【短文】ここだけネポック魔法学校・二十三限目【推奨】 (713レス)
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1: ◆AzVIDnz.P1nq 19/10/31(木)23:20 ID:V4d(1) AAS
ここは人里離れた森の奥
そこには、国一番の魔法学校『ネポック魔法学校』が存在する
そこでは、魔導の道を極めんとする若き才能たちが、日々勉学に励んでいるのでした
これはそんな魔法学校の案内状です
入学手続きは簡単
名前を書き、門をくぐるだけ
ネポックの扉は、等しく開かれているのです
こちらは、短文推奨スレとなります
セリフ一行、地の文は多くても三行を意識して書いていきましょう
特にセリフが増えれば、それに返信しての繰り返しでどんどん大きくなるため、一行推奨です
省10
694(1): リィン◆4TvnQMjQHE 20/04/29(水)00:23 ID:KDa(1/4) AAS
>>693
「そうだったーコケコッコーはお友達の方か、レイちゃんごめーん」
やたら元気な訂正を受けるとリィンは両手を合わせて拝むような謝罪、ボケてるのか知りつつそういったのか。彼女の名前を口にしている所を見るとそれは恐らく後者だろう。
まあそれはそうとして、分厚い雨雲が落とす天の雫は未だ衰える気配を見せず、なんだったら更に強まりつつある。この雨が彼女の雨乞いによる物だとは露程もしらないリィンが心配するのも無理はない。
屋根を叩く雨音が大きい、そのうち落ちてくるのでは無いか、なんてあるはずの無い出来事を想像して思わずリィンは天井を仰いだ。
「んー、嫌いじゃないけど好きでもないかな
外に出られないしさ、ワタシはほら………そんなにタフじゃないし?」
窓を叩く雨粒と音、揺れる木々、陽光が遮られ陰の差した世界はしかし、ある種のノスタルジーを抱かせてくれるから嫌いではない。けれども雨を見ればそれ以上に太陽が恋しくなるものだ。
省3
695(1): レイヴン◆L1x45m6BVM 20/04/29(水)00:43 ID:mB2(1/4) AAS
>>694
「許す!! リィリィ許す!!」
どうやら雨降りのレイヴンさんは寛容らしい。
久々の雨によりご機嫌なのだろう。雨乞い成功のこともあり大概のことはお許しする根性。
そして聞かれなければそのことを話すわけでもなし。小屋の屋根は幸い大丈夫だろう。雨は雨、嵐と言うほどではないから。
もっとも、中で暴れたりすれば床が抜けたりする可能性はあるのかもしれない。暴れればだが。
「そっか!! じゃあしょーがない!! ゆっくり見てって!! 雨はいいから!」
雨好きにも種類があることをレイヴンは熟知している。浴びるよりも眺める方が良いという意見もしっかり受け入れられるすごい子なのだ。
雨の楽しみ方はそれぞれ、自分は濡れる方が好きだ。けれど心配はちゃんと受け取って。
省4
696(1): リィン◆4TvnQMjQHE 20/04/29(水)01:18 ID:KDa(2/4) AAS
>>695
「わっ………ホント元気だねぇー、元気すぎて見てるこっちが胸焼けしそ………まあ、元気なのは良い事なんだけどさ」
轟々と鳴り響く雨音にも負けない大声に苦笑を呈すリィン、驚異のエクスクラメーションマーク率100%である、自分のテンションの高さを100とするなら今の彼女は200も300もありそうだ。
特に深い親交もなく詳しく彼女を知っているとは言えないが、それでも自らの知るレイヴンとはかけ離れ過ぎていて別人格を疑ってしまいそう。
「そっか、ならいいんだけど………一応タオルはもう一枚あったからもしよかったら使ってね」
火の付いた薪をつつきながら、見つけたタオルの一枚を傍らに。そろそろ良い頃合いだろうと火かき棒を暖炉の脇に立てかけると、水を含んだ真紅の髪を優しく拭う。
「ん?あーワタシ?ちょっとここら辺で本を読んでたんだー。これこれ、すっごく古い本らしくて解読に結構苦労してたんだよねー
そしたらいきなり雨が降ってきたから逃げてきたの。」
省2
697(1): レイヴン◆L1x45m6BVM 20/04/29(水)01:43 ID:mB2(2/4) AAS
>>696
リィンがそう感想を抱くのも仕方ない話である。
レイヴンのその性格は慣れていなければ双子の姉妹が居るのではとも言われるほど極端だ。
