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現代数学の系譜11 ガロア理論を読む27 [無断転載禁止]©2ch.net (517レス)
現代数学の系譜11 ガロア理論を読む27 [無断転載禁止]©2ch.net http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/
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88: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 12:55:05.41 ID:VK/jj9Lp >>86 >決定番号が有限値かどうかであと5年は話せるんじゃねえの??wwwww そこは理系では常識だよ (すくなくとも極限の存在までは) それ、理解できない人は理系ではもぐり だから、そこはおれはスルーだな。勝手に恥じかいてなと http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/88
89: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 12:57:22.69 ID:VK/jj9Lp この程度の極限は、理系では高2か高3だろう 大学入試前に終わっている http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/89
90: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 13:01:52.25 ID:VK/jj9Lp >>84 >そして2009年,Alday,Gaiottoおよび立川は,超対称ゲージ理論に関する,全く新しいタイプの双対性を発見する. >それが本稿の主題「AGT予想(AGT対応)」である. 「AGT予想(AGT対応)」 A:Alday G:Gaiotto T:立川 か http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/90
91: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 13:07:44.83 ID:VK/jj9Lp >>83 関連 http://www.jps.or.jp/books/gakkaishi/2016/01/71-01reviews.pdf AGT対応 予想から証明へ - 日本物理学会 瀧雅人 著 - ?2016 ―Keywords― 超対称ゲージ理論: 素粒子を記述する基礎理論で あるゲージ理論は,一般には 激しい量子論的効果により定 量的計算が困難になる.この ようなフェルミオンとボソン の入れ替えのもとでの超対称 性を課すことで,量子論的効 果は抑えられ,しばしば理論 の振る舞いが良くなる.その ため超対称なゲージ理論は非 常に詳細にわたるまで解析す ることができる. 共形場理論: 臨界点においては物理現象を 特徴付ける距離スケールが失 われるため,このような物理 はスケール不変な物理理論で 記述される.共形場理論とは, 時空の各点で勝手なスケール 変換を行っても理論自身が不 変であるものであり,臨界現 象の理解に対して統一的な視 点を与える. インスタントン: 場の理論には基本場以外にも, 場の配位がトポロジカルにね じれることで生じる非自明な 励起状態がある.ゲージ理論 におけるインスタントンもそ の一例であり,時空の一点に 局在化したようなゲージ場の 配位で与えられる. http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/91
92: 132人目の素数さん [] 2016/12/31(土) 13:11:33.60 ID:3V1BVKBo >>87 > 「時枝成立」の主張が出たら、潰します! > 理系の人には、納得でき、分かる程度に 成立/不成立の定義自体がお前一人だけ違うので議論になるわけがないwww http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/92
93: 132人目の素数さん [] 2016/12/31(土) 13:14:45.20 ID:3V1BVKBo 有限値、有界、同値関係、代表系 定義をろくすっぽ理解してなかったスレ主さんww お前の孤独を哀れんで付き合ってやってる釣られ師とおちゃべりしてなさいw http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/93
