[過去ログ] クリフトとアリーナの想いは Part12 (545レス)
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129: 恋をしては……恋をしても…… 中編 2/12 2011/05/04(水)05:40 ID:X/MX6nGM0(3/14) AAS
「そっか!あれはサランの教会だったのね!」
「姫さま……」
「だってしょうがないじゃない。いっつもクリフトといっしょにいた記憶しかなかったんだから」
「……それは、それだけ私のことを……」
「え?」
「い、いえ……。思い出していただけて光栄です」
「むー」

また始まった。最後まではっきり言わないクリフト。でも、そっか。クリフトがお城にいない時期があったんだ。
クリフトがいきなりサランに行っちゃって神父さまと呼びに行った時のことは覚えてる。でもその前はずっといなかった…?
どうして覚えてないんだろう。私の記憶もあいまいだなあ。
省21
130: 恋をしては……恋をしても…… 中編 3/12 2011/05/04(水)05:42 ID:X/MX6nGM0(4/14) AAS
「クリフトー?」
「あ、はい、申し訳ありません」
「眠いの?」
「いえ、その……」
「ん?」
「あまり私の苦手な話題で攻めないでください…」
「あ、そっか。ごめん」
「い、いえ…」

そう、クリフトは海で泳ぐのも高いとこに登るのも苦手。私は大好きなのになー。でもそれでクリフトは黙ってたのね。

「そういえば神父さま遅いわね。やっぱりお手洗いがうっかり大きなほうになっちゃったのかしら」
省23
131: 恋をしては……恋をしても…… 中編 4/12 2011/05/04(水)05:44 ID:X/MX6nGM0(5/14) AAS
「ところで姫さま、みね打ちという言葉をどのような意味でとらえていらっしゃいますか?」
「え?みね打ち?えーと、致命傷を与えないで、気絶させる程度の攻撃を言うんでしょ?必殺のキックとみね打ちのキック!」
「…………」

しーん。ん?なにか間違ったかな。

「なるほど、そういう使い方もありかもしれませんね」
「なによそれ、どういうこと?」
「い、いえ……。私もまだまだ知らない言葉がたくさんあるもので、一つ勉強になったと申し上げたかったのですよ」
「むー」

なんだか気になる言い方だったんだけど。まあいっか、それよりもっと気になることがあるの。

「ねえ、さっき罪って言ってたの、なんだったの?
省20
132: 恋をしては……恋をしても…… 中編 5/12 2011/05/04(水)05:46 ID:X/MX6nGM0(6/14) AAS
「でもでも、結局やることは何も求めるなってことなんでしょ?」
「まあ、はい。極端に言えばですが、そういうことですね」
「そんなのつまんないじゃない」
「一つの考え方ですから姫さまは姫さまの思うようにすればいいのですよ」
「そんなの、だってそんなの……」

したいことをがまんして周りの言うことだけ聞いてる人生なんて、私はそんなのぜったいにいや!
どうして神父さまはクリフトにそんなこと言ったんだろう……。よし!神父さまが戻ってきたら問い詰めよう!

「姫さま……」
「なに?」
「その……」
省21
133: 恋をしては……恋をしても…… 中編 6/12 2011/05/04(水)05:49 ID:X/MX6nGM0(7/14) AAS
「どうして……」
「え?」

――どうしてあなたは、そんなに強くいられるのでしょうか……――

私を見つめるクリフトの目はなんだか寂しげだった。なんだろう。なんでだろう。
私が強いのは日課のトレーニングを欠かさないからとか兵士といっしょに特訓してるからとか?ううん、そうじゃなくて、
もっと違うなにかを聞いてるんだってこと、なんとなくわかった。でも、そんなこと聞かれたって、私だって……

「ねえ、それよりもさ、明日からはエンドールよ!すっごく楽しみだわ!」

私は強引に話をそらした。だってなんか……なんかクリフトが変なんだもん。
省23
134: 恋をしては……恋をしても…… 中編 7/12 2011/05/04(水)05:51 ID:X/MX6nGM0(8/14) AAS
「うーん、確かに叶わないことってのはあるかもしれないけど……。でも私、願いごとは叶えるために努力するもん」
「…………」
「叶えるためにがんばるもん。神父さまだっておっしゃったじゃない。神さまはがんばる人の味方だって。
がんばってればいつかきっと願いは叶うのよ」
「………………」

