イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (966レス)
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853: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2022/11/18(金)01:50 ID:7E4+Zff30(1) AAS
…翌日・夕食会…

ニッカネン「さぁ、どうぞお入り下さい」

提督「素敵な会場ですね……♪」

…礼装に身を包んだニッカネンに案内されてやって来たパーティ会場はきれいにしつらえられており、床の一部には赤と緑でパッチワーク風の模様に仕上げたフィンランドの伝統織物「ルイユ織り」の絨毯が敷かれ、テーブルには色とりどりの花が飾ってある……それも参加各国をもてなす意味を込めてそれぞれの花瓶に各国の国旗と同じ色が使われていて、カーネーションやカラー、バラに百合、かすみ草といった花をバランスよく組み合わせて、イタリアのトリコローリ(三色旗)の色である緑・白・赤をはじめ、ポーランドの白と赤、スウェーデンの青と黄色、ノルウェーの赤、青、白といった具合に仕上げてある……

ニッカネン「どうしても冬は色がなくて殺風景に感じますから、こうやって花があるのはいいものです」
省35
854: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2022/11/26(土)02:14 ID:mss3scI10(1) AAS
…しばらくして…

提督「この鴨肉もとても美味しいです……肉が柔らかくて、脂の甘味がじんわりと染み出すようで……」

ニッカネン「鴨肉ならシャンパンの方が良いでしょう、お取りしますよ」

提督「グラツィエ♪」

…会場で各国士官たちと会話をする間もニッカネンが隣に付いてくれ、並んでいる料理や酒を勧めてくれる……鴨のローストにシャンパン、キャセロール(グラタン皿料理)にフィンランドウォッカ、ノルウェーから空輸されてきたサーモンに、海老を使ったグリル……提督以外にも食欲旺盛な士官は多くいて、食器やグラスの触れあう音もにぎやかにパーティが進み、幾人かは頬の血色が良くなっているが、それは暖かな空調のためだけではないように見える……提督はニッカネンのガイドのおかげで料理と酒の美味しい組み合わせを堪能しながら、打ち解けた様子の士官たちと面白おかしく脚色した過去の失敗談やちょっとした冗談を交わした…
省28
855: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2022/12/04(日)02:01 ID:Zkv+0TkO0(1) AAS
フェリーチェ「……だいぶ打ち解けてきたようね?」提督が歓談している間に会場を歩き回って会話に加わり、またさりげなくあちこちの会話に聞き耳を立てていたらしいフェリーチェ……

提督「ええ、おかげさまで」

フェリーチェ「それと今さらだけれど、あまり食べ過ぎないようにね?」

…提督の皿に盛られているマッシュド・ポテトと濃厚なクリームで和えたミートボール料理をちらりと見て、冗談半分に釘を刺した…

提督「ええ。それよりも飲み過ぎの方が問題ね……」
省28
856: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2022/12/26(月)01:23 ID:ZUFS9DHc0(1) AAS
フェリーチェ「フランチェスカ、何を考えてるの! ……「サッキヤルヴェン・ポルカ」はロシアに奪われたカレリアを懐かしむ歌なのよ?」小声で提督を叱りつける……

提督「あっ……しまったわ」

フィンランド士官「さすがはアドミラル・カンピオーニ……ではリクエストにお応えして「サッキヤルヴェン・ポルッカ」!」

…提督は慌てて別な曲を頼もうとしたが時すでに遅く、アコーディオンを持った士官が曲を弾き始めると、たちまち勢いづいたフィンランド軍の士官たちがグラスを片手に声を張り上げた…

フィンランド軍士官たち「「♪〜オン・カウイナ・ムイストナ・カレヤラ・マー、ムッター・ヴィエラカ・スォイメサ・スォイナッター」」
(♪〜美しき思い出の地カレリアよ、今も心に沸き上がる)
省33
857: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/01/08(日)01:56 ID:+EvTlOXR0(1) AAS
ニッカネン「それではアドミラル・カンピオーニのリクエストで「サンタ・ルチア」です」

…ニッカネンがさっと助け船を出してアコーディオン係の士官に合図をすると、士官はナポリ民謡「サンタ・ルチア」を演奏し始めた……ナポリに勤務していた事もある提督にはお馴染みの……また冬の寒さと暗さに耐えるスカンジナヴィアの人々にとっては(旧暦にあたるユリウス暦では)これから夜が一日ずつ短くなっていくという嬉しい「聖ルチアの日」を祝う歌としてよく耳に馴染んでいる「サンタ・ルチア」…

提督「♪〜スル・マーレ・ルチィカ、ラストゥーロ・ダルジェント……」
(♪〜海の上、星は銀に輝き……)

