[過去ログ] 女権帝国【アマゾネス・サーガ】part4 (986レス)
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155: アマゾネス・サーガ「無敵の英雄」 2009/11/11(水)02:58 ID:MifjCLP7(1/3) AAS
第5部 黙示録の巻 第8章 暗雲(3)
ここで、イタリア半島の諸国について、統治者やその勢力などの概観を記しておく。
まず、諸侯国群中でその富強さにおいて双璧をなすのが、北部の二大勢力、ミラノ公国とヴェネツィア共和国である。
ミラノ公国の統治者は、先に登場した大公ベレンガリオ。
歳は四十。貴人の風格漂う生まれながらの貴族である。
ヴェネツィア共和国は共和制をとってはいるが、実際は貴族階級や富裕な大商人らが構成する元老院による合議制をとっており、
彼らの中から統領(ドゥーチェ)と呼ばれる二年を任期とする政務の執行者が選出される。現ドゥーチェは大商人出身のジョヴァンニ。
更に、海洋都市ジェノヴァを中心とするジェノヴァ候国。海洋貿易で、ヴェネツィア共和国と覇を競う。ジェノヴァ候はカルロ。
半島中部には、主な勢力としては、フィレンツェ共和国と、ローマ教主領が存在する。
フィレンツェ共和国はヴェネツィア共和国とほぼ同様の政治体制をとっているが、近年、その体制に不安要因が多く見られるようになった。
省4
156: アマゾネス・サーガ「無敵の英雄」 2009/11/11(水)03:06 ID:MifjCLP7(2/3) AAS
第5部 黙示録の巻 第8章 暗雲(3)
さて、ローマ教主領であるが、ここがなかなか厄介であるという他ない。というのは、教主に代わって各地を治めるべき代官らが各地に割拠し、
教主の命に服さず、従って教主領は目下分裂状態となっているのである。
この状態を解消するため、教主ペトルは度々オルム大帝に対し軍事介入を求めてきたが、イタリア半島への過度の介入を好まぬ大帝はこれを拒み、
かえって教主領内の諸勢力に対し、臣従を誓わせるありさまだった。
この事が、ギクシャクする皇帝と教主との関係をより一層悪化させている一因でもある。
なお、教主領内にはペトルと対立し、次第にオルム大帝への接近の度合いを強めるレオンの息子、バルガスの率いる約八千の傭兵部隊がいる。
剛勇の名をもって知られるホルヘなどを擁し、諸国の軍勢に引けを取らぬバルガスの傭兵部隊だが、
彼らの剛勇もこの後すぐ、アマゾネスの美少女戦士エリナによって、思わぬ屈辱を受けることとなる。
半島南部とシチリア島は、そのほぼ全域がナポリ・シチリア王国国王たるルッジェーロの支配下にある。
省3
158: アマゾネス・サーガ「無敵の英雄」 2009/11/11(水)15:20 ID:MifjCLP7(3/3) AAS
第5部 黙示録の巻 第8章 暗雲(4)
ここは花の都、フィレンツェ。イタリアを代表する豊かで美しい町。
しかし、そのフィレンツェに、何やら怪しげな暗雲が立ち込めつつあることを、市民の誰もが感じていた。
「ルドヴィーコめが、『十三人委員会』を創設する模様ですぞ!」
「何と……あの男の増上慢、もはや看過できぬ! 我らの決断の時が来たというものだ!!」
「然り! 剣の時、炎の時こそ来たれり!!我らのフィレンツェに自由を、圧政者に死を!!!」
元老院議長フェデリーコの邸宅に参集し、ドゥーチェ・ルドヴィーコへの敵意を露わにしているのは、元老院議員たる名だたる大貴族達。
「ルドヴィーコは己の意に従う議員ら十三人に、『十三人委員会』を結成させ、元老院の機能を剥奪しようと企んでおります!
これは、ゆくゆくは元老院を廃し、己が独裁者とならんとの野望の現れ!!!」
「許すわけには行かぬ!賽は投げられた……我らがフィレンツェに自由を!圧政者に死を!!」
省8
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