[過去ログ] 【ファンタジー】ドラゴンズリング2【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (368レス)
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205: [age] 2017/01/24(火)07:53 ID:FpGlBBCa(1) AAS
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206: 2017/01/24(火)13:36 ID:vsp79v7Q(1) AAS
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207: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/24(火)21:34 ID:oB1r/UUP(1/3) AAS
>「ジャン殿……相手は指環を持っておるのだ!」

後ろからティターニアが止めようとしてきたが、もはや遅い。
今のジャンはミライユを潰すことしか頭になかった。

「――黙ってろッ!!」

そうティターニアに吐き捨て、二度の投擲で怯んだであろうミライユへとさらに突進する。
ティターニアが援護のつもりか、ミライユの周りの土が盛り上がって体を拘束するように動き始めた。
ジャンにとっては都合がよかった。これなら顎をかち割りやすい。
右の拳を振りかぶり、体勢を崩したままのミライユへ一撃を叩きつけんとした瞬間、ミライユの策は成った。

発動した拘束魔術はジャンの位置へと反転して発動し、ジャンは足を取られて転倒する。
振り上げた拳は地面へと叩きつけられたが、ミライユはわずかに届かない数歩先だ。
省12
208: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/24(火)21:34 ID:oB1r/UUP(2/3) AAS
そして完全に中指に嵌まった瞬間にジャンは、気がつけば海の上に立っていた。

波立つことのない静かな海と、雲一つない見事な晴天。
薄暗い洞窟からの突然現れた爽やかな天候に、ジャンは戸惑い辺りを見回す。
すると声がした。明るい少年のような声だ。

「――指環を嵌めたということは時が来たのか、それとも」

声の主はジャンの目の前に、空間からぬるりと姿を現した。

「君は、力を求めるだけの愚か者だったのか」
省23
209: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/24(火)21:35 ID:oB1r/UUP(3/3) AAS
怒りのまま走るのではなく、仲間と一緒に歩く。
ただそれだけでよかった。ジャンは思い出す。この指環を巡る旅を始めてから、ずっと仲間に助けられてきた。
一時の怒りで自分を見失い、仲間よりも先走って思うがままに力を振り回すなんてこと、あってよかったのか?

「ダメだよな……それじゃあ、格好よくねえ。
 歴史に名を残すんだったら、もっと格好よくいかねえとな……!」

「――気づいたようだね。なら行くといい」

気づけば嵐は止み、海は再び凪いでいた。ジャンは静かな海の上で大きく息を吸い込み、目を閉じた。

目を開ければ、そこは地面だった。
相変わらず土壁に取り込まれた自分と、ティターニアたち。そして傷だらけのまま狂ったように高笑いするミライユ。
省26
210: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/25(水)22:55 ID:PfG98e+1(1/4) AAS
>「丸見えですよ。ラテ。お前は特別に最後に殺してあげます…… いや、これは"粛清"……
不要なギルド員は、始末される定めにあるんです。じっくりと、甚振ってからね……!」
>「あ、が、あぁああああああああああああああああああああ!」

「ラテ殿……!」

ついに残酷で無慈悲な本性を現したミライユ。
額に青筋を立てたその姿は、ティターニア達に見せていた快活な娘の面影は無く、まさに物語に出てくる悪の魔女そのものだ。
タイザンを、娘を殺した事実を知らしめ絶望させた上でじっくり甚振ってから葬る。

>「返してよ! マスターと……お姉ちゃんを返してぇぇー!!」
>「うぅ……うわぁぁー!!」

さらに、ホロカも壁に叩きつけて気絶に追い込んだ。
省18
211: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/25(水)22:59 ID:PfG98e+1(2/4) AAS
ティターニアは不敵な笑みを作って応じながら、時間稼ぎをする。
次の一手を考える時間を……だ。
実を言えば自分が放った魔術なのでジャンを解放することはいつでも可能なのだが
理性を失った状態のジャンにこのままミライユを葬らせて本当にいいのか。
そして、殺す事が本当にテッラの言う“悪しき者を正しく罰する”ことになるのか。
そしてもちろん、この状態のジャンを解放して今度こそミライユに指環を嵌められては一巻の終わりだというのが一番の問題だ。
まだミライユが自分の方が優位と認識していて嵌める気になっていない今のうちに不意打ち等で指環を奪取してしまいたいところだが……。
そんな事を考えていると、ラテが動いた。