「そうですね。姫さまでしたらきっとどんな願いでも叶えられると思います」
「クリフトだって叶えられるわよ。だって、クリフトだって言ってくれたんじゃない。道は誰の前にも開かれてるって。
私あの時本当に嬉しかったんだから」

なんでだろ。ちょっとだけ泣きそうになっちゃった。なんとかこらえる。

「………………」
省16
135: 恋をしては……恋をしても…… 中編 8/12 2011/05/04(水)05:54 ID:X/MX6nGM0(9/14) AAS
「うーん。旅人!」
「旅人、ですか」
「そう、明日からまたいっしょに旅をする旅人!あ、幼なじみでもいいわ」
「…………」

クリフトはまた私のほうを向いた。なんでだろう。クリフトの目……なんでだろう。なんか変。

「立場は、対等というわけですか?」
「そう!幼なじみの旅人!」
「………………」

私……私どうして……
どうしてこんなにおちゃらけたふりしてるんだろう。今度は私が目をそらしちゃった。真剣な顔したクリフトは苦手なの。
省22
136: 恋をしては……恋をしても…… 中編 9/12 2011/05/04(水)05:55 ID:X/MX6nGM0(10/14) AAS
「……あなたは先ほど、私がいきなりサランに帰ってしまったとおっしゃいましたね……」
「んー」
「なぜだか、わかりますか?」
「んー…?」

クリフトが何かしゃべってるー……。あれ、変だな。クリフトの声が聞こえたり聞こえなかったりするの。

「あの時からですよ。私があなたに……あなたを……」
「んー……」
「………………」

ほんとにクリフトの声が遠い。あれー?あれー……?

「……姫さま……」
省13
137: 恋をしては……恋をしても…… 中編 10/12 2011/05/04(水)05:58 ID:X/MX6nGM0(11/14) AAS
ふと目が覚めて寝てたんだってことに気づいた。あっクリフト!……はとなりで寝てた。なぜかほっとした。
私にくっついて寝てる。やだ、手が腰に回ったまんまじゃない。っもう、きっとクリフトなりに守ってるつもりなのね。
いつの間にか明かりは消えてた。外はまだ真っ暗。
月の光でほのかに明るいけどちょうどかげになっててクリフトの寝顔はよくわかんない。呼吸は落ち着いてる。
そういえばクリフトの寝てるとこ初めて見るんだ。なんだか勝ったような気持ちになった。しばらくクリフトをじっと見る。
静かに寝てるクリフト。無防備だなあ。いたずらするなら今のうちってことね。ほっぺつんつん。つんつんつん。

「ん……」

あーあ、でも私も寝ちゃったんだなー。クリフトなんて言ってたんだっけ。うーん、明日もっかい聞いてみよっか。
クリフトまだ腕まくらしてる。さすがに疲れちゃうわよね。私は腕をどかして持ってきたまくらに頭を乗っけた。
クリフトは少しだけ体を動かしたけど起きなかった。
省15
138: 恋をしては……恋をしても…… 中編 11/12 2011/05/04(水)06:00 ID:X/MX6nGM0(12/14) AAS
「やあだ、神父さまもいっしょに寝るのー」
「第一」
「え?」
「このせまいベッドに3人は入りませんよ。たまには物理的に考えてみましょう」
「えー入るわよー。ほらこんなに空いてるじゃない」
「ん、あ……」
「あ、クリフト」
「ん……」

クリフトは私をぎゅってした。なんだかやけに甘えてくるわね。けどまた静かになった。

「……起きないわ」
省20
139: 恋をしては……恋をしても…… 中編 12/12 2011/05/04(水)06:02 ID:X/MX6nGM0(13/14) AAS
「神父さまーいっしょに寝ましょうよー」
「…………」
「おねがーい」
「……こまりました、私は寝ぼすけなのですよ。今から床についたら次はいつ起きられるかわかりません」
「じゃあじゃあ私は起こしてあげるわ」
「姫さまが?」
「うん!」
「………………」
「ちゃんと起こすから。ねえ神父さま寝ましょうよー。ね?ね?」
「…………そうですね…………」
省12
140: 従者 2011/05/04(水)06:04 ID:X/MX6nGM0(14/14) AAS
クリアリと関係ないとこで切ってすまん。これただの伏線の予定。どうかご容赦をっ
今回、以下をまとめたらふたりはこんな幼少期になったの図。

