[過去ログ] 【PSPでも】高木順一朗part3【ティンときた!】 (1001レス)
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518: 2009/06/07(日)20:52 ID:iW5pg1kxO携(2/2) AAS
おお、そうだったのか…
いろんな社長を見てみたいな…
519: SS再掲/千早・1 2009/06/07(日)21:34 ID:LTbFyX3m0(1/15) AAS
「ここか……」
 八月のある日。私は、とある市民会館を訪れていた。
 そこで開かれる素人のど自慢大会を見るためだ。
 といっても、勿論、ただ見物に来たわけではない。有望そうな人材を見つけ、スカウトすること。
それが目的だった。新人発掘のために自社でオーディションも行っているのだが、如何せん我が社は
知名度が低く、なかなか人が集まらない。広告に使える予算も多くはない。そこで、社長である私が
スカウトを兼務していたりするわけだ。涙ぐましい経営努力とは思わんかね?

 ……あ、いや、話が逸れてしまったな。オホン。
 話を戻そうか。

 私はホールの客席に座り、参加者の歌を聴くことに専念した。
省21
520: SS再掲/千早・2 2009/06/07(日)21:35 ID:LTbFyX3m0(2/15) AAS
 市民会館の外で人を待つ。
 程なくして目当ての人物が姿を現した。
 大会優勝者とは思えない浮かない顔をしたその少女は、意外なことに保護者同伴ではなかった。
 何か理由があるなとは思ったが、余計な想像を一旦脇に退け、私は少女に声をかけることにした。
「如月千早くんだね……」
「はい、そうですが……。あなたは?」
 あからさまに警戒した表情を見せる彼女に、私は名刺を差し出した。
「申し遅れたが、私はこういうものだ。芸能プロダクションを営んでいる」
「ななひゃくろくじゅうごプロダクション……の、高木社長?」
「いや、そこの数字のところは『なむこ』と読んでくれたまえ」
省28
521: SS再掲/雪歩・1 2009/06/07(日)21:35 ID:LTbFyX3m0(3/15) AAS
「意外と応募があったな」
「よかったですね、社長」
「まったくだよ。予算をかけた甲斐があったというものだ」
 私は会議室で、山のような封筒を目の前にしていた。
 我が765プロダクションのアイドル候補生募集に対し、これだけのリアクションがあったことに
ひとまず安堵する。それなりの予算を掛けて広告を打って、何の反応も無かったら、寂しいどころの
話ではないからな。
 事務員の音無くんに手伝ってもらいながら、応募書類を仕分けていく。
「ふむ……」
 やはりめぼしいものは少ない、か。
省40
522: SS再掲/雪歩・2 2009/06/07(日)21:36 ID:LTbFyX3m0(4/15) AAS
「まず、アイドル候補生に応募した動機を聞かせてもらえないかな」
「えっと、その、実は友達が勝手に応募しちゃって。まさか書類選考を通過すると思ってなくて、
びっくりしたんですけど」
 ふむ。音無くんの読み通りだったな。
「友達が勝手に応募したということは、萩原くん自身はアイドルになるつもりはなかったのかな」
「そう、でした」
「書類による一次選考は通過したとはいえ、今日の面接を断ることもできた。けれど、君はここへ
やってきた。その理由を訊いてもいいかな」
「はい……。確かに、アイドルになろうと思ってはいませんでした。だけど、今日ここへ来たのは、
自分を変えたいと思ったからなんです」
省37
523: SS再掲/春香・1 2009/06/07(日)21:37 ID:LTbFyX3m0(5/15) AAS
 765プロダクションの社長の高木だ。皆、元気にしているかな?