>「それは古の時代から……今まで人を生かし続けてきた魔法。
 時に知恵を、時に強さを、時には不死さえもを、人に与えてきた魔法……。
省20
212: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/25(水)23:02 ID:PfG98e+1(3/4) AAS
「導師様……あの人を助けてあげて。ずっと過去に囚われている。精霊が助けて苦しいって言ってるの……」

「しかし――タイザン殿の仇だぞ!?」

あまりに予想外の訴えに、思わず聞き返すティターニア。

「それは許さない。だから……助けるの。死んで終わりなんて許さない。救う事があの人にとっての最大の罰――」

少女の髪の間から覗いている狐耳に気付き、ティターニアはこの少女は精霊使いではないかと検討をつけた。
獣人族に多く見られる、精霊使いという術士達がいる――精霊と対話し、独特の世界観を持つ者達。
そしてこの世界でのエルフは、受肉した精霊と言われている――
ティターニアは薄く微笑んだ。
省19
213: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/25(水)23:06 ID:PfG98e+1(4/4) AAS
重傷を負い倒れているシュマリからは、しかしまだ魔力が感じられる。大丈夫、まだ息はある。
ティターニアはやおら眼鏡を外した。
彼女が近眼なのは、精神世界を見る能力に偏り過ぎて、物質世界を見る能力が割を食っているためだ。
そのため普段は特殊な魔術が付与された眼鏡を通し調整をかけている。
その眼鏡を外したということは、これから行使するのは精神世界を顕現する特殊な術だということ。
ティターニアはエーテルセプターを構え、横からホロカにも手を添えさせる。
そして高らかに詠唱を始めた。

「ティターニア・グリム・ドリームフォレストの名において乞う――
其は 何処より遠く何より近い場所 生命の生まれる場所にして何時か帰る場所
果て無く巡る魂の円環 忘れ去られた記憶に刻まれた聖痕 我が声に応え暫し顕現せよ――」
省21
214: ミライユ ◆6Nqsyb3PfY 2017/01/26(木)01:01 ID:1EoHxC9l(1/4) AAS
>「あなたを、殺したくない。傷つけたくもない。だけど……あなたを止めます」

ラテがポーション瓶の中身を飲み干すと、肉体の一部が鼠のような怪物へと変貌した。
そして鎖の付けられた鉄球が振り回される。
遠心力をもって徐々にその破壊力の輪は迫ってくるが……

ドォォン、と空中に浮いた爆薬――ミライユの空間操作によって操られた物体が爆発すると、
それらは鉄球を砕き、同時に周囲に浮いた針とともに飛び散る。
瞬く間にラテにその複数の爆風と毒針が襲い掛かる。しかし、ミライユの方も毒針の一部は身体へと刺さっており無事では済まない。

「ぐっ……単細胞ですね。造作もない……次はそんな貧弱なダガーで何を……?」

ラテは強化された全身を迫らせるように懐へと飛び込み、ダガーでミライユの腕を狙う。
省12
215: ミライユ ◆6Nqsyb3PfY 2017/01/26(木)01:02 ID:1EoHxC9l(2/4) AAS
>「指環の力よ!」
>「そのハンマーと短剣はよ、お前が持っていいもんじゃねえんだよ!」

「そんなっ……その力がハーフオーク程度に……!?」

あっさりと破られた拘束魔法。そこからジャンが飛び出してくる。
ジャンは大剣を担ぎ、そのハーフオークの力とは思えぬ水魔法の激流を放った。
それはミライユの背後にあるあらゆるものを押し流そうとする。

