[過去ログ] 【ファンタジー】ドラゴンズリング2【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (368レス)
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219: ◆ejIZLl01yY 2017/01/26(木)06:21 ID:E1+pXxZy(3/4) AAS
フェンリルの牙が、巨岩を飴玉のように噛み砕いていた。
それでも降り注ぐ小さな石塊から、テッラの両翼が私達を守る。

そう、もう指環を巡る争いに決着はついた。
なら……この二匹が、大人しくしている理由もない。

「試してたんだな、ずっと」

蚊帳の外の存在でしかない私だから、今分かった。

そもそもたかが人間相手に、世界の滅びと予言された狼と、神に非ずして神に値すると謳われる竜が、こんなボロボロになる訳がない。
初めから、かは分からないけど……きっとミライユさんと、ジャンさん達は、試されていたんだ。
最初から指環を持っていたジャンさん達に対して、ミライユさんにも指環を与えて舞台を整え、ぶつけあった。
省16
220: ◆ejIZLl01yY 2017/01/26(木)06:23 ID:E1+pXxZy(4/4) AAS
これほどの傷と出血……。
そして何より、あの鬼気迫るほどの精神力を、ミライユさんは姉との再会で、失ってしまった。

もう、助からないだろう。
だから、せめて安らかに……。

魔力を体に纏う。
使うのは【スニーク】でも【ファントム】でもない。

私達レンジャーは、魔力の流れを偽装して姿を消したり、残したり出来る。
だから……少し工夫すれば、姿そのものを偽装する事だって、出来るんだ。

さっき夢の森の中で見た、ミライユさんのお姉さん……メルセデスの幻影を、私は纏った。
省12
221: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/26(木)21:50 ID:GkpI7Ad5(1/3) AAS
激流を大剣から放つなか、タイザンの遺体がこちらへと投げられる。
慌てたジャンは激流を収めて大剣を地面に突き刺し、両手でそれを抱え持った。

「……死体は粗末に扱うもんじゃねえぞ」

再びこみ上げてきた怒りを抑えつつ、ゆっくりとタイザンの遺体を地面に降ろす。
そして再び大剣を振り上げ、刀身から放たれる激流によって二つの武器をこちらへと運んだ。

激流によって押し流した武器や爆薬の中から、ミスリル・ハンマーとサクラメントを拾い上げる。
水に濡れて淡く煌くその二つは、怒りに燃えて投げつけたあの時より輝いているように思えた。

>「アハハハッ、ご名答。あなた方はどうせ死ぬのだから言ってあげます……ソルタレクのギルドでは指環を集めているのですよ。
省14
222: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/26(木)21:51 ID:GkpI7Ad5(2/3) AAS
>「ティターニア・グリム・ドリームフォレストの名において乞う――
其は 何処より遠く何より近い場所 生命の生まれる場所にして何時か帰る場所
果て無く巡る魂の円環 忘れ去られた記憶に刻まれた聖痕 我が声に応え暫し顕現せよ――」

>「――夢の森《ドリームフォレスト》」

詠唱を終えると同時に、古代都市に一陣の風が吹き抜けた。
魔力の素養がないジャンですら感じる濃密な魔力の風は、伝わる場所全てを草木生い茂る森へと変貌させる。

>「ミライユ殿、ここは現在と過去が入り混じり、死した者とも対話できる場所――
我に出来るのはここまで……後はそなた次第だ」

小鳥がさえずり、柔らかな木漏れ日が木々からあふれ出るこの場所では、いざ介錯といった雰囲気にはなれなかった。
何もないところを斬るように無造作に大剣を振り、ただの水の塊として指環に戻す。
省13
223: ジャン ◆9FLiL83HWU 2017/01/26(木)21:51 ID:GkpI7Ad5(3/3) AAS
指環を受け継ぐべきかは誰か、既に決まったと言いたげにミライユを守ろうとはしていなかった。
ミライユの胸から転がり、黄金に輝くその指環をジャンは拾う。
今身につけている指環と同格の力を持つであろうそれを、ティターニアへ渡すことにした。

「――あんたとその子、二人であいつに勝ったんだ。
 戦利品だよ。俺はまだ壊れてない家で漁ってくるから、帰るのはちょっと待ってくれや」

大地を表すであろうそれをティターニアに渡し、既に息が小さくなっているミライユの元へと向かう。
ラテがもう助からないと判断したのか、飲ませていたそれは戦士にとっては身近なもの。
傷が重く、治療の意味がない者に慈悲を与えるそのポーションは、ジャンも村にいた頃に見たことがあった。