 先日締め切りを迎えたアイドル候補生の募集だが、幸いなことに予想を越える多数の応募があった。
書類選考の末に、採用候補者を十数名にまで絞り込み、一人一人と面接を行う日々が続いている。
 実際に会ってみると、書類選考時とは全く違った印象を受けることも少なくない。
 もちろん、そうしたイメージギャップが吉と出ることもあるが、凶と出ることもある。凶と出た場合
には、アイドル候補生として採用することはできない。残念ではあるが、致し方ないことでもある。
 限られた予算の中で候補生を採用し、アイドルデビューさせてゆかねばならない以上、少しでも素質の
ある者を選ばなければいけない。落選通知を送るのは、決して憎いからではないのだよ。
 おっと、また話が逸れてしまったようだな。いかんいかん……。
「社長、誰とお話ししているのですか?」
省42
524: SS再掲/春香・2 2009/06/07(日)21:39 ID:LTbFyX3m0(6/15) AAS
「なぜ、そう思うようになったのかね?」
「えっと、小さい頃の話なんですけど、家の近所の公園に歌の上手なお姉さんがよく来ていて、私、
そのお姉さんに歌を教えてもらったり、一緒に歌を歌ったりしていたんです。それが、とても楽しくて。
あと、人に歌を聴いてもらうことを最初に意識したのも、その時なんですよね」
「というと?」
「みんなで歌を歌っていたら、近所の人たちが拍手してくれたりとかして。自分の歌で人が喜んで
くれるって、とても嬉しいことですよね。それが忘れられなくて、だからアイドルになりたいって
思ったのかな……。きっと、そうなんだと思います」
「なるほど……」
 思い出を語る時の生き生きとした表情を見ていると、何だかこっちまで楽しい気分になってくるから
省38
525: SS再掲/真・1 2009/06/07(日)21:40 ID:LTbFyX3m0(7/15) AAS
 土曜の午後。私はアイドル候補生の天海君と萩原君を連れて、とあるCDショップを訪れていた。
 大型ショッピングモール内にあるこの店舗には、地元FM局のオープンスタジオが設けられており、
毎週土曜と日曜には番組収録の様子を見学することができる。
 今日は、某有名アイドルが番組にゲストとして呼ばれ、ブースの中でパーソナリティとトークをしていた。
 レッスンも大事ではあるが、こうして現役アイドルの姿を見ることで仕事のイメージを掴むことも
有意義かと思い、アイドル候補生の二人を連れてきたわけである。
 三十分程度の番組収録の後で、天海君と萩原君に感想を尋ねてみた。
「歌が上手なだけじゃダメなんですね。頑張らないといけないこと、沢山あるんだなぁ」
 そう天海君が言うと、
「私、あんな風にちゃんとお喋りできるかなぁ……」
省47
526: SS再掲/真・2 2009/06/07(日)21:41 ID:LTbFyX3m0(8/15) AAS
「菊地君といったね」
「はい」
「明日、アイドル候補生オーディションの面接を受ける予定は無いかね?」
「ええっ?! どうして、おじさんがそんなこと知ってるんですか? ……まさか、ストーカーとか?」
「いやいや。申し遅れたが、私はこういうものだ」
 そう言って、菊地君に名刺を差し出す。
「765プロダクションの高木社長……って、ボクが受けるオーディションの?!」
「その通り。いや、どこかで見た顔だと思ったら、我が社のオーディションに応募してくれていた子
だったとは。世間というのは狭いもんだねぇ」
 私の言葉に驚いたのは、菊地君よりも、むしろ天海君と萩原君の方だったようだ。
省46
527: SS再掲/律子・1 2009/06/07(日)21:42 ID:LTbFyX3m0(9/15) AAS
我が765プロは未だ弱小のプロダクション。
しかし、我が社で働いてるものにはそんなことは関係なく、
当然社長である私も多忙を極める身である。
…が、今日の私は珍しく暇だった。
普段は本当に忙しいのだが、今日はそんな日々の合間にぽっかりと穴が開いてしまったような日だ。
何をするでもなく、思わず事務所の備え付けのテレビを見てしまうくらいに。
「いやいや、芸能事務所社長たるものテレビを見て流行情報や芸能界の動向を知るのも立派な仕事だな、うむ」
「『うむ』じゃありませんよ社長。ちゃんと仕事をしてください」
ふと後ろから声をかけられたので振り返ってみると、
見慣れた眼鏡とおさげの少女が湯呑を2つ乗せたお盆を持って立っていた
省24
528: SS再掲/律子・2 2009/06/07(日)21:56 ID:EBfzt93aQ(1/8) AAS
確かに我が社にはプロデューサーはたった一人しかおらず、
今は彼に我が社のアイドルや候補生の面倒を見てもらっている。
「しかしだな、私としても我が社の大事なアイドル達を任せるにはやはり信頼に足る人物としたいのだよ。
その点彼は君も知っての通りだろう。それに私は現場の仕事についてもらうには、私の感性にひっかるような…」
「例の『ピーンと来た!』ですか?」
「うむ。そういった人間に任せたいのだよ。今はまだ弱小だが彼らならきっと活躍する。
そうすれば事務所も大きくなるし、現場の方もきっと信頼に足る人物が見つかるだろう。」
「楽観的ですねえ。」
そういいながら彼女は私の分といっしょに持ってきた自分の湯呑を口に持っていこうとしていた。
しかし…
省36
529: SS再掲/あずさ・1 2009/06/07(日)21:57 ID:EBfzt93aQ(2/8) AAS
 765プロダクションの社長の高木だ。皆、風邪などひいてはおらんかな?
