SSスレ(萌え)8 (188レス)
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118: 41です 2012/12/30(日)19:22 ID:WX3D6F9E0(7/12) AAS
「帝国の龍神様」サイドストーリー
「は? あの、それはどういう意味なのでしょうか……」
「そんな顔をするだろうと思っていたがね、事実なのだよ。悲しい男の性というべきか」
竜州から東京に一時帰国した足で海軍省へ顔を出した俺、真田博之少佐は、面白くてたまらないといった表情の堀中将から聞かされた話に絶句してしまった。そんな俺の様子に、同道していた撫子は不思議そうに眉根を寄せる。
「別におかしくはないであろうが。好きなだけ女を抱ける土地に行きたいと思わぬ男のほうが異常じゃぞ。それとも、この世界には男が好きな男が多いのか?」
「いや撫子、それは激しく誤解だ――し、しかし閣下、彼らは本気なのですか? 帝国に忠誠を誓うふりをして、実際は破壊工作員とかスパイなのでは……」
「まあ、そんな連中もいるだろうが、大部分は本当に竜州行きを熱望しているらしい。男と生まれたからには男の天国で暮らしたいと断言する連中が押し寄せて、外務省などは頭を抱えているよ。いったん情報が洩れたら、収拾がつかなくなってしまった」
しまいには愚痴になった堀中将の話とは、世界各国で「自分も竜州に行きたい」と志願する者が日本の在外公館などに殺到しているという事実であった。
例によって防諜意識皆無の日本政府内部から「竜州には性奴隷になりたがる最高の美女がたくさんいる」という情報――事実なのだから否定しようがない――をキャッチした各国政府は、真っ青になって隠し通そうとした。そんな話が知られたら、男性国民の相当部分が「自分たちも行きたい」と思い立つのが目に見えていたからだ。その懸念は無理もなかったが、これほどの情報を隠せるはずがないのもまた当然の話で。戦争という重苦しい現実に押さえつけられていた世界は、一気に釜のふたが吹き飛んでしまった状況なのだ。
省4
119: 41です 2012/12/30(日)19:23 ID:WX3D6F9E0(8/12) AAS
ダレス氏が届けてきたという米国の新聞を眺めながら、俺はもはや何も言う気力もうせた。一面にはプラカードを掲げた男女の集団が、棒で殴り合ったり投石している写真が大きく掲載されている。そのプラカードに書かれた内容といえば……。
「われわれは竜州の女を求める!」
「西部に続いて竜州の開拓こそ、アメリカ人のフロンティア!」
「ジャップが竜州の女を独占するのは独占禁止法違反だ!」
「竜州の女性解放こそ文明の責任!」
「アメリカの男を竜州に流出させるな!」
「竜州に男を行かせるくらいなら欧州戦争に参戦せよ!」
……どこか激しく間違っていると思うのは俺だけだろうか。
「しかし、こうなると米国が竜州欲しさに対日宣戦布告をしてくる恐れもあるのでは」
「それはないだろう。現状ハワイの竜を何とかしなくては、対日戦争などできまい。撫子様の話では、ハワイの竜は簡単に米軍に負けるようなタマではないようだし」
省8
120: 41です 2012/12/30(日)19:23 ID:WX3D6F9E0(9/12) AAS
「それにしても、竜州には怪獣のような巨大な蟲がうようよしているとか、現地の国同士で戦争が起こっているとの情報は知られていないのですか?」
「いや、ここまできたらと山本が海相や陸相と協議して、竜州軍が襲われて大損害を出した事実も含めて公表した。すぐその話も流れたが、竜州行きを求める声は一向におさまる気配がない。戦争で死ぬのも怪物と戦うのも同じ。ならばいっそ……というわけらしい」
その点は、貧乏百姓の小せがれだった俺にもわからないでもない。基本的に兵士や労働者になるのは中下層階級の男たちであり、裕福さと縁がない彼らは戦争に行かされたりきつい労働に従事するよりも、好きなだけ女を抱けるなら多少危険でも竜州のほうがマシと考えるだろう。しかし、彼らがごっそりいなくなってしまえば、特に戦争中の欧州各国は国として存続できなくなり、権力や体制が崩壊してしまう。だからこそ各国は当初、必死で情報を隠したのだろうが。
「しかも、竜州行きの志願者が一番多い土地はどこだと思うかね?」
「はあ、女好きならイタリアあたりでしょうか。それとも南米かインド……」
「いや、朝鮮と中国だ」
「え、でも朝鮮は植民地ですが独立運動は今も根強いと聞きますし、中国からも撤兵したとはいえ、反日機運は激しいものがあるはずでは……」