94: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 13:14:57.29 ID:VK/jj9Lp >>91 関連 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%82%B8%E7%90%86%E8%AB%96 (抜粋) ゲージ理論(gauge theory)とは、連続的な局所変換の下でラグランジアンが不変となるような系を扱う場の理論である。 数学におけるゲージ理論 1970年代になって、マイケル・アティヤは古典的ヤン=ミルズ方程式の数学的解決法の研究を始めた。 1983年、アティヤの学生サイモン・ドナルドソンは滑らかな4次元微分可能多様体の分類では、位相同型の違いを除いた分類とは異なっていることを示す方向の研究を進めた。 マイケル・フリードマンは、ドナルドソンの研究成果を用いて、エキゾチック R4(英語版) の存在、すなわち、4次元ユークリッド空間とは異なるエキゾチックな微分構造(英語版)(Differential structure)が存在することを示した。 このことは、ゲージ理論自体が持つ基礎物理学における成功とは独立して、数学的構造に対するゲージ理論への関心を呼び起こした。1994年、エドワード・ウィッテンおよびネーサン・サイバーグは、超対称性に基づいたゲージ理論的テクニックを発見した。 ここでの方法はあるトポロジー的不変性の計算を可能とする方法でもある。これら、ゲージ理論からの数学への貢献は、この分野の新たな関心として注目されている。 ゲージ理論および場の量子論の歴史に関するより詳細な資料はPickeringの書籍を参照のこと[3]。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/94
95: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 13:16:48.94 ID:VK/jj9Lp >>92-93 >成立/不成立の定義自体がお前一人だけ違うので議論になるわけがないwww 理系は理解していると思うけど 理解できてないのは文系だろ? http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/95
96: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 13:25:14.58 ID:VK/jj9Lp >>94 サイモン・ドナルドソンとマイケル・フリードマンとは、これらの関連でフィールズ賞 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/96
97: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 13:30:56.50 ID:VK/jj9Lp >>78 関連 https://ja.wikipedia.org/wiki/6%E6%AC%A1%E5%85%83_(2,0)-%E8%B6%85%E5%85%B1%E5%BD%A2%E5%A0%B4%E7%90%86%E8%AB%96 6次元 (2,0)-超共形場理論 (抜粋) 理論物理学では、6次元 (2,0)-超共形場理論 (six-dimensional superconformal field theory) は、超共形場理論(英語版)(superconformal field theories)の分類により存在が予言されている場の理論である。 作用汎函数の項として理論が記述できていないので、いまだ良く理解されていない。この理論の固有の難しさにもかかわらず、物理学と数学の双方から、様々な理由で興味が持たれている対象と考えられている[1][2]。 応用 (2,0)-理論は、場の量子論の一般的性質の研究にとって重要であることが証明されている。実際、この理論は有効場理論への数学的興味を多く呼び起こし、これらの理論に関連する新しい双対性を指摘する。 たとえば、ルイス・アルダイ、ダヴィデ・ガイオット、立川祐二は、この理論を曲面へコンパクト化することにより、4次元の場の量子論を得て、この理論の物理と曲面自身に付帯するある物理的概念に関係付ける双対性が存在することを示した。 この双対性はAGT対応として知られている[3]。さらに詳しくは、理論家たちはこのアイデアを拡張し、3次元へコンパクト化すると得られる理論を研究している[4]。 この場の量子論への応用に加え、(2,0)-理論は、純粋数学での多くの重要な結果をもたらしている。たとえば、(2,0)-理論の存在は、ウィッテン(Witten)により幾何学的ラングランズ対応と呼ばれる数学の関係性の予想を「物理学的」に説明することに使われた[5]。 その仕事の結果、ウィッテンは、(2,0)-理論がコバノフホモロジーと呼ばれる数学の概念とも近いことを示すことにも使った[6]。 ミハイル・コバノフ(英語版)(Mikhail Khovanov)により2000年ころに開発されたコバノフホモロジーは、結び目の異なった形を研究し分類する数学の一分野である結び目理論へツールを提供した[7]。 数学への (2,0)-理論の他の応用では、ダヴィデ・ガイオット、グレゴリー・ムーア(Greg Moore)、アンドリュー・ナイツケ(Andrew Neitzke)の仕事があり、そこでは物理的アイデアが超ケーラー幾何学(hyperkahler geometry)における新しい結果を導いている[8]。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/97