雨が降れば大喜び、それ以外では冷静を通り越したダウナーモード。差が開きすぎている。
このせいで時折授業中に窓から飛び出すなんていう珍事件もあるくらいだ。先生方の苦労が偲ばれる。
「ん! あとで使わせてもらう! ありがと!!」
タオルのご厚意は受け取るようだ。
そもそも雨の中歩き回っていればおちおちお話もできやしない、当然と言えば当然か。
「本!! ――そうなんだ!! ごめん!! 雨降らせたの私!」
「お料理! 私も見てみたい! 良い!?」
省4
698(1): リィン◆4TvnQMjQHE 20/04/29(水)02:09 ID:KDa(3/4) AAS
>>697
以前会った時のあの落ち着き様は一体何だったのかと思わせる位感情のメーターが振り切っている状態のレイヴンだが、ああ、それくらい雨が好きなんだろうなぁと好意的解釈に納めることにした。
「わお、この雨を降らせたのってレイちゃんなんだ。凄い魔法が使えるんだねぇー」
唐突なカミングアウト、この豪雨が目の前のハイテンション少女が元凶と聞けば肩を竦めて驚くような素振りを見せる。その語り口はまるで小さな子供に向けるかのよう、嘘を付いているとは思っていないがほんの少しだけ半信半疑だったり。
「レイちゃんお料理するの?うん、いいよ、まだ全部は読んでないけど、途中までなら読んで教えてあげられるしね
あっ!でもちゃんと身体は拭いてね?」
料理本を好む意外に家庭的な一面にちょっとびっくり、一度試そうとしてダークマターが出来上がった自分にとって少し羨ましかったりもして。
省2
699(1): レイヴン◆L1x45m6BVM 20/04/29(水)02:24 ID:mB2(3/4) AAS
>>698
「雨乞い成功!! 久々成功!! イエイ!!」
実際のところは不明である。雨乞い自体はよくやってる。
それが成功する可能性はまちまちなのだが、今回はどういう理由なのか。
たまたま引き寄せたのか、それともガチ成功か。それは神のみぞ知る。
「わかった! 本濡らすのいけない!!」
それくらいの常識は兼ね備えてるらしく、タオルでふきふき。
惜しみながらも身体の前に髪を拭い、ある程度拭き取れば自身の魔法でさっぱり乾燥。
戻ってくるのは冷静を通り越したダウナーモードなレイヴン。それでも本心は変わらない。
「らー……めん……? ……熱い?」
省5
700(1): リィン◆4TvnQMjQHE 20/04/29(水)03:09 ID:KDa(4/4) AAS
>>699
「(うん、誰この子!?)」
色褪せた羊皮紙に連ねられた見慣れぬ文字の数々を指でなぞれば読み進める、そんな事をしていれば、隣にちょこんと座ったレイヴン。ああやっぱり多重人格か何かでは?なんて彼女の変わり様を直に目の当たりにして心の中で突っ込む。
「冷たい物もあるみたいだけど………温かいのが主流みたいね。魚や動物の骨から出汁を取った色々な味の拉麺があるんだって。
この頁はその麺を使った料理が材料と作り方が細かく載ってるね。あー………これは、SOBA?」
感情は何処へ、なレイヴンを横目でちらりと見やれば小さく微笑む。静かになってその表現の仕方が変わったとはいえ、年相応の好奇心や興味はあると見える。
となれば教えるこちらにだって力が入る、元々異国の文化を知る事に憧れてありとあらゆる言葉を学んだのだ、同じように自らの知らない他国の知恵に興味を示してくれる事はリィンに取っても嬉しい事だ。
「こっちは麺って材料を使う点は一緒だけど、魚介類の出汁を基本ベースにしているのが多いね
温かいのも冷たいものもあって、麺の太さでも区別されるんだ………魚のすり身を固めた物を入れたり、スパイスも合うんだとか………うわー美味しそう!」
省2
701: レイヴン◆L1x45m6BVM 20/04/29(水)03:27 ID:mB2(4/4) AAS
>>700
誰しも最初はそう思わせるレイヴンの変貌。
ツッコミを受けてるなど知るよしもなく本を読む彼女に夢中である。
「ダシ……スープみたいなものかな…………へぇ、色々あるね、らーめん……」
「……そば?」
色々知っていくにつれて、反芻したり問い掛けたりと勉強の手法は自然と取られる。
レイヴンの興味は雨が大半、ここ最近はそれ以外にもいくらか向くようになっていて。
料理や動物がその一端。知っておけば、色々役に立ちそうだから。