 我が社のアイドル候補生オーディションの二次選考も、ようやく後半戦に突入した。
 今日も、面接の予定が一件入っている――のだが、困ったことに肝心の応募者が来とらんのだよ。
「社長!」
「おお、音無君。連絡は取れたかね?」
「えぇ、さっき携帯電話とつながったんですが、何でも道に迷ったので少し遅れる……と」
「…………」
「もう既に予定の時刻から三十分は遅れていることは伝えましたけど……」
「けど、どうしたのかね?」
「三浦さんって、随分とおっとりした方のようで、こちらの意図がちゃんと伝わっているのかどうか、
省47
530: SS再掲/あずさ・2 2009/06/07(日)21:59 ID:EBfzt93aQ(3/8) AAS
 さて、どうしたものか。
 彼女が、彼女なりの強い決意をもって、この世界に飛び込もうとしているのはわかる。
 二十歳となれば、世の中のこともある程度わかっている年だ。
 短大を卒業してから、普通に就職することもできたはず。そうせずに、敢えてアイドルになりたい
というのだから、遊び半分ではない、という彼女の言葉は本当だろう。
 だが、問題なのは、それをどう評価すべきなのかということ。
 確かに、三浦君は容姿も良いし、性格も温厚だし、アイドルとして売り出していく上で取り立てて
問題があるとは思えない。むしろ、プラスに作用することの方が多いだろう――とは思うのだが。
 今までの面接では即断即決していた私が、こうも判断に迷うとはな……。
 それからしばらく三浦君と面談を続けた結果、この場ですぐに結論を出さないことにした。
省45
531: SS再掲/やよい・1 2009/06/07(日)22:01 ID:EBfzt93aQ(4/8) AAS
「やれやれまいったな」
空を見上げて途方にくれる。そして、そのままさほど速いわけではない雲が流れていくのを見つめていた。
雲が視界から消えた頃、首が疲れたので顔を下ろす。決して暇なわけではない。仮にも私は芸能事務所の社長だ。
最も現時点では本当に芸能事務所とは名ばかりの様な状態なのだが…。
『アイドル候補生ばかりが増えすぎている』
事務員の音無君や事務員兼アイドル候補生の律子君にそう言われ、
それならばと彼女達をトップアイドルへと導くプロデューサーを探しに来たのだが…
「見つからんなあ…」
私とてそう簡単に見つかると思ってはいなかったが、見つかる気配すら全く感じられない。
こうも先行きが見えないとは流石にガッカリドンヨリだ。と言うわけで、私は公園で途方にくれていた。
省39
532: SS再掲/やよい・2 2009/06/07(日)22:02 ID:EBfzt93aQ(5/8) AAS
「だから仕事が無いから食事をしなかったわけでもないのでね、わざわざ私にこれをくれなくてもいいんだよ」
「でも…やっぱりこれどうぞ!」
下げてもらおうと思ったのだが、彼女は再び『んまぁ〜い棒』を差し出してきた。
「いや、だから私は…」
「でもでも、おじさんさっきとても辛そうな顔してました。知ってますか?これ『んまぁ〜い棒』って言って
とっても美味しいんですよ!これを食べればきっとおじさんも元気が出ます!」
彼女の勢いと元気に押されてつい受け取ってしまった。
「ありがとう。君は元気だね」
「ハイ!私元気だけが取り柄ですから」
こちらまで楽しくなるような笑顔で彼女は話す。
省43
533: SS再掲/亜美真美・1 2009/06/07(日)22:04 ID:EBfzt93aQ(6/8) AAS
私は今病院にいる。
体の何処かが悪いだとかではない。定期健診というやつだ。
まだまだ一線を退くつもりは無いが、いやだからこそ健康を維持するために健康診断を受けるのも、
一社会人として、また一国一城の主(事務所は賃貸だが)である社長たるものの義務だ。
ここ最近は身体の調子もいいし、我が社には有望なアイドル候補生が続々と入っており、精神面でも好調だ。
今回の結果は良いものになりそうだな。
しかし…だ。病院というところはどうにも暇だ。待ち時間も一つ一つが長い。
せっかく予約を入れているのに時間通りになった試しがない。
