刑法の勉強法■60 (533レス)
上下前次1-新
6(1): 元ヴェテ参上 2022/11/04(金)21:30 ID:uVID13N/(2/2) AAS
>>4
有名な「中=中山論争」は、結果無価値論内部での論争であるかのような誤解が一部に
ある(たとえば、垣口克彦「主観的違法要素の理論」中古稀)。たしかに「主観的不法
要素について」(中・『刑法上の諸問題』の冒頭論文)には、あたかも中博士が結果無
価値論に立つかのような表現が散見される。また、中博士が、自説を補強するにあたっ
て、佐伯・平野説を援用するのも誤解を生む原因であろう。
しかし、中博士は、明確に行為無価値論に立ち(『講述犯罪総論』90頁)、また、故意
一般をも主観的違法要素と解している(同・99頁)ことに注意を要する。
なお、「中=中山論争」の諸論文は、中『刑法上の諸問題』(1991年)、中山『刑法の
論争問題』(1991年)に収められている。
7: 2022/11/05(土)05:48 ID:qY8ipWBG(1/2) AAS
内田文昭先生最高!
8(1): 元ヴェテ参上 2022/11/05(土)08:14 ID:xwPjdi5G(1/2) AAS
>>6との関連で中山総論をパラ読みしたのだが、次のフレーズを発見した。
曰く「それは、行為当時にすでに特殊な事情が存在したような場合には適用可能だと
しても、行為後に特殊な事情が介入したような場合には有効ではないとする批判である
(井上祐司・行為無価値と過失犯論165頁以下)。とくに後者の場合には、因果経過の
相当性ー『危険の実現』ーに関する経験法則的な判断が、介在事情の捨象によって、
行為時における一般的な危険判断にまで還元され、・・・」(179頁)
「危険の実現」という言い回しが、中山博士のオリジナルなのか、井上・行為無価値の
引用なのかは、井上・行為無価値が手許にないので定かでない。
なお、中山総論は1982年、井上・行為無価値は1973年。
遡れば、平野総論(1972年)に次のようなフレーズがある。
省3
9: 2022/11/05(土)09:07 ID:eadiExJW(1) AAS
大谷實の弟子十河太郎先生(司法試験考査委員)最高!
10: 2022/11/05(土)09:27 ID:z7wE3AGV(1/3) AAS
すげえ
ヴェテが書き込むと一気にアカデミックさが倍加するな
こういうスレこそ必要だな
11(2): 2022/11/05(土)11:26 ID:PRsgC7M+(1) AAS
法律の理論とか一番アホくさい
結論ありきなのによ
12: 2022/11/05(土)12:34 ID:qY8ipWBG(2/2) AAS
客観的帰属論が下火になったのはなぜ?
13: 2022/11/05(土)12:40 ID:z7wE3AGV(2/3) AAS
>>11
概ね、そういうことだと思うが、
法や解釈に顕現する思想の糸を研究分析すれば、
誰が、社会(世界)を、どういう方向へ導きたいのか
が分かるような気がする(誰も研究していないが)
法は文明・文化の表れだろ?
14: 2022/11/05(土)12:47 ID:z7wE3AGV(3/3) AAS
>>11
例えば、会社法に顕著だが、株主の権利が強化されてきた歴史を
つらつらと眺めれば、たんなる会社は誰のものか(株主のものか)などという
単純図式で理解するより面白い
また、会社経営者の権限濫用違法行為を抑制するために監査機関が必要、
社外取締役の重要視という制度改革も、会社法の世界では
会社経営者の暴走を抑止するという見地からのみ語られるが、
それは建前であって、本音は金融資本家が配当を多くとり、会社経営に関与
出来るようにしてきた(平たく言えば、日本の会社、EUの会社の乗っ取り)
それが金融グローバリズム
省1
15(2): 2022/11/05(土)16:16 ID:RgMej+Da(1/3) AAS
>>8
行為無価値と過失犯論持ってるよw
『危険の実現』はエンギッシュ説の紹介のくだりででてくる(185頁)。
「エンギッシュ博士は、ミュラー氏から『危険の実現』という観念を学び、これを
危険判断に対立させて理解した。エンギッシュ博士は因果関係理論としては、
「合法則的条件関係の存在」という修正された条件関係説にたつ。ただ相当性
説の思想の正しい核心を可罰違法論(構成要件)の中に承継しようとするの
であった。彼は、結果犯の構成要件要素として、行為の相当性(行為の結果に
対する蓋然性、危険性の判断)のほかに、因果経過の相当性(当該行為をして
違法たらしめている「危険」が、まさにその経過を通じて結果に実現されたこと、
省2
16: 元ヴェテ参上 2022/11/05(土)17:04 ID:xwPjdi5G(2/2) AAS