98: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 13:34:26.03 ID:VK/jj9Lp >>97 https://ja.wikipedia.org/wiki/AGT%E5%AF%BE%E5%BF%9C AGT対応 (抜粋) 理論物理学において、AGT対応 (AGT correspondence) は、2次元リウヴィル場理論のVirasoro共形ブロックと4次元 N = 2 {\displaystyle {\mathcal {N}}=2} {\mathcal {N}}=2超対称SU(2)ゲージ理論のインスタントン分配関数が一致するという関係である。 この関係は超弦理論から現れる双対性の一種であり、この2つの理論は6次元 (2,0)-超共形場理論をそれぞれ別の曲面上へコンパクト化することで得られる。 この関係は、アルダイ、ガイオット、立川裕二により2009年に発見された[1]。 またこの関係は、W代数を対称性にもつ A N ? 1 {\displaystyle A_{N-1}} A_{N-1}型戸田場理論と4次元SU(N)ゲージ理論との間の関係や、変形Virasoro/W代数を対称性にもつ理論と5次元ゲージ理論との間の関係にも拡張され、またAGT対応が発見されて以来、そのアイデアは、3-次元理論の間の関係性の記述へも拡張されている[2][3]。 http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/98
99: 132人目の素数さん [] 2016/12/31(土) 13:37:30.04 ID:3V1BVKBo >>95 > >>92-93 > >成立/不成立の定義自体がお前一人だけ違うので議論になるわけがないwww > > 理系は理解していると思うけど > 理解できてないのは文系だろ? ほう じゃあ理系のスレ主さん、定義を書いてみな http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/99
100: 132人目の素数さん [sage] 2016/12/31(土) 13:51:11.19 ID:Q2SC3jm+ >>43 > n→無限大を考えると、”「100列で確率99/100」が数学的に厳密に導けないだろ”というのが私のゴール スレ主は決定番号にこだわって時枝戦略を何とか不成立にしようとしているが無限数列の出題にも決定番号は 関わっていることを理解しないといけないよ 出題する数列をSn(= s1, s2, ... sn, ... )また代表元をRn(= r1, r2, ... , rn, ... )で表すとして前スレの記号も そのまま用いる ある自然数mがあってSn-Rn = [(Sn-Rn)_{1}{m}, 0[n]_{m+1}{∞}] ---(1)と書けたとすると m < nとなる全ての自然数nに対して |sn - rn| = 0となっていてこれは前スレにも書いたが 時枝記事ではこれが代表元との比較による極限の定義になりこの式を変形すると 有限数列Sn_{1}{n}のnを無限大にした極限はSn_{1}{∞} = [Sn_{1}{d-1}, Rn_{d}{∞}]と書ける ここでdはある自然数であって決定番号である(式(1)においてd=m+1) > (2)有限の極限として間接に扱う [Sn_{1}{d-1}, Rn_{d}{∞}]においてはSn_{1}{d-1}が有限の部分であり極限によって扱われるのが Rn_{d}{∞}である これは出題する前にあらかじめ完全代表系を決めておけば出題者は有限個の数字を決めて極限値を1つ選べば 間接的に可算無限個の数字を全て選んで箱に入れたとみなせるということを意味する 決定番号が出題にも関わっているのは極限値がRn_{d}{∞}でありdを含んでいることから明らかであるが 決定番号がdであるときには出題者は最低でもd-1番目までのd-1個の数字を極限とは関係なく自分で 選ばないと出題する数列の数字全てを選んだとはみなせない だから任意の無限数列を出題可能と仮定した段階でスレ主の挙げた不成立の根拠は一切意味がなくなる http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/100
101: 132人目の素数さん [sage] 2016/12/31(土) 14:08:35.29 ID:of0VgBsT 句読点を活用しませう http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/101
102: 132人目の素数さん [] 2016/12/31(土) 14:12:01.09 ID:LBrkDjF8 surfaceを考察せよ http://astamuse.com/ja/published/JP/No/2014010727 ここに新しい数学がある http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/102
103: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 14:14:15.74 ID:VK/jj9Lp >>97 関連うすいが >その仕事の結果、ウィッテンは、(2,0)-理論がコバノフホモロジーと呼ばれる数学の概念とも近いことを示すことにも使った[6]。 http://www.kyotoprize.org/laureates/commemorative_lectures/ 歴代受賞者記念講演録 | 京都賞: http://www.kyotoprize.org/wp/wp-content/uploads/2016/02/30kB_lct_JP.pdf 2014年 第30回 基礎科学部門数理科学(純粋数学を含む) エドワード・ウィッテン (抜粋) 物理と数学を巡る冒険 エドワード・ウィッテン 幼い頃から私は天文学に魅せられていました。もっとも当時これはさほど珍しい ことではありません。と言いますのも、1950年代後半に宇宙開発競争が始まり、誰 もが宇宙に胸を躍らせていたからです。それ以前から天文学に興味があったかど うかはあまりよく覚えていません。