「くっ、うわぁぁぁああ!!」

多くの武器や針などが押し流される中、ただミライユは落ちそうになる意識を集中させ、
奔流の中に刀の刺さったタイザンの死骸をジャンにぶつけ、動きを封じる。
そしてティターニアを睨んだ。
省27
216: ミライユ ◆6Nqsyb3PfY 2017/01/26(木)01:04 ID:1EoHxC9l(3/4) AAS
「お……お姉……さま……?」

15歳の少女である姉・メルセデスが、自分よりも背の高い23歳妹・ミライユに、
慈しむように語り掛ける。その姿は15歳であれ、ミライユにとってはいつになっても姉であることには変わりがなかった。

≪ミライユ、退きなさい。今からでもやり直せるから、正しい道を行くの。
あなたの本当の敵は……指環の魔女。お父様とお母様と私、エルジュ家を破滅させた全ての元凶よ。
その方たちに、指環を渡し、あなたの愛する人、マスターの元で、ゆっくり休んで。痛かったでしょう?≫

>「シュマリ……! もういいから退きなさい、まだやり直せるから……!」

メルセデスの声は、既に臓腑を散らしている禿頭のタイザンの死体からも聞こえた気がした。
省20
217: ◆ejIZLl01yY 2017/01/26(木)06:17 ID:E1+pXxZy(1/4) AAS
爆薬が爆ぜ、毒針が私に降り注ぐ……私の作り出した【ファントム】に。
遅い。
私は既に懐へと潜り込んでいる。

体幹の回転に合わせてマチェットを一振り……肉を切り、骨を絶った。確かな手応えを感じる。
だが薄皮一枚残して手首は切断出来なかった……。
斬り落とせていれば、ここで戦いは終わっていたのに。

自分の非力を悔いている暇はない。
ジャンさんが水の大剣をミライユさんへと薙ぎ払う。
身に宿した野生が、大津波のような、凄まじい力の奔流を感じ取る。
これは万一にも巻き添えにはなりたくない……!ネズミの脚力で一飛びに私はその場を退く。
省30
218: ◆ejIZLl01yY 2017/01/26(木)06:18 ID:E1+pXxZy(2/4) AAS
>「ティターニア・グリム・ドリームフォレストの名において乞う――
其は 何処より遠く何より近い場所 生命の生まれる場所にして何時か帰る場所
果て無く巡る魂の円環 忘れ去られた記憶に刻まれた聖痕 我が声に応え暫し顕現せよ――」

ふと、ティターニアさんの声が聞こえた。

>「――夢の森《ドリームフォレスト》」

直後に感じるのは、清らかなマナの迸り。
吹き抜ける風のように広がっていくそれは、黄金と白銀が彩る古代都市を緑の森へと塗り替えていく。

そしてそのまま、マナの奔流は私の放った矢に追い付き……瞬間、矢は栗色の小鳥へと姿を変えた。
小鳥は私の迷いも決断も、まるで知った事じゃないと言わんばかりに、どこか高くへと飛び去っていった。
省31
219: ◆ejIZLl01yY 2017/01/26(木)06:21 ID:E1+pXxZy(3/4) AAS
フェンリルの牙が、巨岩を飴玉のように噛み砕いていた。
それでも降り注ぐ小さな石塊から、テッラの両翼が私達を守る。

そう、もう指環を巡る争いに決着はついた。
なら……この二匹が、大人しくしている理由もない。

「試してたんだな、ずっと」

蚊帳の外の存在でしかない私だから、今分かった。

そもそもたかが人間相手に、世界の滅びと予言された狼と、神に非ずして神に値すると謳われる竜が、こんなボロボロになる訳がない。
初めから、かは分からないけど……きっとミライユさんと、ジャンさん達は、試されていたんだ。
最初から指環を持っていたジャンさん達に対して、ミライユさんにも指環を与えて舞台を整え、ぶつけあった。
省16
220: ◆ejIZLl01yY 2017/01/26(木)06:23 ID:E1+pXxZy(4/4) AAS
これほどの傷と出血……。
そして何より、あの鬼気迫るほどの精神力を、ミライユさんは姉との再会で、失ってしまった。

