5世紀頃までの国境と守備軍事的長ヒナモリ Part1.1 (761レス)
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439: 07/01(月)17:03 AAS
『魏志倭人伝』における「卑奴母離」と「夷守」

『魏志倭人伝』によれば、邪馬台国に属していた北九州の対馬国、一支国、奴国、および不弥国には、「卑奴母離」(ヒナモリ)と呼ばれる副官が存在しました。これらの国々は邪馬台国の海外交易ルート上に位置しており、外敵や海賊から領土を守るために置かれた男性軍事的長官の称号と考えられています[2]。

この「卑奴母離」は、奈良時代以降の「夷守」(ヒナモリ)と同音と見られますが、上代特殊仮名遣における「モ」の発音は、「夷守」では甲類なのに対し、「卑奴母離」では乙類であり、音韻的に差異が見られます。

考えられる可能性としては、「卑奴母離」が『魏志倭人伝』における誤記であるか、あるいは「夷守」の「モ」が弥生時代には乙類の発音で、奈良時代までに甲類の発音に変化したという説があります。また、「卑奴母離」と「夷守」が別の意味を持つ言葉である可能性も否定できません。

古事記では「モ」の甲類と乙類の区別が記されていますが、『日本書紀』ではこの区別は消失しており(乙類の発音は残っているものの)、奈良時代には「モ」乙類の発音はすでに消滅しかけていたと考えられています。
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