[過去ログ] 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む27 [無断転載禁止]©2ch.net (517レス)
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238: 現代数学の系譜11 ガロア理論を読む 2017/01/02(月)09:19 ID:MUXssChK(22/59) AAS
つづき

このアイデアがニュートン力学と相性が良いのは明らかであろう。原
理的には全ての粒子の位置と速度をニュートンの運動方程式から求めれ
ば気体の微視的状態が分かる。しかし解くべき方程式の個数は膨大(アボ
ガドロ数)であり、解くことはおろか、それと同数の初期データを準備す
ることは実行不可能である。しかし多数の粒子が衝突を繰り返すと個々
の粒子は個性を失い、平均的・統計的な扱いが意味を持つようになる。
ボルツマンが着目した統計量は1粒子相空間(位置-速度空間) におけ
る気体粒子の密度(単位体積あたりの粒子質量の合計)である。
古典的な密度分布は実空間の統計量であるが、相空間では粒子速度と
いうミクロの情報を含めることができる。相空間の選び方はもちろん一
意でなく、2粒子相空間、3粒子相空間…も可能であるが、1粒子相空
間は古典的な実空間に次いで簡単な構造を持ち、しかもミクロ情報を扱
うことができる。

ボルツマンは彼の方程式から
? 熱力学の第一法則(エネルギー保存則)
? 熱力学第二法則(エントロピー増大の法則)
が証明できると主張した.

つづく
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