「独立も反日も、女を好き放題にできるという甘い餌の前では雲散霧消してしまうようだな。朝鮮総督府や満州国駐在大使館などには、日本軍に入隊するにはどうしたらよいかという現地人からの問い合わせが殺到しているそうだ。辻大佐によれば満州で反日活動をしていたソ連系の朝鮮人共産ゲリラ幹部が、竜州行きを条件に投降と情報提供を打診してきたとか。日本国内に住んでいる朝鮮人たちも、各地の基地に入隊志願に来て困っていると東条内相が話していたぞ。内心はともかく表向きとはいえ朝鮮人たちが『天皇陛下に忠義を尽くすために兵士になりたい』と言うのを無碍にはできないしな」
愛国心とか反日運動よりも自分たちの欲望を優先するとは、朝鮮人や中国人の実利第一主義を褒めるべきか。いくら頭が切れる山本軍令部総長も、どうしたよいか決断しかねているのだろう。その愚痴が堀中将を通じて俺たちに伝わっているわけか。
121: 41です 2012/12/30(日)19:24 ID:WX3D6F9E0(10/12) AAS
「あと、これは極秘情報だが、満州国皇帝陛下から黒長耳続の女を後宮に迎えたいとの意向が伝えられてきた。ほかに満州国政府の中国人高官からも、関東軍司令官に同じ要請があった。こちらの一存では断れず、撫子様に話しておくと返事したが……」
「満州国皇帝が? しかし一国の宮廷に異世界の女を招き入れるなど」
「日本に移ってきた黒長耳族の女性たちが、大陸で出征部隊にすごい慰安をしただろう。そこにいた対日協力者の中国人から情報が伝わったらしい。国内でもいくつかの有力華族様から、何とかならないかと及川や山本に言ってきている」
海軍を女衒のように使うとは。お偉いさん方に猛烈に腹が立ってきたが、意外にも堀中将は大して怒っていないようだった。
「この先、欧米の権力者や王侯貴族、富豪たちからも同様の話が来るのは確実だぞ。英国のフレミング氏など、世界の有力者に竜州の女を愛妾として差し出せば、日本の国際的地位は保証されると力説していた。英国をはじめとする欧州各国の王室には、本物の娼婦が王の愛妾として迎えられた例は珍しくないそうだから、今度も歴史は繰り返すという程度にしか思ってないようだ。何でもルーズベルト大統領は女性についてまだまだ現役だから、来日の際に味を覚えさせれば日米戦争はなくなると断言したよ。山本が呆気にとられた顔を見たのは久しぶりだったな」
「はあ……彼は英国の工作員として、日米戦争を起こさせるのが任務だったのでは?」
「間もなく東京竜会議が開催される。これを機に日本を通じて撫子様をはじめとする竜と友好関係を結ぶことで、英国の立場を強化しようとしているというのが吉田大使の見立てだ。ドイツもシチリアやアイスランドの竜と誼を通じようと必死になっているから、そうさせてなるものかというわけだ。実際に世界の有力者に竜州の女が愛妾として提供されたら、骨を折ったのはわが英国ですと一言ささやけばいいからな」
はい、ドロドロな国際外交の裏面解説をありがとうございました。撫子と付き合ってからこの手の話はしょっちゅう聞くが、どうしても慣れない。俺がまだ、健全な精神の持ち主だからと信じたいが……しかし、ルーズベルトにダークエルフの女を提供したら、彼女たち欲しさに対日戦争を仕掛けてくるのではと思えてしまう。そのときはメイヴさんに頼もうか。彼女ならルーズベルトを親日派にしてくれることぐらい、できるのではないか。
122: 41です 2012/12/30(日)19:24 ID:WX3D6F9E0(11/12) AAS
「うむ、メイヴならルーズベルトの相手をしても大丈夫じゃろう。この手のことならアニスのほうが熟練しておるが、そなたたちの言葉でいえば日本にとって政治的な信頼度が低いからの――どうしたのじゃ、博之? ぽかんとわらわを見おって」
「いや、馬鹿竜から信じられないセリフを聞いたような気がして」
「馬鹿竜ではないと言っておろうが! とにかく、わらわとしては日本人以外の人間が竜州に来ようと構わぬぞ。広い未開地があるのじゃから、いくらでも受け入れたらよかろう。アメリカ人もロシア人も朝鮮人も中国人も、みな日本に忠誠を誓ってくれると言っとるのに、何を遠慮することがあるのじゃ?」
「そんなに簡単にいくか。小磯首相は竜州を新たな日本領と宣言して、最終的には二千万人規模の移民を送り込む計画だ。そこに大量の外国人を入植させるとなると、国民感情が納得しない。それに口では何とでも言えるが、連中が竜州に入ってから故国の命令で日本に反逆したら手が付けられないだろうが」
