[過去ログ] 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む27 [無断転載禁止]©2ch.net (517レス)
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472: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む 2017/01/14(土)13:35 ID:co7dEEx8(17/45) AAS
つづき
「ゲルファント・シロフの定理」というのは、位相空間から環を作って、その環から元の位相空間を再現する方法論だ。おおざっぱには、
位相空間→複素数値連続関数の集合→極大イデアルの集合→元の空間
という構造になっている。もうちょっと詳しく説明すると次のようになる。
今、位相空間Xがあるとしよう。位相空間というのは、なんらか遠近感が導入された空間のことだと理解すればいい。そして、その空間は有限的な広さで(コンパクト)、その遠近感が「どの2点も遠近感的に離れている」(ハウスドルフ)とする。
次に、その空間X上の複素数値連続関数の集合をC(X)と書こう。(最初のエントリーでは「連続」が抜けてましたので、修正しました)。C(X)には加減乗が定義できるので環の一つと見なすことができる。
そして、この関数たちのなす環C(X)の極大イデアルの集合をYとする(極大イデアルについては、整数からイデアルへ - hiroyukikojimaの日記を参照のこと)。ちなみに、極大イデアルの集合Yには、(ザリスキー位相という)うまい遠近感を導入することで位相空間に仕立てることができる。
このとき、元の位相空間Xとこの極大イデアルの成す位相空間Yが、遠近感が同じ空間(同相)となる、というのが、「ゲルファント・シロフの定理」の定理なのである。図形的なイメージが欲しい人は、本書のぼくによる「図解」で(ただし、有限位相空間のみ)、きちんとした証明が知りたい人は、黒川先生のレクチャー「環と空間」で(こっちは一般論)お読みくださいませ。
つづく
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