もう、助からないだろう。
だから、せめて安らかに……。

魔力を体に纏う。
使うのは【スニーク】でも【ファントム】でもない。

私達レンジャーは、魔力の流れを偽装して姿を消したり、残したり出来る。
だから……少し工夫すれば、姿そのものを偽装する事だって、出来るんだ。

さっき夢の森の中で見た、ミライユさんのお姉さん……メルセデスの幻影を、私は纏った。
省12
221: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/26(木)21:50 ID:GkpI7Ad5(1/3) AAS
激流を大剣から放つなか、タイザンの遺体がこちらへと投げられる。
慌てたジャンは激流を収めて大剣を地面に突き刺し、両手でそれを抱え持った。

「……死体は粗末に扱うもんじゃねえぞ」

再びこみ上げてきた怒りを抑えつつ、ゆっくりとタイザンの遺体を地面に降ろす。
そして再び大剣を振り上げ、刀身から放たれる激流によって二つの武器をこちらへと運んだ。

激流によって押し流した武器や爆薬の中から、ミスリル・ハンマーとサクラメントを拾い上げる。
水に濡れて淡く煌くその二つは、怒りに燃えて投げつけたあの時より輝いているように思えた。

>「アハハハッ、ご名答。あなた方はどうせ死ぬのだから言ってあげます……ソルタレクのギルドでは指環を集めているのですよ。
省14
222: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/26(木)21:51 ID:GkpI7Ad5(2/3) AAS
>「ティターニア・グリム・ドリームフォレストの名において乞う――
其は 何処より遠く何より近い場所 生命の生まれる場所にして何時か帰る場所
果て無く巡る魂の円環 忘れ去られた記憶に刻まれた聖痕 我が声に応え暫し顕現せよ――」

>「――夢の森《ドリームフォレスト》」

詠唱を終えると同時に、古代都市に一陣の風が吹き抜けた。
魔力の素養がないジャンですら感じる濃密な魔力の風は、伝わる場所全てを草木生い茂る森へと変貌させる。

>「ミライユ殿、ここは現在と過去が入り混じり、死した者とも対話できる場所――
我に出来るのはここまで……後はそなた次第だ」

小鳥がさえずり、柔らかな木漏れ日が木々からあふれ出るこの場所では、いざ介錯といった雰囲気にはなれなかった。
何もないところを斬るように無造作に大剣を振り、ただの水の塊として指環に戻す。
省13
223: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/26(木)21:51 ID:GkpI7Ad5(3/3) AAS
指環を受け継ぐべきかは誰か、既に決まったと言いたげにミライユを守ろうとはしていなかった。
ミライユの胸から転がり、黄金に輝くその指環をジャンは拾う。
今身につけている指環と同格の力を持つであろうそれを、ティターニアへ渡すことにした。

「――あんたとその子、二人であいつに勝ったんだ。
 戦利品だよ。俺はまだ壊れてない家で漁ってくるから、帰るのはちょっと待ってくれや」

大地を表すであろうそれをティターニアに渡し、既に息が小さくなっているミライユの元へと向かう。
ラテがもう助からないと判断したのか、飲ませていたそれは戦士にとっては身近なもの。
傷が重く、治療の意味がない者に慈悲を与えるそのポーションは、ジャンも村にいた頃に見たことがあった。

「もう、無理なんだな。トドメを刺す必要もねえか」

死ぬ間際に自分のような顔を見たくはないだろうと思い、ラテの後ろからミライユの様子を見る。
省9
224: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/26(木)22:09 ID:Cd/Gxe8H(1) AAS
【ミライユ殿のPLに意思確認なのだがパーティー入りして継続参加してもいいかもとかは思ったりするか?
もしそうならここからそれ用の振りをすることもやぶさかではない。
もう敵役の短期参加で決めているということなら蛇足な感じになってしまいそうなので先に聞いてみた】
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