[過去ログ] 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む27 [無断転載禁止]©2ch.net (517レス)
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402(1): 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む 2017/01/08(日)10:50:26.02 ID:Fnfn48Mf(12/33) AAS
加藤 五郎ちゃんは、圏論ベースで、層を説明しているんだ。院生レベル向けかも
野口先生は、学部生向けで、集合と写像ベースの説明
加藤 五郎ちゃんは、前層→層→前層の層化という流れ
野口 先生ちゃんは、層→前層→前層の層化という流れ
おもしろね
467: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む 2017/01/14(土)13:19:11.02 ID:co7dEEx8(12/45) AAS
つづき
ホモロジー群をこういう風に理解した背景には、ぼくが塾講師だった頃に、中学1年生に文字式を教えることで苦労した経験を持ったことも生きていた。文字式の同類項の計算というのは、一度わかってしまえば、あまりに当たり前なものである。
でも、初めて学ぶ中学生にとっては、非常に抽象的で敷居の高いものである。ここで、「抽象的な計算規則を何の抵抗もなく受け入れられる子供」と「実感のないものを安易に受け入れられない子供」に振り分けられる。これは能力の優劣ではなく、性格の違いであると言える。
前者だって、本当は「無批判に何でも信じてしまう」危ない資質だとも言えなくもないからだ。そして、後者のタイプの中学生たちに「文字式とは何か」を教えるのには、非常に苦労した。「文字式とは、ある計算の仕組みの全体を抽象化したもの」ということをなんとか伝えなければいけないからである。
この教育で苦労したぼくは、めぐりめぐって、それが自分のホモロジー群の理解に生きた、というのは奇遇なことだ。
本書『数学は世界をこう見る 数と空間への現代的なアプローチ』の最終目的となったスキーム(の初歩的部分)を、ぼくが理解できたのは、もっと数奇な運命の巡り合わせである。数学科卒業後、数論に未練のあったぼくは、代数幾何の必要性を痛感していた。
とりわけ、フェルマーの最終定理が、楕円曲線上のゼータ関数の解析接続の問題である谷山予想に帰着され、それがワイルズによって解決されたのを目の当たりにしたぼくは、代数幾何をバックボーンにした数論幾何を勉強しなかったことを激しく後悔した。
そして、なんとか少しでもスキーム理論に近づけないか、と願うようになった。しかし、何度チャレンジしてもその願望は、撥ねのけられてしまった。そのときもまた、「数学を、目の前にある本や、講義のノートの、そのままの字面から理解しよう」としていたからだ。
つづく
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