「素敵詩的すくりぷと」の終盤に流れる歌って? (675レス)
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290: 2013/09/08(日)00:12 ID:B01lO3bN(1/7) AAS
「べてらん先生の名文鑑賞教室」みたいな感じのが始まります。

今回のテーマは「千と千尋の神隠し」の「いつも何度でも」である。
歌詞は以下の通り。

>呼んでいる 胸のどこか奥で
>いつも心躍る 夢を見たい

>かなしみは 数えきれないけれど
>その向こうできっと あなたに会える

>繰り返すあやまちの そのたび ひとは
>ただ青い空の 青さを知る
>果てしなく 道は続いて見えるけれど
省5
291: 2013/09/08(日)00:13 ID:B01lO3bN(2/7) AAS
(中略)

>呼んでいる 胸のどこか奥で
>いつも何度でも 夢を描こう

>かなしみの数を 言い尽くすより
>同じくちびるで そっとうたおう

>閉じていく思い出の そのなかにいつも
>忘れたくない ささやきを聞く
>こなごなに砕かれた 鏡の上にも
>新しい景色が 映される

>はじまりの朝の 静かな窓
省5
292: 2013/09/08(日)00:39 ID:B01lO3bN(3/7) AAS
>呼んでいる 胸のどこか奥で
>いつも心躍る 夢を見たい

さて、まず最初の部分であるが。
「胸の奥で心躍る夢を見たい」というのは、人なら抱くであろう普遍的な気持ち。
「なぜ見たいのか」と問われてもここですぐに解釈することは難しい。
そこで明らかにすべきは「呼んでいる」とは「誰が、誰を呼んでいるのか」であろう。
それに関しては、この部分だけではさすがに情報が足りないので次にいく。

>かなしみは 数えきれないけれど
>その向こうできっと あなたに会える

「かなしみは数えきれない」も人間における普遍的な事象といえる。
省14
293: 2013/09/08(日)01:00 ID:B01lO3bN(4/7) AAS
>さよならのときの 静かな胸
>ゼロになるからだが 耳をすませる
ここはわかりにくい。
「さよならのとき」とは一体どういうときで、また「静かな胸」とは何を表すのか?
そして「ゼロになるからだ」というのも独自の比喩で判然としない。
そういうときは、他の文脈から判断するのがよい。

>生きている不思議 死んでいく不思議
>花も風も街も みんなおなじ
この部分を読むことで、おぼろげだったこの文章はようやくまとまりを帯びてくる。
はっきりと作者の思いが書かれているここが、この文章の中での「主題」である。
省15
294: 2013/09/08(日)01:23 ID:B01lO3bN(5/7) AAS
>さよならのときの 静かな胸
>ゼロになるからだが 耳をすませる

ここまで読み取ることによって初めて、この部分の意味が判明する。
「さよならのとき」とは「死にゆくとき、もしくはお葬式」であり、「静かな胸」はまさにその視覚的なイメージである。

「ゼロになるからだ」とは、まさに人が「消滅」していくことであり、
「耳をすませる」とは、死者が、そのような動作をしているように見えることの比喩なのである。

>呼んでいる 胸のどこか奥で
>いつも何度でも 夢を描こう

では、2番を続けて読み解いていく。
省10
295: 2013/09/08(日)01:37 ID:B01lO3bN(6/7) AAS
>かなしみの数を 言い尽くすより
>同じくちびるで そっとうたおう

「副題」についての言及が続く。
「あれはかなしい。これは嫌だ。それはどうしようもない」
沢山ある悲しみの原因を、一つ一つ取り上げることはできる。
しかし、それは周りの人間も、自分もより悲しくしてしまう。
それならば、同じ唇でそっと歌い出した方がいい。
少しでも、前向きな気持ちになれるはずだ。

>閉じていく思い出の そのなかにいつも
>忘れたくない ささやきを聞く
省10
296: 2013/09/08(日)02:15 ID:B01lO3bN(7/7) AAS
>はじまりの朝の 静かな窓
>ゼロになるからだ 充たされてゆけ
>海の彼方には もう探さない
>輝くものは いつもここに
>わたしのなかに みつけられたから

この文章の上手いところは、このまとめの文章において、
「主題」と「副題」のどちらでも心に響くように書かれているということである。
すなわち「主題」から解釈するならば、
「はじまりの朝」とは「ゼロになるからだ」が「満たされていく」朝、
つまり人間の「生成」が起こる朝、出産の場面である。
省19
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