2冊目 (889レス)
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854: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/03/23(日)01:25 ID:I/8T/Tn/(1/5) AAS
「Radio head Reincarnation〜黒い魔女と紅い魔女〜」
X.
物心がついた時には父親はいなかった。
母親は父親について語ろうとはしなかったし、また彼女もその事を知ろうとは思わなかった。ただ、周りの子供達が父親に抱き付いては甘えるのが羨ましかった。
まだ彼女が十歳を過ぎたばかりの頃に母親は心を病んでしまった。
母親は自分の事について何も言わなかったし、また彼女もその事を知ろうとは思わなかった。ただ、周りの子供達が母親に笑いかけられているのが羨ましかった。
彼女が十二になるかならないかの頃に売春宿の主が彼女を買いに来た。
母親はもう働けるような状態ではなかったし、また彼女もその事を責めようとはしなかった。ただ、周りの子供達が友達同士で遊び回っているのが羨ましかった。
斯くして彼女は十二になるかならないかの頃に男を知った――と言うよりは男という者を思い知らされたと言うべきか。
幼児性愛好者の為に特別に用意された商品として彼女は“管理”された。
省23
855: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/03/23(日)01:27 ID:I/8T/Tn/(2/5) AAS
「私は幸せになりたいの」
「みんなそうさ」
「私は幸せを知らないの」
「それは錯覚だ」
「邪魔をしないで欲しいの」
「……悪いが、君の理由なんか知らないし、願いを聞き届ける理由もない」
「そう」
一子が腕を振るう。銀の光が一直線に闇絵に向かって疾走る。それが闇絵の顔面に辿り着く刹那――。
「それで寝てる私を刺し殺すつもりだったのか?」
甲高い音がして、天井に銀刃――食器に使うナイフが突き刺さった。
省33
856: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/03/23(日)01:28 ID:I/8T/Tn/(3/5) AAS
知らず、笑みを浮かべる。
笑い、走る。
疲労はない。体は信じられない程に軽い。
これもきっと蓄えた幸福のお陰。
全てが順調だ。何もかも上手く行っている。いくらかの誤算はあれど、それすら厭わない。
あの日――魔法に気付いた日に始まり、あの日――私の魔法に賛同してくれた“あの人”が現れてから、全て順調だ。
「幸せに……なれるんだわ」
呟き、走る。
走る先は街の外。“あの人”の元。
――嗚呼、今逢いに往きます。私に幸せをくれる、貴方の元へ。
省28
857: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/03/23(日)01:29 ID:I/8T/Tn/(4/5) AAS
彼女達が素人であったからこそ闇絵は子供だましのような手法で逃げ仰せる事が出来たのだ。
「時間があり、地理に詳しく、人手もある。条件は十分、か」
「でも、なんでこんな事に手を貸すの? 私を襲った連中は脅されていたけど、この宿の子達にそんな事はないでしょう?」
「いや、男達を脅すよりも簡単だろうさ。彼女達には共感(シンパシー)がある。それがあれば、説得して仲間に引き込むのは容易い」
元からある仲間意識をねじ曲げてしまうのは簡単だ。だから一子はそこにつけ込んだ。そう闇絵は考えていた。
そして、口にはしないが更なる協力者――魔具を一子に与え、街一つを爆破できる程の爆薬を用意した人物の存在も闇絵は予感していた。
いよいよ信憑性の増した街の破滅に、三人の表情に真剣味が宿る。
「急ごう。彼女を止めなくては」
「でも、どこに行ったか分かるの?」
そう、環が疑問を投げかけた時だった。
省6
858(1): 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/03/23(日)01:34 ID:I/8T/Tn/(5/5) AAS
今週も毎度、伊南屋で御座います。
うっかり今週分の投下を忘れる所でした。
取りあえずは思い出したので良かったです。
そろそろ物語はクライマックスに向かっております。
両方の連載終わったら、また短編でも鍵だいと思ってます。
夕乃さん純愛(ネタ要素なし)とか
取り扱い今週はこの辺で。それではまた。伊南屋でした。
859: 2008/03/24(月)12:00 ID:Y7LSUZ8V(1) AAS
>>858
GJでした伊南屋さん!
さぁそろそろとんでもねー女共のお仕置きタイムが始まる頃合ですが楽しみにしてます!
860: 2008/03/26(水)11:30 ID:RnQiTyVL(1) AAS
GJ!!
861: 2008/03/28(金)10:24 ID:8ZGjBvD0(1) AAS
遅ればせながら、G☆J
862: 2008/03/28(金)19:12 ID:J5TP7X7N(1) AAS
GJなんたぜ!
863: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/03/29(土)12:06 ID:/SChxdSF(1/6) AAS
今週の投下。開始。
864: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/03/29(土)12:08 ID:/SChxdSF(2/6) AAS
『彼と彼女の非日常・Y』
「お姉ちゃん、いるでしょ?」
そう言って切り出したのが光だと分かって、ジュウは確かに自分が安堵するのを感じた。
紫とは関係のない来客だと――そう思った。
「居るんでしょ? お姉ちゃん出して」
「どうしたんだ一体?」
「良いから早くっ!」
鬼気迫る、と言うよりは単純に切羽詰まって狼狽えた様子の光に押され、仕方無く中に居る雨を呼ぼうと振り返る。
だが、そうするより先に雨はジュウの意志に応えたように、玄関へと現れた。
「雨……こいつ」
省10
865: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/03/29(土)12:09 ID:/SChxdSF(3/6) AAS
「人を探しているというのは、こちらの方が?」
雨が光が連れた女性を指すと、光は頷いて答えた。
「探しているという人はどういった方なのかしら?」
「えと……それが」
次いだ雨の問いに、光は説明を始めた。
まず、彼女とは昨日、街で会ったばかりであるという事。そこで人捜しに手を貸す約束をした事。それが行き詰まった事。
「最初は名前聞いても分からないと思って特徴だけ聞いて捜してたんだけど、行き詰まったから他に手掛かりは無いのって聞いたら――」
そこで光は不意に表情を曇らせ、困惑を浮かべた。
言うか、言うまいか散々悩んだ挙げ句、あくまで連れてきた彼女が言ったことだと前置きをした。
そうして一度深呼吸をしてから、躊躇いがちに口を開いた。
省32
866: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/03/29(土)12:11 ID:/SChxdSF(4/6) AAS
。
事態が呑み込めず、故にジュウは動けない。
「雪姫、これはお前が思っている事とは違う」
紫が前に進み出て、雪姫から包丁を奪う。
「お前っ……危ないだろ」
無造作と言える程に乱雑に包丁の刃の側をつまんだ紫を見て、ジュウは冷や汗を流す。
「……本当に優しいのだなジュウは」
場違いな台詞と笑顔で紫が言う。
「とりあえず中に入ろう。少々騒いでしまったから人が来るかも知れん」
早々に紫が部屋に戻る。
省32
867: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/03/29(土)12:12 ID:/SChxdSF(5/6) AAS
紫の言葉の意味を計りかね、ジュウは首を傾げる。
「人と仲良くもなるし、恋だってする。勿論、失恋だって」
――それを認めたくないとも思うだろうさ。
紫はそう言って、目を伏せた。
「これだからアイツはダメなんだ。鈍感で無神経。何年経っても変わらない」
「――なぁ」
「なんだ?」
「そろそろ教えてくれないか。お前を追っているって奴を」
ジュウの問い掛けに紫は躊躇う。
「……別に構わないが。あらかじめ言っておこう。お前が思う程、事態は深刻ではないぞ?」
省9
868: 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 2008/03/29(土)12:16 ID:/SChxdSF(6/6) AAS
はい、という訳で毎度も毎度、伊南屋に御座います。
今回の反省。
――切彦物語の進行上必要なかった……orz
好きだからという理由だけで出したのは失敗。上手く絡められんかった……。
もっとちゃんと考えて書かねばならないですね。
さて、彼と彼女の〜については次回あたり最終回な予定。
RRもそろそろ終わることを考えれば最終回は同時投下になるやも。
それでは今週はこの辺で。
以上、伊南屋でした。
869: 2008/03/29(土)23:05 ID:VcgK1s3c(1) AAS
GJです
870: 2008/03/30(日)02:17 ID:N1BxJGar(1) AAS
真九郎と蓮丈との対決が終わり、紫は屋敷に戻っていた。
蓮丈「紫」
紫「は,はい?!お父様」
蓮丈「お前にとってあの崩月の小僧はなんだ??」
その質問に少し戸惑いを見せる紫、だけど・・・
紫「私にとって真九郎は大切な人です」
その答えを予想してたかのように蓮丈は呆れた感じで
蓮丈「ふん,勝手にするがよい」
そうして自室に移動する蓮丈に電話が鳴る。
さらば〜地〇よ〜から始まるあの着うたが♪
省1
871: 2008/04/01(火)05:20 ID:ephGlYuJ(1) AAS
あんまり雨のSSってないのな
872: 2008/04/01(火)11:49 ID:shfqgpPC(1) AAS
伊南屋さんGJ!!!
873: 2008/04/02(水)00:15 ID:nkQxew/y(1/4) AAS
「どうして私はみんなに嫌われてるの??なんでこんな目に合わなきゃいけないの??」
少年A「おめぇ気持ち悪いんだよ!!」
少年B「そうだそうだ!!妖怪みたいな前髪してんじゃねぇよ(笑)」
少年C「貞子みてぇ(笑)」
一人の少女はよってたかって少年達にいじめられていた。
その少女は少年達が去った後、ベンチで泣きじゃくっていた。
「もうやだ。学校なんて行きたくないよ、なんで??なんで私ばっかり・・・」
そんな時、頭に何かが乗った。
(え??!また誰か来たの??)
恐る恐る顔を上げると、見知らぬ男の子が頭を撫でている。
省11
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