「心配ない。もし反逆なぞしおったら、全員に女体化の秘薬を投与してやればよかろう。それで二度と元に戻さないで、他の男たちに分け与えてやれば終わりじゃ。違うか?」
……あのー撫子さん、とっても凶悪かつ無慈悲なセリフを笑顔で言われると、ものすごく心臓に悪いのですけど。堀中将も固まっているではありませんか。
「初めて会ったときじゃったか、辻が人を殺すのはそれなりに重労働なので、それを簡単にできるわらわを陸軍に引っ張りたいと言いおったの。人間は戦争で殺しあっているくせに、実際に殺すのは苦手らしいと、わらわも気付いておったぞ。だから殺さずにすむ方法を教えてやったのに、それを凶悪だの無慈悲だのとはけしからんではないか!」
いや確かに殺さなくてすむけれど、あまりといえばあまりにエグいやり方でしょうが。ヒトラーやスターリンでも絶対に引くぞ。石原参謀長は……まあ、大笑いして「いい考えだ」と頷くところが想像できてしまう。満州国を造ったほどの人間は、アトランティスを海に沈めた竜と意気投合できる部分が多いのか。
「それに、わらわの眷属を各国の有力者に愛妾として差し出すのも悪くない考えじゃな。もともとダークエルフは男に抱かれるのが大好きじゃし、あらかじめメイヴに教育させておけば、どんな男も寝かせずに狂わせるほどの技術を身に付けられるぞ。それで日本も竜も得をするなら、誰も損をせぬではないか」
確かにそうだろうが、「日本は女のアソコで国際的地位を買った」などと、どこぞの国の歴史教科書に書かれるだろうなと思えてしまう俺は、まともな思考を保っているのか。
省2
123: 41です 2012/12/30(日)19:45 ID:WX3D6F9E0(12/12) AAS
実は上の話は複数のエンディングを考えたのですが、どれを書いてもぴったりこなかったのでボカしました。皆さんで考えてみてください。
124: F世界逝き [F世界逝き] F世界逝き AAS
F世界逝き
125: 龍神様の中の人◆NdgHDvOgik 2013/01/08(火)16:42 ID:xVyd9URs0(1/10) AAS
遅くなりましたがあけましておめでとうございます。
今年もアリのように歩みは遅いですが『帝国の龍神様』をどうかよろしくお願いします。
で、久々のレス返し。
>>国共内戦
地味に帝国に影響を与えている大陸情勢。
国民党の瓦解とその再起は帝国に甚大な影響を与えることになります。
>>黛大佐
陸上巡洋艦や陸上戦艦にてお仕事が回ってくるかもしれない。
多分、陸軍との話し合いの結果だけど、
陸上戦艦二隻と陸上巡洋艦一隻(陸軍も金を出して巨砲が欲しいね案)
省20
126: 41です 2013/01/29(火)22:49 ID:aYo7HUbE0(1/2) AAS
「帝国の龍神様」サイドストーリー掌編
その夜、大原伯爵邸へ戻った俺は、先に帰宅していた綾子に堀中将の話を――するわけがない! 聞いたら最後、目を三角にして強烈な怒気を発しながらの説教フルコースが待ち受けているのだから。しかし、「どんなに痛い目に遭っても三歩歩いたら忘れてしまう」鳥頭の馬鹿竜に注意しておくのを忘れたため、俺が伯爵に呼ばれて話し込んでいた間に撫子が「あかれんがとかで面白い話を聞いたのじゃ」と、得々と喋ってしまったのだ。
応接間に戻った俺は、綾子の爛々と輝く両の目にすべてを察した。ああ、また二時間も怒声を浴びながら正座させられるのかと頭がくらっとなりかけたが、意外にも綾子は「それがどうかしましたか?」とのたまわったのだ。
「おい綾子、怒らないのか?」
「今さら何を。お兄様と一緒に竜州まで行った者なら、その程度で怒っていては生活する時間がありません。少なくとも撫子さんがこちらの世界に来られてからの経験で、男とは救いようもなく愚かなけだものであると思い知りましたから」
冷たい笑いを貼り付けた綾子の眼差しに冷や汗を流しながら、俺は猛烈な時化の海で駆逐艦に乗っているような気分だった。怒っているじゃないか! 深く静かに、底の底まで、ブリザードのような絶望が吹き荒れる怒りに凍りついてしまいそうだ。うはあ、さっき伯爵が「綾子は戻ってきてから目つきがすっかり変わってしまった。あちらで何かあったのかね」と聞いていたが、こういうわけだったのか……。ようやく撫子も察したのか、テレパスで(ひろゆき〜、こわいのじゃ〜)と告げながら、ぶるぶると震えて後ずさってやがる。遅いんだよ、この馬鹿竜が!