「もう、無理なんだな。トドメを刺す必要もねえか」

死ぬ間際に自分のような顔を見たくはないだろうと思い、ラテの後ろからミライユの様子を見る。
省9
224: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/26(木)22:09 ID:Cd/Gxe8H(1) AAS
【ミライユ殿のPLに意思確認なのだがパーティー入りして継続参加してもいいかもとかは思ったりするか?
もしそうならここからそれ用の振りをすることもやぶさかではない。
もう敵役の短期参加で決めているということなら蛇足な感じになってしまいそうなので先に聞いてみた】
225: 2017/01/26(木)23:32 ID:1EoHxC9l(4/4) AAS
【ありがとうございます。どうやらミライユ死亡が確定しているようなので、このまま死体の後処理はお任せします。】
【同時にこれ以降の生存NPCのシュマリ、ホロカは自由に動かして頂いて結構です。】
【ティターニアさんの次の書き込み以降、時間のある時にミライユEDを書きます。(その次の方が飛ばしても大丈夫です)】

【継続参加はしませんが、人数が足りなくて回らなそうなときは適宜味方か敵で参加希望するかもです。】
226
(1): ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/28(土)13:10 ID:0oBAucsK(1/5) AAS
「ラテ殿! 何を……!?」

>「もう眠りなさい、ミライユ。あなたは怖い夢を見ただけ……。
 もう一度、眠りに就いて……次に目が覚める時は、お母さんがあなたを起こしてくれるわ」

ラテはメルセデスの幻影をまとい、安楽死の薬を飲むように誘う。
折角人間の心を取り戻したのに。折角本当の敵に気付いたのに。そんなのはあんまりだ。
ラテはミライユがこの重傷ではもう助からないと見立てたが
ティターニアは、すぐにユグドラシアに搬送して治癒魔術の専門の導師の治療を受けさせればギリギリ助かるかもしれない、と踏んでいた。
それよりも、一番の問題は彼女に生きる意思が残されているかどうかだ。
それを見極めるために、ティターニアはミライユにとある選択を突きつけようと考えた。
それは、過酷な生か、安寧の死かの、究極の選択―――
省19
227: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/28(土)13:13 ID:0oBAucsK(2/5) AAS
ティターニアは自らの顕現した夢の森にて、ミライユの過去の一端を見ることとなった。
本当の悪の魔女は――その中にこそいた。
魔女の襲撃を受け姉を殺された時、ミライユにとっての世界の全てが狂い始めたのだ。

>≪ミライユ、退きなさい。今からでもやり直せるから、正しい道を行くの。
あなたの本当の敵は……指環の魔女。お父様とお母様と私、エルジュ家を破滅させた全ての元凶よ。
その方たちに、指環を渡し、あなたの愛する人、マスターの元で、ゆっくり休んで。痛かったでしょう?≫

指環の魔女――指環の名を冠するその敵の名に、ほぼ確信に近い予感を感じた。
指環の名はきっと単なる偶然ではない、この旅でいずれ敵として相見えることになるだろう、と。
もしかしたら、ミライユが一行の元に差し向けられ指環の争奪を企てたのも
裏で全て彼女によって仕組まれていたことかもしれない――そんなことまで思った。
省15
228: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/28(土)13:15 ID:0oBAucsK(3/5) AAS
「ラテ殿! 何を……!?」

>「もう眠りなさい、ミライユ。あなたは怖い夢を見ただけ……。
 もう一度、眠りに就いて……次に目が覚める時は、お母さんがあなたを起こしてくれるわ」

ラテはメルセデスの幻影をまとい、安楽死の薬を飲むように誘う。
折角人間の心を取り戻したのに。折角本当の敵に気付いたのに。そんなのはあんまりだ。
ラテはミライユがこの重傷ではもう助からないと見立てたが
ティターニアは、すぐにユグドラシアに搬送して治癒魔術の専門の導師の治療を受けさせればギリギリ助かるかもしれない、と踏んでいた。
それよりも、一番の問題は彼女に生きる意思が残されているかどうかだ。
それを見極めるために、ティターニアはミライユにとある選択を突きつけようと考えた。
それは、過酷な生か、安寧の死かの、究極の選択―――
省19
229: ティターニア ◆KxUvKv40Yc 2017/01/28(土)13:16 ID:0oBAucsK(4/5) AAS
「シュマリ殿!」