扱っているものが扱っているものだからそれは致し方なく、理解も納得もするが、暇なのは変わらない。
それに病院という場所柄基本的に静かであり、そういった空気が尚更閉塞感を抱かせるというか、私の時間を延ばしていく。
省39
534: SS再掲/亜美真美・2 2009/06/07(日)22:06 ID:EBfzt93aQ(7/8) AAS
まだ少し時間が余っていたので、私は病院内を散策することにした。
勿論他の患者さんに迷惑をかけぬようにやっている。
病院というのもやはり様々な人がいる場所だ。
ひょっとしたらこの中に私が探している
我が社のアイドル候補生をトップアイドルへと導いてくれるプロデューサーや
次代のトップアイドル候補がいるかもしれないな。
しかし病院にいるような人物では体力的に少々不安だが…いやアイドルは儚げな感じプラスに働くかも知れん。
そんなことを考えて病院内を散策していると、病院には似つかわしくない大きな足音がまた聞こえた。
その音はやはり私のほうへと近づいてきて、当然のように私は腰から下に後ろからの軽い衝撃を感じた。
「あいたたた…ぶつかっちゃったよ」
省39
535: SS再掲/亜美真美・3 2009/06/07(日)22:08 ID:EBfzt93aQ(8/8) AAS
「「げぇっ!ママ」」
どこかで見たことのあるようなリアクションで二人が同時に驚く。
どうやら二人を注意したあの女性が母親らしい。
「病院で遊んじゃダメだって言ったでしょう!ここはパパがお仕事をする場所なの。
病気や怪我をした人が一杯いるのよ。静かになさい。せっかくパパに会いに来たのに迷惑かけてどうするの!」」
病院内でのマナーを守りながら最大限の迫力を出して彼女達を叱っていた。
「ごめんなさーい…」
一方彼女達はというと、やはり子供といったところか。さっきまでの勢いは鳴りを潜めすっかりしぼんでいた。
しかし元気な子達だ。ややいたずらが過ぎるきらいはあるが、先ほどのも悪気があったわけではないようだし、
何事も率先して楽しもうという姿勢は、誰かを楽しませるということに向いているかもしれない。
省44
536: SS再掲/伊織・1 2009/06/07(日)22:19 ID:LTbFyX3m0(10/15) AAS
 ここは765プロダクション社長室、つまりは私の部屋だ。
目の前には私の作業場、つまりデスクがある。その上にはティーカップ。
いつもなら音無君が特製のコーヒーをご馳走してくれるところだが、
今日はあいにく、律子君共々事務に追われている。
仕方なく、給湯室からパックを引っ張り出してきて、私自ら紅茶を淹れた。
自画自賛だが、味も香りも決して悪くは無いと思う。
 ギィ、と椅子が小さく悲鳴を上げる。私の椅子ではない。いや、私の椅子か。
正確には、前者は「私が普段使っている」それであって、後者は「私が今、座っている」ものだ。
それともう一つ。先程、デスクについて述べたが、現在の私の位置はちょうど対面。
しかもギリギリ手の届かない範囲なので、受け皿は左手で持っている。
省44
537: SS再掲/伊織・2 2009/06/07(日)22:19 ID:LTbFyX3m0(11/15) AAS
「しかし、だ。既に何人か候補は上がっているのだよ。プロデューサーを雇い次第、
すぐにでも活動を始める手筈は出来ている。」
「え……?」
 私は彼女の方へ向き直ると、両手を小さな肩に軽く乗せた。
「だから私の方は大丈夫だ。余計な心配をかけて済まなかったね。」
「……そ、そう!なんだ、もう……よ、よかったわ。ア、アイドルなんて、変な格好して、
下手くそな歌、歌って、ダ、ダサダサなダンス踊って……そ、それがテレビで日本中に放送されるなんて、
そんな恥ずかしい事、私が……やる訳……やる訳ないじゃないっ!!」
「おいおい、随分な物言いだな。それにいきなり全国区とはいかんよ。アイドルは一日にしてならず、
まずは地道に営業をこなして……」
省44
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