>>15
フォロー有難う。
同じことが山中総論259頁に簡潔に書いてあった。
「ミュラーの危険概念の分析は、1930年代にカール・エンギッシュによって相当因果
関係に採用された。それが、行為の危険性(危険創出)と危険の実現(危険実現)の
区別である」
17: 2022/11/05(土)18:06 ID:RgMej+Da(2/3) AAS
同書194頁の注(6)には、
「危険の実現という観念はミュラー博士によって始めて用いられたものであるが、
このことが、行為の違法性の問題と密接に関連して生れてきた事情も加わり、
単に因果経過の不相当(日常生活危険の枠外の因果流れ)による危険の実現
の阻害の場合のみならず、禁止規範の目的の相違による危険の実現の阻害の
場合も観念された。」
(中略)
「規範目的の相違による危険の実現の阻止の問題は、全く因果関係の問題では
なく、注意義務の構成の問題である。この二つの問題を一つの「危険の実現」という
問題領域に統合することは賛成できない。それは過失の因果関係の問題ではなく、
省2
18: 2022/11/05(土)18:09 ID:RgMej+Da(3/3) AAS
これは、今の客観的帰属論に架橋される問題であって
なかなか興味深い。
19: 元ヴェテ参上 2022/11/06(日)16:16 ID:4e50xjrO(1) AAS
山口総論だけど、はしがきで「通説的な見解である違法・有責類型説にあえて異を唱え
るまでもない」としながら、本文では、本説は「構成要件概念の自殺、構成要件否定説
だ」(31頁)、「悪しき全体的考察に至りかねない」(32頁)となかなか辛辣だなw
それにしても、違法行為類型説の論証(33−5頁)は難解だな。初学者は理解できる
のかね。
20: 2022/11/06(日)18:02 ID:DQOSvlQr(1) AAS
ヴェテは一人でオナニー発言してないで法学板いきなよ
21: 元ヴェテ参上 2022/11/07(月)09:52 ID:3jQ1DRJp(1) AAS
山口総論メモ第2回―未遂犯の故意は主観的違法要素か
検討にあたっては、「行為意思」の問題はひとまず考慮の外に置く。
未遂犯の故意は「目的犯」の構造との類似性が指摘されている。すなわち、目的犯には
「後の行為を目的とする犯罪」(たとえば、通貨偽造罪)と「結果を目的とする犯罪」
(たとえば、虚偽告訴罪)の2つの型があり、前者の目的は主観的違法要素であるが、
後者の目的は、主観的違法要素ではなく、責任要素であるというのが結果無価値陣営
での多数説である(山口98−100頁、平野124−126頁)
そして、未遂犯の場合、「着手未遂」は第1の型に、「実行未遂」は第2の型に対応す
ると示唆されている(山口98−99頁、平野126頁)。であれば、着手未遂の故意は
主観的違法要素であり、実行未遂の故意は主観的違法要素でないとするのが自然である。
省10
22(1): 2022/11/07(月)16:21 ID:7x6vI8kf(1/3) AAS
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医事刑法研究第8巻
『人体情報と刑法』
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978-4-7923-5382-7
23(1): 2022/11/07(月)17:35 ID:7x6vI8kf(2/3) AAS
>>22
実行未遂と着手未遂はどうやって区別するの?
24(1): 元ヴェテ参上 2022/11/07(月)19:51 ID:nQN2LoIb(1/2) AAS
>>23
「着手未遂」は、実行に着手したが、実行行為が終了しないまま犯罪の完成に至らなか
った場合。「実行未遂」は、実行行為は終了したが、犯罪の完成に至らなかった場合。
人を殺そうとして、ピストルで相手に狙いをつけた瞬間に逮捕された場合が「着手未遂」
引き金を引いたが、弾が相手に命中しなかった場合が「実行未遂」
もっとも、刑法典はこの区別を重要視していない。
ただ、中止犯においては、消極的にそれ以上の行為を行わないこと(不作為)で足りる
「着手中止」と、積極的な防止行為をして結果の発生を阻止する必要がある「実行中止」
の区別が重要である。
しかし、これは論理が逆転しており、不作為による中止で十分なのが「着手中止」であり
省1
25(1): 2022/11/07(月)20:23 ID:7x6vI8kf(3/3) AAS
>>24
その際に行為者の犯行計画はどの程度考慮するの?
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