急いで駆け寄るも、ティターニアが何かをするまでもなくシュマリがゆっくりと起き上がった。
ホロカがその胸に飛び込み、姉妹は固く抱き合う。

「お姉ちゃん……!」

「オレ、アイツを許さない。でも、夢の中で言ってくれた気がするんだ。
妹が私のようになってはいけない、だからあなたは生きてって……」

まさか、ミライユが最後の生命力をシュマリに与えたというのか。
夢の森――あの領域の中なら、そんなこともあるのかもしれないな、と思った。
姉妹と共にミライユとタイザンの遺体を埋葬しつつ、ティターニアは二人に声をかける。
省26
230: ティターニアin時空の狭間 ◆KxUvKv40Yc 2017/01/28(土)13:20 ID:0oBAucsK(5/5) AAS
済まぬ、時空が歪んでしまったようだ。>226は飛ばして読んで頂けると有り難い。

>ミライユ殿
やはり一緒に盛り上げてくれたPCが死ぬというのは寂しい物だな。敵だから仕方がないとはいえ。
しかしここまでのダイナミックな展開は別PLじゃないと得難いものであるからして
ミライユ殿は我の毎度の無茶振りからいつも予想の遥か斜め上で展開させてくれて本当に楽しかったぞ。
ちなみに今回我がしかけてやめた究極の選択ロールはもしミライユ殿が継続参加を希望したらするつもりだったものだ。
しかし死んで寂しいのはPLの大人の事情というもので純粋に物語として見るとこれで良かったのだと思う。
あと指環の魔女は有難く頂戴しておいた。
ジュリアン殿がワケあり感が半端ないゆえにそろそろガチ悪役が要るかな?と丁度思っていたので。
本当にお疲れ様、ありがとう! また気が向いたらいつでもお待ちしておるぞ。
省8
231
(1): ノーキン&ケイジィ 2017/01/28(土)20:47 ID:fGyQg7oZ(1) AAS
ここにおりますぞ
ティターニア氏のご提案に喜んで乗らせていただきましょう!
232: 2017/01/28(土)21:40 ID:AD9QSNOL(1/3) AAS
>>231
トリップ
233: ミライユ ◆6Nqsyb3PfY 2017/01/28(土)23:57 ID:AD9QSNOL(2/3) AAS
ミライユの全身に回った毒は彼女を蝕み続け、全身の傷からの出血はいよいよ致命的なところまで来ていた。
ここにミライユの23年余の人生は終わりを告げていた。
ラテたちの献身的な「痛み止め」により、より安らかなものとして……

ミライユは最後の夢を見た。いや、最期の、と言った方が良いのかもしれない。

ミライユたち四人は、ソルタレクの最高級酒場『サクラメントゥム』にて、楽しく酒を酌み交わしながら、
大量のご馳走を囲んでいた。ここにはあらゆる国のあらゆる珍味が揃っている。

「それで、今日は、ラテさんの大手柄でしたね! きっとマスターも喜ぶと思います!
それにしても、ジャンさん、あれは無いですよ〜、死ぬかと、思いました!」

ミライユが大皿に盛られた料理をバクバクと食べながら、話を振っていく。
ジャンが祝杯片手にガツガツと食べているペースを落とし、両手を開いてポーズを取る。
省12
234: ミライユ ◆6Nqsyb3PfY 2017/01/28(土)23:59 ID:AD9QSNOL(3/3) AAS
「あ……マスター…!!」

ミライユはその男が酒場に入ってくるなり、飛びつくように男に抱き付いた。
男が抱き返し、そのハネの利いた髪を撫でながら囁く。

「ミライユ、良い子だ。今回も大手柄だった。だから……」

――と、ミライユが異変に気付く。
愛しいマスターの姿が徐々に変貌し、露出度の高い大柄な女の格好になっていた。

「だから――死になさい」
省24
235: 2017/01/29(日)00:20 ID:oVNlJknl(1/6) AAS
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236: 2017/01/29(日)00:21 ID:oVNlJknl(2/6) AAS
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237: 2017/01/29(日)00:21 ID:oVNlJknl(3/6) AAS
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238: 2017/01/29(日)00:22 ID:oVNlJknl(4/6) AAS
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