憲法の勉強法28 (207レス)
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55: 2018/05/12(土)22:17 ID:H/YcxT49(1/4) AAS
憲法を勉強していると、違憲審査に関して「審査基準論」と「三段階審査」という
大きな対立があることに気づく。これらは、どういう考え方であるか、その概要を
押さえておく必要がある。

まず、憲法訴訟の実務では、その違憲性判断について、基本的に利益衡量論が
とられていることを確認しておく。利益衡量論とは、人権の規制により得られる利益と
失われる利益を比較して、得られる利益の方が大きい場合に合憲としようと考え方である。

そのあり方に対しては、従来から、どのようにして裁判官の主観的判断を回避すべきか
が課題となってきた。利益を図る客観的尺度がない中で、制約原埋を欠いた「基準なしの
利益衡量」論にならないように、学説は努力を重ね、裁判官の判断に客観性と最低限
必要な予測可能性を確保するべく原則順守的な利益衡量を提供しようとしたのである。
省1
56: 2018/05/12(土)22:19 ID:H/YcxT49(2/4) AAS
審査基準論は、違憲審査に際して拠るべき基準を、権利の種類や規制目的の種類に
より振り分けるものである。それは、(表現の自由を中心とした)精神的自由権と経済的
自由権を区別し、前者を「優越的人権」とおいて、それに対する規制立法に対しては
「厳格な基準」で審査に付すことにより、より厚く保護するが、他方、経済的自由権に
対する規制に対しては「合理性の基準」の審査が妥当し、結果として広い立法裁量が
承認される、という発想である。ただし、経済的自由権に対する規制は、規制目的が
消極的か積極的かで処理が異なり、前者の規制には「厳格な合理性の審査」が妥当
するという。
57: 2018/05/12(土)22:21 ID:H/YcxT49(3/4) AAS
敷衍すると、?厳格審査の基準では、まず、立法目的の高度の正当性が問われ、
次に、立法目的を達成するのに必要最小限度の規制手段であるかどうかが検討
される、?厳格な合理性の審査 (中間基準)とは、経済的自由権に対する消極規制
を主な対象とし、まず、立法目的の正当性が、次いで、立法目的と規制手段の間の
「合理的関連性」や「事実上の実質的関連性」が検討され、さらに、立法目的を達成
し得る「より制限的でない代替手段 」の存否が問われる(LRAの基準)、?合理性の
審査は、経済的自由権に対する積極規制を主な対象とする。立法目的と規制手段の
双方で立法府の裁量が広く認められ、規制が著しく不合理であることが明白な場合
に限って違憲とされる(明白性の原則)。このようにわが国の審査基準論は、二重の
基準論ひいては三種の基準論として発展してきた。
58: 2018/05/12(土)22:31 ID:H/YcxT49(4/4) AAS
この審査基準論に対して批判を加え、最近有力に唱えられている考え方が三段階審査論
である。その批判の主なものは、審査基準論は基準の振り分けがカテゴリカルに過ぎる、
厳格審査の核心である必要最小限度の審査と厳格な合理性の基準におけるLRAの審査の
違いは必ずしも明らかでないなどというものや、審査基準論を誤解したうえで、それに依拠し
て書かれた学生の答案が安易で形式的な論述に堕してしまっているという弊害、実務におい
ても判例(裁判官)を縛ることはできていないというものである。このような状況において、
審査基準論のように判例を外側から縛るという努力をするのではなく、むしろ判例に内在する
理論を究め、判例を拘束する指針を立てようとする流れが三段階審査論であるといえる。
59: 2018/05/13(日)09:51 ID:R93dniPC(1/4) AAS
繰り返しになるが、利益衡量という方法論それ自体には、合憲性や適法性の審査を
方向付ける客観的な指針が存在しないという問題がある。そこで、審査基準論は、
審査の客観化を図ることを企図して、あらかじめ人権の性質に応じたカテゴリカルで
原則遵守的な審査基準を定立した。これに対して、三段階審査論は、立法・行政に
よる権利侵害行為の合憲性判断に際し行われる利益衡量を適正化と客観化しよう
とするものである。
60: 2018/05/13(日)09:57 ID:R93dniPC(2/4) AAS
三段審査論は、

?保護範囲の問題(被制約法益が、憲法の保障する基本権の保護領域に入るか否か)
?基本権制限の問題(国家行為が基本権の制約を構成しているか否か)
?正当化の問題(かかる権利侵害は憲法上正当化できるか)