親友の若草色も喜びそうなものがあれば良いと願う。
「……冷たいのもある? ……それならいいかも」
省6
702(1): アーサー◆4TvnQMjQHE 20/07/06(月)00:26 ID:bkk(1/2) AAS
雨雲が空を覆って隠す、しとしとと降り注いだ慈雨が窓ガラスを叩いてささめく薄暮の折。
膨大な蔵書を有した図書室の中、驚く程に大きな本棚が並んだ壮観とも言える光景を背に、椅子に腰掛けた少年は羊皮紙に手書きで記された文字に人差し指を走らせる。
眼前のテーブルに積み上げられた本、装丁もあしらわれた装飾も様々だが、そのどれもが全て料理とその素材に関するものだ。
「東洋の料理………手に入るかな、材料………」
ふと零した呟きが閑森を揺らす、細くしなやかな指がくすんだ金糸雀色の髪を弄んで。
長く文字と向き合っていたからだろう、瞳の奥に疲労を感じたアーサーは静かに深いため息をつく。行き場を無くした視線の先を窓の向こうの曇天に委ねた。
703(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/07/06(月)00:41 ID:Sdw(1/4) AAS
>>702
「おー、アーサー君、お悩みー?」
にゅにゅ、とした擬音を着いてこさせるように天井から影に掴まり降りてくる少年。
黒髪に黒いマント、垂れ下がった黒い尻尾に至るまで、彼は影のように依然として黒い。
そんな彼が図書室にいるのは、涼しさもあってだろう。小脇に抱えた初心用の魔導書が本来の目的も。
「お目目疲れたならー、はいこれ!」
図書室だけあって、声は元気でも小さく。シャディは淡い緑色の液体の魔法薬を差し出した。
704(1): アーサー◆4TvnQMjQHE 20/07/06(月)01:10 ID:bkk(2/2) AAS
>>703
昏い藍玉が雨空を穿って数十秒、いつも一緒にいる小さなワイバーンも喋る猫もいない静かな一時。
自らの小さな息遣いと、淡く控えめな雨音だけが耳朶を叩く。賑やかなのも嫌いではないけれど、学校の喧騒から離れたこの空間で、気の済むまで読書に耽るのが彼にとっての安らぎだった。
「……………!!!………………?あ…………こんばんは、シャディ様
う………すみません、ずっと本を読んでいたからか疲れが溜っていたようです。有難うございます………」
視界に影を落とした黒い物体にほんの少しの驚きを見せるもしかし、それか見知った顔であると分かればほっと一息。
僅かに発光する液体に疑問符を浮べる、けれどもシャディが悪意を持って誰かに接する事などあり得ない事をアーサーは理解している、故に素直に謝意を示せばそれを手に取り口に含むに違いない。
彼は相当な悪戯っ子で有ることも知っていたから、それを嚥下する迄にほんの少しの逡巡を挟んだだろうけれど。
705(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/07/06(月)01:23 ID:Sdw(2/4) AAS
>>704
「あははー、集中してたんだねー、いいこと♪」
驚いた顔を見るのは彼の好みでもあるところだ、それ故彼は上機嫌。
静かなそこで騒ぐ真似は今はしない。無闇にテンション上げると熱気でちょっと茹だるからで、だから彼に声をかけたとも言える。
「目に利くお薬だけどどうー?」
……善意ではあるのだろうが、心なしか実験台として扱われてるように感じるかもしれない。
薬の効果を知るにはそれが早いのだが、だからといって……。
椅子に着席して足をパタパタさせるシャディは、感想を待ち始める。なお、眼の疲れを癒す効果はあるが……他に効果を含まない可能性はゼロではなかったりする。
706(1): アーサー◆4TvnQMjQHE 20/07/06(月)02:09 ID:Tcu(1/2) AAS
>>705
「心なしか楽になった気がします。ありがとうございます、シャディ様。
あの凄く………ぱちぱちとした飲み物もそうですが、シャディ様は不思議な物をたくさんお持ちなのですね」
疲労が滲んだ双眸にじんわりと熱が帯びる、それはまるで温めたタオルを顔の上に被せたよう。両方の瞼を深く閉じればしばしの間、微睡みを誘うその心地よい感覚を享受して。