…提督が本来の歌詞で歌い出す暇もあらばこそ、あっという間にスウェーデンやフィンランドで付けられた冬の終わりを喜ぶ歌詞が大合唱になって
覆い被さってくる…

提督「ふぅ……」
省32
858: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/01/16(月)02:01 ID:ti0t2krK0(1) AAS
ニッカネン「お待たせしました。それでは行きましょう」

提督「ええ♪」

…黒塗りでホテルまで送迎される各国士官を見送ってからタクシーを呼び止めたニッカネン……運転手に場所を告げてしばらく走ると、ヘルシンキ市内にある五階建てアパートの前でタクシーが停まった…

………


省34
859: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/01/22(日)01:25 ID:cckXYrAS0(1) AAS
提督「あら、ごめんなさいね……つい」

…口調もそれまでより親しげにして距離を近づけつつも、頬を撫でた手はうっかりだったかのようにすぐ引っ込めた…

ニッカネン「いえ……それにしても、フランチェスカの手はとても綺麗ですね」

提督「お褒めにあずかり恐縮ね。 これでも士官学校や若手士官のころはロープに海水、挙げ句の果てには機械油と「働き者の手」だったけれど、最近はそういうこととはすっかり縁遠くなったものだから……」名ばかりの提督としてのんきに過ごしていることを示す綺麗な手をしていることに苦笑する提督……

ニッカネン「いえ、分かります……それに爪も艶やかですね。クリアのマニキュアですか?」
省29
860: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/01/30(月)01:56 ID:a/oBWygb0(1) AAS
提督「……あむっ、ちゅぅ……っ、ちゅ……♪」

ニッカネン「はふっ、ふぁ……んちゅ……っ///」

…そっと花びらに触れるような控え目な口づけから、次第にじっくりと甘いキスへ変わっていく二人……口中でお互いの舌が絡み合い、コケモモの甘酸っぱい残り香とウォッカの火照りが提督をくらくらさせる…

提督「んんぅ、ちゅるっ……じゅるぅぅ……っ♪」

ニッカネン「ん、んっ、んん……っ///」
省36
861: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/02/07(火)01:55 ID:u9v+bFJs0(1) AAS
提督「んちゅ、ちゅ……っ♪」

ニッカネン「ん、ん、んんっ……///」くちゅくちゅっ……ちゅぷっ♪

…舌を絡めてゆっくりとキスをしながら、ニッカネンの秘部にするりと指を滑り込ませる提督……始めは驚いたように小さく引きつったニッカネンの身体だったが、しばらく動かさずにいると次第に緊張がほぐれてきた……提督はそれを確かめてから、暖かく濡れた花芯を優しくかき回した…

提督「れろっ、ちゅく……ちゅぱ……っ♪」

ニッカネン「んぁぁ……あ、あ、あっ///」
省38
862: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/02/14(火)01:03 ID:kgOA7nhU0(1) AAS
…0600時ごろ…

フェリーチェ「……お帰りなさい、フランチェスカ。どうやら二日酔いの薬は飲み忘れなかったようね」

提督「おはよう、ミカエラ……ええ、ちゃんと水も飲んだし、シャワーも浴びてきたわ」

フェリーチェ「そう、ならいいわ。昨日は事前の予想よりも話が上手くまとまったから今日の会議は午後から……それもあんまり議題がないし、寝ぼけていてもどうにかなるとは思っていたけれど……その調子なら大丈夫そうね」

提督「そこまで考えていたの?」
省30
863: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/02/20(月)00:40 ID:eYuXb+Wv0(1/2) AAS
…同じ頃・鎮守府…

ルチア「ワンワンッ!」

リベッチオ「ほーら、追いついてごらん!」

…冬の風にも負けず、鎮守府の庭を駆け回っているルチアと「リベッチオ」を始めとする活発な駆逐艦たち……そこへアッチアイーオがやって来て呼びかけた…

アッチアイーオ「リベッチオ。そろそろ準備に入るから、ルチアとじゃれるのはおしまいにしなさいよ」
省34
864: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/02/20(月)01:17 ID:eYuXb+Wv0(2/2) AAS
…食堂…

トレント「あ、来た来た」

アッチアイーオ「待ちくたびれたわよ」

チェザーレ「うむ、あい済まぬ。だが毛並みを整えてやる必要があったものでな……」

…シャンプーが終わったのを確認してから食堂へ向かったアッチアイーオだったが、髪にうるさいチェザーレがルチアのブラッシングに時間をかけたので愚痴をこぼした……
省31
865: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/02/27(月)02:25 ID:+e+6lu3F0(1) AAS
…食後…

ポーラ「ザラ姉様ぁ、もう一杯注いで下さい♪」

ザラ「はい……それじゃあポーラ、私にも何かカクテルを作ってくれる?」

ポーラ「はぁ〜い♪」

…親しげに暖炉の火が燃える食堂で聖ルチアのお祝いを済ませると「主賓」のルチアは満足して暖炉の前に敷かれた絨毯の上に寝そべり、当直のない艦娘たちは食後のドルチェやコーヒー、あるいは軽いカクテルをお供に楽しいおしゃべりを始めた…
省36
866: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/03/05(日)01:46 ID:kPBcFmMN0(1) AAS
…しばらくして…