ただ、9 歳か10歳の頃に、3 インチ反射望遠鏡 を贈られて、それで土星の環を見ることが、少年時代の私には無上の楽しみの1 つ でありました。 子供の頃は天文学者になりたかったのですが、自分が大人になる頃には、天文学 者は宇宙で暮らし、宇宙で仕事をしなければならなくなると子供心に思い込んでい ました。私にはそれがとても危険なことのように思えました。 11歳の頃、その年齢にしては高度な数学の本をプレゼントされました。理論物 理学者だった父は、私に微積分の手ほどきをしてくれました。そのため、しばらく の間は数学に熱中しました。ただし両親は、数学(と両親が考えるもの)に私が急激 にのめり込んでしまうことをよしとせず、ですから、私が初歩的な微積分よりもは るかに本格的な数学に触れることになるのは、それからずいぶん先のことになりま す。当時の両親の方針が良かったのかどうか、今の私にはわかりません。ただ、そ のため長い間、私が教わるたぐいの数学が、抜本的に新しいものであるとか手ごた えがあるものというふうには思われませんでした。それがどの程度影響したのかは わかりませんが、いずれにせよ私は長い間、数学に興味を感じなくなったのです。 つづく http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/103
104: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 14:15:13.83 ID:VK/jj9Lp >>103 つづき しかし最終的に、私が最も才能に恵まれているのは数学と理論物理学であって、 自分にはそうした分野に進む以外の道はないと思い至りました。21歳の頃、私は、 数学と理論物理学のどちらを選択するかを決めたのですが、当時の私には、どちら の分野についても乏しい知識しか持ち合わせていませんでした。その知識をもとに 理論物理学を選んだわけですが、その大きな理由は素粒子に魅せられたからです。 私がプリンストン大学大学院に入学した1973年の秋、素粒 子の研究は、少なくともその20年ほど前からの激動期が続いていました。ただし、 その表面下では変化が兆していました。現在、素粒子物理学の標準模型として知ら れる理論が生み出されていました。本質的には現在と変わらない形式で、長い試行 錯誤の末にようやく生み出されつつあったのです。これが私が大学院に進学するわ ずか数ヵ月前に起きたことで、デビッド・グロス、フランク・ウィルチェック、デ ビッド・ポリツァーの3 氏によって行われました(ちなみにデビッド・グロスは、 後に私の指導教官を務めてくれることになります。) 1970年代中頃に大学院生だった私が何 に興味を持っていたのかをわかっていただくためです。簡単に言うと、私の大学院 時代、素粒子物理学の分野では、果てしない革命の時代が全盛期を迎えていまし た。その時代がずっと続くと思っていた私は、自分もその一翼を担いたいと考えて いました。ただ、今にして思えば、ジェイプサイ中間子を理解することから、科学 全体に変化が起きつつあることを察知できていればよかったのかもしれませんが。 事実、この新しい粒子の持つ驚くべき特性は、標準模型によって完全な説明が可能 であり、しかもそれについては、すでにいくつかの論文で予想されていたことが明 らかになったのです。もっとも、そうした予想を行った論文がどれほど知られてい たのかはわかりません。実際私はそれらの存在を知らなかったのです。 つづく http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/104
105: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 14:16:16.71 ID:VK/jj9Lp >>104 つづき その一方で、大学院生の私にはもう1 つ興味を引かれることがありました。そ して、ある意味、それがその後の私の研究につながっていくところもあったので す。ところで、物理学が専門でない皆さんのために、ここで少しご説明しておかな ければなりません。それは、理論物理学者は自然の法則を理解しようとする一方 で、様々な状況で方程式を解き、今後何が起こるのかを予想しようとしているとい うことです。理論物理学のこの2 つの側面は、必ずしもはっきりと区別できるわ けではありません。たとえば、自然の法則を解き明かし、その法則による予測を明 らかにできなければ、どれが正しい法則なのかを理解することはできません。とこ ろが実際に物理学者が行っているのは、ほとんどの場合、少なくとも原理的には適 切な方程式が明らかな状況で、物質の振る舞いを理解しようとすることです。この 2 つの側面を同時に実践するのは、口で言うほど簡単なことではありません。一例 を挙げれば、電子や原子核の振る舞いを説明するシュレーディンガー方程式につい て知っているということと、そうした方程式をいくつも解いて一本の銅線の振る舞 いについて理解することとは、別問題だからです。 素粒子物理学者として、基本的に私の目標とするところは、そうした基礎方程式 が何なのかを理解することでした。ところが、標準模型の登場によって新たな状況 が生まれたのです。私が大学院で研究を始めたちょうどその頃、全く新しい基礎方 程式がいくつか確立されつつあり、中には理解することがきわめて難しいものもあ りました。特に、標準模型では、陽子、中性子、パイ中間子、そしてそれ以外の相 互作用を行う粒子はクォークで形成されているものの、どのクォークも観察できな いとされていました。この矛盾を解消するためには、クォークが「閉じ込められて いる」、つまり、どんなにエネルギーを費やしてもクォークを取り出すことはでき ないと考えざるをえませんでした。クォークの閉じ込めを説明しうると思われてい た標準模型の方程式には、わかりにくく、しかも解くのが難しいという問題点があ りました。そのため、クォークの閉じ込めが本当に起こるのかどうかは、なかなか 解明することができなかったのです。 つづく http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/105