かくしてその夜は、予想通りの綾子の怒髪天説教フルコース――にはならなかった。目は全然笑っていない綾子に、能面のような笑みを浮かべて「お兄様、撫子さん、前々から考えていたことがあるのですが」と言われて断れるわけがないだろう。
省12
127(1): 41です 2013/01/29(火)22:54 ID:aYo7HUbE0(2/2) AAS
※「例の話を聞いた綾子」というアイデアが浮かんだので、素早くまとめました。「綾子のライト化」どうでしょうか。
128: 2013/01/30(水)12:11 ID:Vms3478.0(1) AAS
二次創作なのにどうして上から目線なのでしょうか?
そこが気になります。
129: 2013/02/01(金)16:39 ID:9AsJcFl20(1) AAS
ここには読みに何度も足を運んでいるんだが
シェアードワールド型の創作をする場所じゃないん?
Wikiより
>シェアード・ワールドにおける各作品は原則として完全に同じ世界上の出来事とされ、歴史の流れもまた相互に尊重される。
>>127の綾子のライト化とかダメっしょ・・・・
もしやるのなら二次創作っていうのを宣言してからやって欲しい
(本音言うなら、ここからも外れてやって欲しい。けど、SSスレ(萌え)ってスレで建前上は独占の場所じゃないから言えん)
130(1): 2013/02/01(金)21:44 ID:Jn9M/Ao6O携(1) AAS
41による原作蹂躙がはじまるのか……過疎化が進むね
131: 2013/02/02(土)00:55 ID:qw95jBLg0(1) AAS
>>130
ますます、寂れるね。
正直他所でやって欲しい気がする。
132: 2013/02/02(土)01:48 ID:EbYHsVxA0(1) AAS
中の人基準でおもしろければ採用するんだし、ティンとこなければ採用しないんだからいちいち突っかからなくてもいいじゃないか。
自分の考えと違うんだから無視しとこうぜ。
133: 2013/02/06(水)23:03 ID:lad/JiLY0(1) AAS
そう
134: 竜神様の中の人 2013/02/16(土)23:23 ID:xVyd9URs0(2/10) AAS
久しぶりにバイオな竜神様投稿。
135: 竜神様の中の人 2013/02/16(土)23:25 ID:xVyd9URs0(3/10) AAS
ナブレスの沖に錨を下ろす二隻の帝国艦船にナブレスの住民は釘付けとななった。
皆の視線を集めているのが軽巡洋艦大井。
その大きさから、後ろにいる測量艦筑紫はそれゆえに目立ってはいないが、筑紫もナブレスに停泊する木造帆船に比べればはるかに大きいのだが。
大淀の会議室で神堂辰馬は何気なく思う。
「陸軍の神堂大尉です」
「海軍陸戦隊の谷浦大尉と申します」
「大淀艦長。富岡大佐だ」
「筑紫特務艦長。山高大佐」
今の帝国を端的に表しているなと辰馬が思うのは、それぞれの後ろに異世界人がついているあたり。
辰馬の後ろに犬耳族のリールがメイド姿で、海軍連中の後ろには黒長耳族が巫女服姿で佇んでいる。
省26
136: 竜神様の中の人 2013/02/16(土)23:27 ID:xVyd9URs0(4/10) AAS
「では、こちらは測量を始めます。
神堂大尉。測量班はナブレスの屋敷に滞在させてもらって問題ありませんか?」
「大丈夫です。山高大佐」
測量艦筑紫特務艦長である山高松次郎大佐は、ずっと現場一本の海の男である。
しかも軍艦だけでなく今回の筑紫みたいな軍艦以外の船の経歴も長く、前職は給炭艦(病院設備つき)室戸だったりするので仕事がはやい。
後で聞いた話だが、今回の航海において治癒魔法が使えるからと軽視していた黒長耳族を叱りつけて、大淀に医者と看護婦を載せたのは山高大佐の功績だとか。
で、大淀艦長である富岡大佐との関係が悪くなっていないあたりで山高大佐の才能はわかろうというもの。
「谷浦大尉。
竜州軍製90式四脚歩行砲試作二型の具体的な実験は?」
陸戦隊を率いる谷浦英男大尉は、辰馬の言葉に顔を横に背けた。
省18
137: 竜神様の中の人 2013/02/16(土)23:29 ID:xVyd9URs0(5/10) AAS
投稿終了。
ネタを拾っている身からすると、ネタの枯渇は本気で困るので萎縮せずみんなで仲良くお願いします。
では。
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