提督「……ええ、帰ったらうんと甘やかしてあげるわね♪」

提督「もう、そんなにつれないことを言わないの……それじゃあね、アッチアイーオ……チャオ♪」

フェリーチェ「……そろそろいいかしら?」

提督「ええ。声も聞けたし、鎮守府のコンピュータを使って映像も送ってもらったわ……みんな楽しそうで良かったわ」
省34
867: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/03/11(土)01:58 ID:IZkmBJHT0(1) AAS
司会「では、皆様も席に着かれたようですので会議を再開いたしたいと思います」

提督「……昨日よりは人が増えたわね」

フェリーチェ「今日の会議は昨日まとまった内容の説明も兼ねているから、地元のフィンランド国防省を始め各国の大使館からもお役人が来ているわ……ニッカネン少佐の隣に座っているのがフィンランド国防省で外務の調整を行う担当課長、その隣がフィンランド外務省のお役人。それからロシアも大使館から何人か来ているわね……」

…提督もこれまでに何回か舌を巻いた経験があるが、フェリーチェはその任務上から何人もの顔と特徴を覚えていて、その情報を小声で教えてくれる…

フェリーチェ「あの恰幅の良い丸顔はロシア大使館付きの海軍武官をやっているニコノフ大佐だけれど、あれはウォッカ浸りでただのお飾りだから気にしないで良いわ……それよりも後ろの席に腰かけている眼鏡、あれがくせ者のヴァシリーエフ少佐だから注意するようにね。聞いていないふりをして耳をそばだてているから、彼の近くではうっかりしたことをいわないように」
省37
868: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/03/17(金)01:30 ID:d8omLR1s0(1) AAS
…夕食会…

ニッカネン「……カンピオーニ少将。会議も無事にまとまったことですし、もう一杯いかがですか?」

提督「ええ。これで明日と明後日の予備日がお休みになるわけですし、それなら多少は過ごしても大丈夫でしょうね……いただきます♪」

ニッカネン「良かった……では、キピス♪」

提督「キピス♪」
省38
869: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/03/25(土)01:15 ID:+XvZN4+Y0(1) AAS
…パーティを終えて・ホテル…

フェリーチェ「……それじゃあクズネツォワ少将からの夕食のお誘いに応じたわけ?」

提督「ええ。明日の夜に夕食でもいかがですか……って言うから」

フェリーチェ「はぁ、目を離すとすぐにこれなんだから……ロシア海軍の将官と二人っきりで夕食だなんて、後で情報部から何を聞かれるか分かったものじゃないわよ?」

提督「だからってむげに断るのも失礼でしょう?」
省35
870: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/04/02(日)01:33 ID:9BAJdt4i0(1) AAS
…ホテル前…

カサトノヴァ「お待ちしておりました、アドミラル・カンピオーニ」

提督「あら、カサトノヴァ少佐……貴女が運転を?」

カサトノヴァ「ダー。どうぞお乗りください」

提督「スパシーバ」
省34
871: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/04/11(火)01:46 ID:6mQxCad+0(1) AAS
…食後…

提督「ふー、大変美味しかったです」

クズネツォワ「結構」

…デザートに出されたのは初雪のように粉砂糖がかかったふんわりした揚げパンケーキ「スィールニキ」と、色鮮やかなイチゴの「ヴァレーニエ(シロップ煮)」を添えたもので、サモワール(沸かし器)で淹れた紅茶と一緒に甘い味を楽しみながら、提督は案外くつろいだ気分になっていた…

クズネツォワ「さて……そろそろ食べ終わったかな?」ヴァレーニエを小さじですくって肴にしながら紅茶をすすっていたが、提督がデザートを食べて紅茶を飲み終えたのを見ると、かちゃりとカップを置いて尋ねた……
省37
872: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/04/20(木)00:51 ID:j4NiNM1J0(1) AAS
…しばらくして…

提督「それでは、私はこの辺で……」

…まるで流氷のように冷たい「ストリーチナヤ」をグラスに注がれ、クズネツォワの冷たい瞳に見据えられていることもあって、二杯ほどウォッカを喉に流し込んだ提督……ちらりとクロノグラフ(腕時計)を見ると、立ち上がって辞去しようとした…

クズネツォワ「おや、もうそんな時間か……とはいえ帰るには少々遅い時刻だ。 幸い、寝室にはベッドが二つあるし、今夜はここに泊まっていったらどうだ?」

提督「ご厚意はありがたいですが……明日もあることですし、タクシーでも呼んで帰ることにします」
省32
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