いつかの昼下がりに味わった炭酸なる物が含まれたジュースといい驚くばかり。瞳を開いて視線を重ねたアーサーは再び感謝と共に惜しみの無い称賛を手向けた。
「ええ、実はリィン様に遠く離れた東洋の料理とその原料に関する本を読み解いたからと、その解読結果を記したメモをいくつか頂きまして………
ですが異国の風土にしか芽生えない物もあるらしく、材料の調達に難儀して調べていた所なのです」
綺麗な字で書き記された羊皮紙に目を落として小さく穏やかな言葉を綴る。その音色は平坦で酷く抑揚に掛けるものの、一見無表情に見えるアーサーの少女めいた顔立ちは何処か嬉しげ。
得意分野は料理裁縫etc………年頃の少年だがしかしその内面は見た目同様女子力高めである。
「あのう………そういえば、以前シャディ様に酔ったリィン様をお部屋にお連れして頂いた夜から何故かリィン様が余所余所しく感じるのですが………ええと………何かご存知ではないですか…………?」
省4
707(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/07/06(月)02:17 ID:Sdw(3/4) AAS
>>706
「ふふーん、これでも悪魔だからね!」
理由になってない理由である。ちなみに図書室では原則飲食禁止なこともあり今はそれらも出なさそうだ。
あくまで、今のはお薬だからと言い訳が利くからだろう。成果が出ればこちらも嬉しげに。
「あー、なるほどー。そういうものなら掲示板に依頼とか出してみるのはどーかなー?」
「どこかに行く用事のある人とかが、見かけたら持ってきてくれるかも!」
それは視野がどうしても校内に収まりがちな時の常套句だ。教師や生徒がこれより先、長期休暇を利用することもある。
故に、という手段だろう。もちろん珍しさがあるために依頼側から多少の前金は出すべきになるが……。
「…………ん、んー……、よそよそしくなったってどういう……感じで?」
省5
708(1): アーサー◆4TvnQMjQHE 20/07/06(月)15:19 ID:Tcu(2/2) AAS
>>707
「掲示板ですか…………僕一人で探すのも限界があります。確かに………その方法でしたら可能性がありそうですね
とても考え付きませんでした。流石です、シャディ様。………ああ、もし貴方様が宜しければ、完成したあかつきには僕に振る舞わせてください、リィン様も交えて………如何でしょう?」
はてさて異国の植物や材料をいかにして手に入れるか、沈黙に意識を委ね思考を巡らせるも、良い答えは遂に出ず。
身体的年齢は齢14の子供と等しいが、この世に生まれ落ち自我が産声を上げたのは今から2年と少し前、ありとあらゆる本を読み、膨大な知識の揺籃に沈んでも培われぬ物もある。
畢竟、彼は超が付く世間知らず。
故にそんな自らの思考の埒外を行く返答にアーサーは頷いて、桜色の唇を緩める程度のたおやかな微笑にてそれを受け入れる。いつかそれが完成したら、みなで夕餉を共にしようと提案して。
「一言で言えば………避けられている、でしょうか………。
僕は友人と呼べるお方もあまり多くはおりませんから………一人で居る事も多く、そのせいか気を使ってお誘い頂く事が多いのです
ですが、近頃そういった事もめっきり無くなってしまって、もしや失礼を働いてしまったのではないかと………」
省8
709(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/07/06(月)18:15 ID:Sdw(4/4) AAS
>>708
「どーいたしまして! でも様とかそろそろつけなくても……」
「おぉ、いいね! 他の皆も呼べたらもっと楽しそう! ……あ、でも僕熱いものはダメ……」
食事を共にするのは、彼にとって断る理由もないもの。賑やかさを求めるようなそれは歳より幼くも見えそうで。
しかしこの少年、どうにも体質などが厄介らしく熱いものは冷まさなければ食べられないらしい。……それ用の薬を作ればまた異なるのだろうが。
さて話の内容が変われば、様子も変わるもの。避けられる、ということがどのような寂しさを生むかは彼も知っていることだ。
けれどシャディからすると、リィンがアーサーを避ける理由はないと考える。仲睦まじいと言われれば嬉しくはあるが、それはそれ。
一瞬ビクッと慌てるが、なんとか落ち着こうと深呼吸だ。
「……んーとねー、リィンちゃんはアーサー君が嫌で避けてるわけじゃないと思うよ?」