106: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 14:17:08.71 ID:VK/jj9Lp >>105 つづき 大学院時代とその後も長きにわたって、私はクォークの閉じ込めを解明すること に情熱を燃やしました。しかし、これはきわめて困難な問題であり、私はあまり成 果を上げることはできませんでした。実際、標準模型の方程式を用いてクォークの 閉じ込めを説明するということは現在にいたるまで未解決のままです。もっと正確 に言うなら、コンピュータによる大規模なシミュレーションによって結論が正しい ことはわかっているのですが、それがなぜかということは、私たち人間の理解を超 えているのです。 この問題を解きたいという願いは叶わなかったものの、この経験からいくつか得 るところもありました。1 つは苦い教訓です。そこでつくづくと思い知らされたこ とが、現在私が研究を行う際にもっとも重視することの1 つとなっています。す なわち、研究者は現実に即した態度で臨まなければならないということです。解明 しようとする問題について先入観の持ちすぎは禁物です。チャンスが巡ってきた時 に、そのチャンスを活かせるように準備しておく必要があるのです。 残念ながら私は、クォークの閉じ込めという問題の解明が、自分には難しすぎる ということを認めざるを得ませんでした。何らかの成果を出すためには、もっと目 標を低く設定して、もっと限定された問題に取り組む必要がありました(後で詳し くお話ししますが、結局私は、クォークの閉じ込めという問題に少しばかりの貢献 をすることになります。ただし、20年近く経ってからの話ですが)。 しかし、もっとプラスの面についても言うなら、この現実を受け入れ、より限定 的な問題で何らかの成果を出そうとすることで、私は相対論的量子系の強結合での 振る舞いと物理学者が呼ぶ現象――標準的な方法で方程式を解くことが難しい場合 の相対論的量子系の振る舞い――について考察することで、ある程度の経験を積ん でいくようになりました。そしてこの経験が、のちの私の研究に大きな意味を持つ ことになるのです。 つづく http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/106
107: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む [sage] 2016/12/31(土) 14:18:07.40 ID:VK/jj9Lp >>106 つづき ここでももう1 つ、物理学が専門でない皆さんのために、少し説明しておかな ければならないことがあります。大学院で物理学を専攻する学生は、弱結合の場合 にどうすべきかを学ぶにすぎません。強結合の場合には、様々な疑問や方法が入り 乱れて浮かび上がってくるのです。ですから、強結合の場合に量子系がどのような 振る舞いを示すのかについての専門家のような存在はいないはずですし、少なくと も私自身は決してそのような専門家ではありません。かなりのことを研究してきま したが、いつでも初学者のような気がしているのです。 1976年、プリンストン大学で博士号を取得した私はハーバード大学に移り、そ の後の4 年間をそこでポスドク生活を送ることになります。その間、私生活では いろいろなことがありました。私と同じ時期にポスドク研究員としてハーバードに やってきたキアラ・ナッピとは1979年に結婚しました。彼女と出会ったのは、1975 年にフランス・アルプスで開催された物理学のサマースクールでした。彼女は、著 名な数理物理学者のアーサー・ジャフィーに誘われてハーバードにやってきたので す。最初の子供を授かったのも、ハーバードにいた時でした。 ハーバードでは、多くの先生方に様々なことを教えていただきました。専門を同 じくする物理学の先生方ばかりでなく、数学が専門の先生方からもです。専門的な 話は控えたいと思いますが、少しだけ、当時の様子をお話ししたいと思います。 ハーバードでの先輩の1 人にスティーブン・ワインバーグがいました。彼は標 準模型の先駆者であり、1979年にノーベル賞を受賞しました。大学院の頃の私に は、物理学の基本的なテーマでなかなか理解できないものがありました。おそらく スティーブンは、他の多くの物理学者も私と同じような困難に悩まされていると 思ったのでしょう。そうしたテーマがセミナーで取り上げられるたびに、彼は自分 が理解していることを手短に説明してくれました。こうして何度も彼の説明を聞い たおかげで、よりはっきりしたイメージが得られるようになったのです。 つづく http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/math/1483075581/107
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