FC版より
・クリフトは神学校を主席で卒業

PS版より
・クリフトは幼い頃サランの教会で神の道を教えてもらった
・アリーナは小さい頃サントハイム王妃の葬式で王家の墓に行った(ことを覚えている)

小説版より
・クリフトとアリーナは乳兄妹

とりあえずそれぞれの設定を生かせるところまでは生かしとけーてのが自分のポリシー。
省1
141: 2011/05/04(水)22:49 ID:EDUf/o9y0(1) AAS
相変わらずひ姫様がお可愛らしいです。GJ
クリフトがちょっと男になろうと頑張ってるのに萌えました

>たまには物理的に考えてみましょう
吹いたw
142: 2011/05/04(水)22:59 ID:/Hms7IjA0(1) AAS
従者さんGJ!
天然神父さんの後半もパートも期待です

自分も姫様と添い寝したい(*゚∀゚)=3ハァハァ
143: エイプリルフールの人 2011/05/06(金)02:15 ID:ndntG9NnO携(1/5) AAS
従者さんGJです!
相変わらずおもしろいし、筆がはやくて羨ましい…。

こんな時間ですが、私も投下したいと思います。
144: 味方 1/3 2011/05/06(金)02:17 ID:ndntG9NnO携(2/5) AAS
――貴族の女が、平民の男と駆け落ちしたらしい――

エンドールは最近この噂でもちきり。
どこもかしこもこの話ばっかりで、飽きないの?って聞きたくなる。
私なんか最初、駆け落ちの意味も知らなかったから、マーニャに笑われた。

どうやら、駆け落ちとは結婚を反対された二人が、家を捨てて逃げること、らしい。
「なんかさー、噂では女の方は、婚約者がいたらしいわよ!
貴族の相手なら大金持ちでしょ?
代わりにあたしが、結婚したいわー」
「マーニャが嫁とか、あっちから願い下げられるだろ…」
「結婚は人生の墓場とはよくいったものね…」
省33
145: 味方 2/3 2011/05/06(金)02:19 ID:ndntG9NnO携(3/5) AAS
「じゃあさ、アリーナは決められた人と結婚出来るの?」
「嫌よ」
即答。
今まで私が今まで会ってきた王子たちを、私は好きになれなかった。
相手の女の人を適当に、褒めて、ヘラヘラしてて。
自分より強い、なんてのは無理でも、さすがに結婚したいとは思えない。
単に私がお見合いしてきた人達が、嫌な感じの人ばっかりだったのか。
それとも、どこぞの王子たちはみんなあんな感じなのか。
でもああいうのと、結婚しなさい、と言われても、受け入れられない、と思う。
「私は…まだ恋とか愛とかわからないけど、決められた人とは結婚したくないわ」
省31
146: 味方 3/3 2011/05/06(金)02:21 ID:ndntG9NnO携(4/5) AAS
「……」
「お互いの幸せを心から願い合えることが、愛だと私は思います。
そしてそれは強制された関係で生まれるものではないのではないでしょうか」
お互いの幸せを、本気で願うこと。
私はそういう想いを今まで、してきたことがあったのかな。
でもそう思い合えたら、すてきだなって思う。
でも…私は。
きっとまた暗い顔をしてる。
駄目だなって思うのに、無性に悲しくて仕方なかった。

「姫様は諦める必要なんかありません」
省34
147: 味方 おまけ 2011/05/06(金)02:26 ID:ndntG9NnO携(5/5) AAS
おまけ

アリーナとクリフトが、部屋に戻った後の食堂で俺達はまだ、話を続けていた。
「クリフトって、アリーナが、仮に自分以外の男に惚れても、応援できそうよね」
「ああ…。 相手の幸せを本気で願えることが、愛か。
アイツはきっと何があっても、アリーナの幸せを願えるんだろうな」
まったくすごい奴だよ。
俺も、あの子が生きていたらそう思えていたのだろうか。
「それに…今日の二人みてて思いました。
アリーナさんはきっといつか、クリフトさんを選びます」
「そうね」
省9
148: 2011/05/06(金)04:44 ID:2tNtqCzc0(1) AAS
クリフトがカッコいい!
将来のこと考えて悩み始めてるアリーナもかわいいです
二人の関係は誰にも邪魔できないくらいかたいものだということを
改めて実感させてくれる作品ですね。GJ!
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