という内容と順序をたどる論証形式である。

(1)石川教授は、上述の?と?を入れ替えて、
?国家行為の権利侵害、?保護範囲、?正当化事由( 違憲性阻却事由)
という順序の論証の型を提案される。

(2)駒村教授は、石川教授の論証の順序に理解を示されている〔法学教室?338p40〜〕。
61: 2018/05/13(日)11:48 ID:G9BY7DHr(1) AAS
税金浪費、裁判官の不正、裁判所の私物化に法改正を!
外部リンク:d.hatena.ne.jp
62: 2018/05/13(日)16:40 ID:R93dniPC(3/4) AAS
プロセス的人権観(松井茂紀)

・ 日本国憲法の基本的人権はアメリカの市民的権利・市民的自由に近いと考えられるが、
  アメリカとフランスでは国民の権利の観念自体が大きく異なっている。
  通説のいうような人権の観念が近代立憲主義の共通の人権の観念だとは思われない。

・ 基本的人権の究極の根拠は、通説のように、人間の尊厳に依拠して、基本的人権を人間が
  生まれながらに有している自然権と捉えるのではなく、一定の政治共同体の決定に求める
  べきである。

・ 政治共同体に基本的人権の究極の根源を求めるても、必ずしも、公共の利益による基本的
  人権の制約を正当化することにはならない。ドゥオーキンのように、政治共同体は、政治の
  公共の利益を理由とする制約を認めないように基本的人権を承認したと考えればよい。
省7
63: 2018/05/13(日)16:56 ID:R93dniPC(4/4) AAS
「切り札」としての人権(長谷部)

「公共の福祉」に還元することができない人権を見出すために、「切り札としての人権」を提唱。
通説は、公共の福祉を「人権相互の衝突を調整する実質的公平の原理」としているが、人権の
制約根拠が人権のみであるという間違いを犯している。
表現の自由の規制根拠として持ち出される街の美観・性道徳の維持・電波の混信の防止などは
個々の人権には還元できないはずだ。個々の人権に還元できない規制根拠があるとすれば、
人々が国家の権威(国家の法令)に服すべき理由は、人々が国家が「調整問題」と「公共財の
供給」を適切に行っていると信頼しているからだ。

通説が示す公共の福祉に関する内容は、換言すれば、国家権力一般の正当性を問題にするもの
である。しかし、個々の人権に還元できない規制根拠があるとすれば、「国家権力の正当性の限界」
省12
64: 2018/05/15(火)16:37 ID:o0sYnLLy(1) AAS
AA省
65: 2018/05/16(水)23:57 ID:xnFuHvob(1) AAS
Q 憲法保障制度(憲法明文)は?

最高法規性(98条1項)、憲法尊重擁護義務(99条)、厳格な改正手続(96条)、違憲立法審査権(81条)
権力分立(41条、65条、76条)
66
(1): 2018/05/17(木)13:20 ID:A+JdoPj6(1) AAS
81条は実質的に停止されてるからなあ
67: 2018/05/17(木)18:02 ID:mmw4inu7(1) AAS
>>66
いつの時代の人?
ここ数年の間にいくつ法令違憲判決が出たと思っているのよ。
68: 2018/05/25(金)18:54 ID:l6Fk+uEl(1) AAS
AA省
69
(1): 2018/05/26(土)20:16 ID:bFiccu98(1) AAS
参議院が
都道府県の代表としての
性格を帯びてるのは,何故なんでしょうか ?
70: 2018/05/26(土)20:55 ID:E6486c8A(1) AAS
日本の違憲立法審査権は偽物。
当該法案はすぐにゴミ箱いきにすべし。
71: 2018/05/26(土)21:18 ID:qTBroodm(1) AAS
>>69
法律で公職選挙法をそのように規定しているから。
憲法上の要請ではない。
72: 2018/05/27(日)01:57 ID:Xf8ExZb/(1) AAS
参院の定数不均衡はその趣旨で矛盾してるんだよね
法が空間的領域を想定して選挙区を設定してるのなら
1票の格差をどこまで問えるのかという
73: 2018/05/27(日)13:46 ID:qIdiKrfQ(1) AAS
憲法上の要請としての必要的考慮事項と、任意的考慮事項とを区別できるのなら、特に矛盾はないのでは。
都道府県は任意的考慮事項なんですよ、きっと。
74: 2018/08/08(水)21:14 ID:/SnnVdvU(1) AAS
横大道先生、連載2本大丈夫?
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