「あの時にねー、リィンちゃん言ってたんだ。嫌われてないかなって」
省5
710(1): アーサー◆4TvnQMjQHE 20/07/07(火)11:56 ID:w4O(1/2) AAS
>>709
「嗚呼………申し訳ありません。生来より他者をお呼びする際はこの様にと仰せつかっておりましたから、お気を悪くされたのでしたら………」
例え王のお側に控えたとて恥の無い立ち振る舞い、恭しき言葉遣い、それは一介のホムンクルスたる彼に与えられた教育としては最上級の物であったがしかし。
童子にあるべき童心を殺し、それを身に着けんとしていた日々は暗澹に満ちていた。まるで主の機嫌を伺うように貴方の顔を覗き見て、在りし日の追憶を嫌った。
「ですが、そうで御座いますね………もし、貴方様が望むのでありましたらご要望の通りにお呼び致しましょう、遠慮はございません、なんなりと」
けれどそれはそれ、これはこれ。ここに居るのは忌むべき主の呪縛を逃れ、名家と名高きフォースフィールド家の一員に名を連ねた自分自身だ。
ならば親しき友の申し出に一体誰が、どうして異を唱える事が出来ようか。苦々しい記憶を振り払い、本を手放し嫌味の無い流麗な所作にて受け入れて。
「ご心配には及びません、冷たい種類もあるそうですから、きっと盛夏の候とて忘れる事が出来ましょう」
省9
711(1): シャディ◆L1x45m6BVM 20/07/07(火)17:11 ID:CKi(1/2) AAS
>>710
「ふつーに呼び捨てか、君づけでいいよ!」
気を悪くした、というよりはシャディがその呼称に慣れていない。これに尽きる。
呼び捨てか君付けされることがほとんどのシャディが、様付けにむず痒くなるのは当然でもある。
「やった! 楽しみ!」
冷たき品目もあると知れば遠慮してそうだった表情は一転して。それだけ、熱いものに対する忌避感は料理人に対して悪いとも感じでいるようで。
「まーまー、そういうのっていざとなるとねー」
省6
712(1): アーサー◆4TvnQMjQHE 20/07/07(火)22:56 ID:w4O(2/2) AAS
>>711
「畏まりました、それではこれからはそうお呼びする事に致しましょう………シャディ君」
彼とてまた、敬称を略した呼ぶ事は稀有であるが故。最後に貴方を呼んだ声色は、何処かたどたどしくはあったけれど。
しかし意外と悪い気はしない、それがより二人の親交を深める切っ掛けとなるのかもしれないのであれば殊更に。
「ドラコ達を外で散歩させていましたら偶然………あの時のお二人は………そうですね、例えるのなら、とても情熱的に見えました。
温かい日差しの下で木漏れ日を浴びながら抱擁を交わす………嗚呼、なんと…………」
心底に抱いた憂戚が、ただの思い過ごしであった事に気を良くしたか、はたまた積み上げられた本に1冊さりげ無く混ざり込んだ恋愛小説めいた本に影響を受けていたのか。
ともあれそろそろお気付きになって来たかも知れないが意外とこの少年、思い込みが激しいタイプなのである。
必死に否定を挟むシャディをよそに、当の本人は頬に両手を添えて身を捩り、自分の世界に浸りつつあったが。
「はい?あーええと………そんな事はない………かと?シャディ君はとても男らしく、勇ましいと思います、ええ………」
省11
713: シャディ◆L1x45m6BVM 20/07/07(火)23:14 ID:CKi(2/2) AAS
>>712
「ふふー、よろしくねアーサー君!」
改めて、同じような呼び方で。まったく図書室内だというのに元気なものである。あとで怒られやしないだろうか?
「誤解が加速してる!? ちょっと落ち着いて!?」
「……へ? あ、そう……? えへへ……」
これは強敵である。というよりシャディはラブではなくライクが基本だ。リィンとてその一人。
だからといって反応が変になるわけではなく、あれは単に自覚すると恥ずかしいとか、寝ぼけていたとか理由ができる。
ただそれを説明する冷静な思考も不足しているのだろうか。今日のシャディは振り回されがちだ。
とはいえ誉められたら誉められたで嬉しいのである。相手が悩んでることは知らずに。
「…………あれ?」
省5
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