[過去ログ] 【伝奇】東京ブリーチャーズ【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net (285レス)
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266: 御幸 乃恵瑠 ◆4fQkd8JTfc 2017/02/15(水)22:03 ID:U+Xmh4YZ(5/6) AAS
相変わらずイントネーションを間違えた禹歩の発音で、橘音のいい漢っぷりを称賛するノエル。
ちなみに子ども(精神年齢)は新しく覚えた言葉をとりあえず使ってみたがる性質があるので、うっかり変な言葉を教えると大変なことになるのだ。
みんなも気を付けよう!
ノエルが腕を一閃すると、劣勢を察し慌てて合体し直そうとするミニゴホウに、雪玉がぶつかったかと思うと崩壊して足元を埋め、瞬時に凍り付いて手足を地面に縫い付ける。

「せっかく大勢になったんだから急いでリュニオン(再結合)しちゃ勿体ない!
忙しい橘音くんの代わりに遊んであげるよ! 雪合戦だ! 一人でも僕にタッチできたら君達の勝ちな!」

例によって攻勢ターンに入った瞬間にあからさまに分かりやすく元気になったノエルがゴホウ達を挑発する。
もしゴホウ達が日本語を喋れたら、「いや、”勝ちな!”ってドヤ顔で言ってるけどアンタ男だろ!」「見た目だけはやたら綺麗だけど男……だよな!?」
「でも雪"女”だから呪いワンチャンいけるんじゃね!?」「あれ? なんか焦点を後ろに合わせると変な映像が見える気が……」
「しかし我らのプライドにかけてあんな変態を女枠に入れてはいけない……!」
省21
267: 御幸 乃恵瑠 ◆4fQkd8JTfc 2017/02/15(水)22:08 ID:U+Xmh4YZ(6/6) AAS
「ほらほら、こっちだ、来てみろよ!」

その痛みを悟られぬよう表向きは変わらぬ調子で挑発しつつ。
雪玉をぶつけて牽制しながら、大きく位置を動こうとしないチッポウの周囲を円状に駆ける。
敵の攻撃に当たらないように相手の周囲をぐるぐる回りつつ自分は遠距離攻撃を加える
アクションRPGのボス戦でありがちな立ち回りだ。
そして一周回ったところで相手の方に向き直り、地面に手を付いた。

「――アイスプリズン!」

チッポウがいる地点の四方を囲うように、氷の壁がせり上がる。
ゴホウ達を凍りつかせた地点もその範囲内に入っている。
とはいえ、このままではいずれ溶解液で脱出されてしまうのだが――
省14
268: 尾弐 黒雄 ◆pNqNUIlvYE 2017/02/16(木)23:22 ID:zIU5WpN+(1/4) AAS
最初に人を殺したのは、苦痛から逃れる為であった。
呪具として改造された魂は、製作者の意図に従い動かねば、耐えがたい苦痛が与えられるからだ。

次に人を殺したのは、苦痛を味わいたくないが故であった。
呪具に刻まれた呪いの通りに人を殺せば、自分は痛くないからだ。

更に人を殺したのは、母の温もりを求めたが故であった。
標的(オカアサン)の胎内(ナカ)に戻れば、幸せに生まれ直す事が出来ると思ったからだ。

尚も人を殺したのは、自分が知らない幸せを持つ人間を憎むが故であった。
誰かが自分と同じ様に苦しんで死ねば、少しだけ気持ちが晴れる気がしたからだ。

そうして、次も、次も、次も。
省25
269: 尾弐 黒雄 ◆pNqNUIlvYE 2017/02/16(木)23:23 ID:zIU5WpN+(2/4) AAS
そのまま絶え間なく暴力は続いていったが……やがて、土煙で尾弐の姿が見えなくなった頃。
コトリバコ達は唐突にその手を休めた。
疲労?慈悲?……否。
彼等は自身が振るった暴力の結果を確認する為に、コトリバコ達はその拳を止めたのである。
彼等が脳裏に浮かべる土煙の向こう光景は、まるで挽肉の様にグズグズになり、力なく絶命している尾弐の姿。
あれだけの呪詛の酸を、暴力を、蹂躙を受けたのだ。丈夫な玩具と言えども壊れない筈が無い。

釣りあがる口元を隠す事も無く揃って、三つ子の子供の様に楽しげに嗤うコトリバコ。

そうして、土煙は晴れる。
向けられる視線。そこには……瓦礫に上半身が半ば埋もれ、力なく首を垂れる尾弐の姿があった。
瓦礫からはみ出た左腕は切り刻まれたかの様に血まみれで、一部の傷は肉の先。白い骨を露見させている。
省34
270: 尾弐 黒雄 ◆pNqNUIlvYE 2017/02/16(木)23:23 ID:zIU5WpN+(3/4) AAS
「逃げてくれんなよ、怪物共。俺のこの姿は連中に……特に、那須野の奴には見せる訳にはいかねぇんだからな」

退く事の出来なくなったコトリバコは、迫る尾弐に対し暫くの間混乱した様子を見せ……結局、彼等は己の力に縋る事となった。
状況を打開する為に、他者を理不尽に蹂躙する事の出来ていた己の力を信じ、反撃を試みたのである。

先ず行われたのは、『ニホウ』による溶解液の噴射。それは、あらゆるモノを溶かす呪詛の毒である。

「毒で俺を殺りたきゃ――――神さんから貰った酒に盛って飲ませるなりしやがれ」

だが、それは今の尾弐に対しては僅かに皮膚を焼く程度の効果しか齎す事は出来ず……まるで用を成さなかった。
当然である。呪詛は上位の呪詛で塗りつぶせる。ならば、呪詛で出来た溶解性の毒液が、『今の』尾弐に通用する筈が無いのだ。
そのまま尾弐が右手で溶解液を噴き出し続けるニホウの頭を叩くと……まるで巨大な鉄槌でも振り下ろされたかの様に
ニホウの頭は潰れ、地面にめり込んでしまった。
省21
271: 尾弐 黒雄 ◆pNqNUIlvYE 2017/02/16(木)23:23 ID:zIU5WpN+(4/4) AAS
尾弐が取り出したその木箱は、他のコトリバコ達のものとは違い、核となる嬰児の魂と呪詛が融合してしまったかの様に変形してしまっている。
まるで心臓の様に脈打ち、色はどす黒く変色しているコトリバコ。
己の体から取り出された其れを、『シッポウ』のコトリバコは必死になって取り戻そうと腕を伸ばすが……その手が届く前に

尾弐の右手は、小箱を握りつぶした。

箱が潰れるのと同時に苦痛の叫び声を上げながらドロドロに溶解し消滅する、コトリバコの異形の赤子としての姿。
だが尾弐は、その悲鳴すらも気にする事は無く、『ニホウ』『サンポウ』と、順々に小箱を破砕していく。
コトリバコの体液に塗れながら、無表情に淡々とその作業をこなしていく尾弐の様子は、
ある意味ではコトリバコよりも余程怪物じみていた。

そうして、3つのコトリバコを破壊した尾弐は……そのまま、ドサリと瓦礫へと座り込んだ。

「あー、痛ぇ……年甲斐も無く気張り過ぎたかねぇ」
省9
272
(1): 2017/02/20(月)21:57 ID:iQSeyJh3(1) AAS
35:54

10:40
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273: 2017/02/20(月)23:07 ID:id/JqesG(1) AAS
>>272
失せろや糞マルチ

ハゲ
274: 品岡ムジナ ◆VO3bAk5naQ 2017/02/21(火)15:18 ID:nF0h8BIm(1/3) AAS
ずだだだだ、と不格好なガニ股走りでロッポウから逃げる品岡。
無論敵から目を背けて無防備を晒しているわけではない。ちゃんと背中に目を生やしている。
追って飛んでくる粘液を目視し、ジグザグに動いて躱しながら疾走する。

「あかん息切れてきた……!煙草やめよっかなもう……!」

タールに塗れた肺が酸素を求めて律動し、水際の金魚のようにパクパクと喘ぐ。
肉体疲労とは無縁の妖怪と言えど、今日は朝から色々妖術を使いすