[過去ログ] 【スカトロ】排泄系妄想廃棄所18【汚物】 [無断転載禁止]©bbspink.com (693レス)
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686: G 2019/12/24(火)23:15 ID:6PXDkbLS(10/17) AAS
 
(……確かにこの場所、カオルの部屋から見えるけど。でも本当に、何を見ていたんだろう)

 スーは背後の、ついさっきまで二人で飲んでいた薫の部屋を見上げた。
 電気はつけっ放し。
 さっき薫があのベランダから確認していたのはここだった。
 途中までしか出来ていない建物は、当然ながら廃墟のように明りも無い。
 わずかな街灯が照らす敷地は錆び付いた鉄板が敷き詰められ、道路の周りはぐるっと白い仮設壁で囲まれた、とても寂しい場所だ。
 小さな男の子ならショベルカーなど見るのが楽しいかも知れないが、静まり返り、暗闇に包まれた今は、普通は近づきたくないと思うだろう。

「よいしょっと」
「え? カオル? 勝手に開けちゃっていいの!?」
省10
687: G 2019/12/24(火)23:18 ID:6PXDkbLS(11/17) AAS
 
 
 
 
「あ〜あ、腰がいてぇ…… あたま痒い…… 熱い風呂入りてぇな……」

 つい、独り言が口から漏れてしまった。 
 たった一人残った、孤独な職場で。
 このマンション工事の現場員の彼は、深夜10時を回ってもなお終わらない、大量の仕事と戦っていた。
 
(……あと何ページだ? 原価報告と、工程チェック表と……あっ、昨日の安全パトロールの是正報告書もか。……こりゃ今日も12時回るなぁ……)
省19
688: G 2019/12/24(火)23:20 ID:6PXDkbLS(12/17) AAS
 
 
(ちくしょ〜……。でも、イブだろうがなんだろうが、これが俺の仕事だからなぁ……)

 孤独を紛らわすため、デスクの上のタブレットでテレビを流していた。
 だがやはり、今夜はバラエティーもクリスマス系の番組ばかりなので逆にストレスだ。
 いっそNHKの真面目なニュースの方がまだいい。
 彼は電源を落とした。

「あ〜……もう、休憩!」

 言うと、冷めた飲みかけの缶コーヒーを一口。
 気分転換が必要だ。
省12
689: G 2019/12/24(火)23:22 ID:6PXDkbLS(13/17) AAS
 
 言葉が続かない。
 外の階段を上がって、がらがらと事務所の引戸を開けるなり、にこにこ笑顔でそのサンタは侵入してきた。
 ついでに、トナカイの角を頭につけた、もう一人の女の子もあとに続いて入ってきた。
 こちらはぺこっと頭を下げ、非常に申し訳なさそうな表情をしていた。
 ……たまにニュースで見る、家にナマハゲがやって来て、あまりの突然の恐怖に号泣する子供。
 恐らくそれに近い衝撃であった。
 微笑みながらサンタが迫ってくる。

(マジで何なん…… ドッキリ!? あ…ドッキリだなこれ!)

 後ずさりしながら、彼は思考をめぐらす。周囲にカメラを探す。
省17
690: G 2019/12/24(火)23:25 ID:6PXDkbLS(14/17) AAS
 
「なんで離れちゃうんですか?」
「いやいや、そりゃだって」
「悲しいです」
「へっ!?」

 ――と、サンタ姿の薫は突然ダッシュし、その青年に飛び掛った。

「う、うわっ!? なにを……!」

 男らしからぬ、畏怖の混じった声が出てしまった。
 スタイル抜群の、サンタ姿の女の子が、ぎゅっ…と抱きついてきた。
 あまりの衝撃的な事態に、彼の思考は全く追いついていかなかった。
省15
691: G 2019/12/24(火)23:27 ID:6PXDkbLS(15/17) AAS
 
「あのですね……すいません。本当にすいません。この人は酔っ払っていまして……」
「で、でしょうね。この顔は。あと息も」

 薫がアルコールに呑まれ、寝落ちしてから、初めてスーは口を開いた。
 事務所の隅にあった来客用のソファに寝かされた薫。
 若干のいびきを立てているその寝顔を、傍らに立つ二人が見ていた。
 着ているサンタコスほどではないが、明らかに顔が赤い。
 そして酒臭い。

「家で二人でお酒を飲んでたら、突然、お世話になった人に感謝したいとか、迷惑かけた人に謝らなきゃ、といったことを言い始めまして。
で、突然これを着て、プレゼントするとか言って外に出て行ったんです」
省21
692: G 2019/12/24(火)23:28 ID:6PXDkbLS(16/17) AAS
 
「若い女の人が、普通こんな汚い場所でトイレ借りたりしませんよね? 時々ですが、何回も。だから覚えてました。あとは工事の予定とか世間話しただけだな……。
しかしこんな格好で、夜中に突然だったんで、何のドッキリかと思ってしばらく分からなかった。でも、うん。間違いない」

 言い終えると、腕組みをする。
 彼もやっと腑に落ちたと言った様子で、ため息をついた。

 あとの処理や、便器を詰まらせる心配無しに、思う存分排便できる。
 工事現場においてある仮設トイレは、風間薫が、この世で一番心安らぐトイレである。
 だが、何度も行けば、もちろん顔を覚えられる。
 それを承知で薫がつい行ってしまうのは、大量排便体質の彼女にとって、それだけ抗いがたい魅力があるからだった。
 これだけ近所、部屋から見える場所にそれがある、というのは……。
省15
693: G 2019/12/24(火)23:30 ID:6PXDkbLS(17/17) AAS
 
「あなたも、いつも頑張っているんですね。私は今日初めて会ったけど……きっと真面目な人なんですね。カオルがこんな風に、男の人の所へ行ったのは、初めて見ました」
「え? は、はぁ」
「お酒のせいとは言っても、きっとカオルはあなたを応援したかったんだと思います。近所で、頑張っている様子を見ていて……。
だから、仕事をしている所に突然来て、驚かせてすいませんですけど。彼女のクリスマスプレゼント、受け取ってあげて下さい。私が代わりにお願いします」

「……まだよく分かってませんが。プレゼントは、ありがたく頂きます。どうも俺、孤独じゃなかったみたいですね。……そうか」

 ツノをはずし、もう一度、深々と頭を下げるスー。
 そこでやっと彼は、柔らかな表情を浮かべたのだった。

「――じゃあ、これで帰ります。お仕事中にすいませんでした」
「いえ、大丈夫ですから」
省16
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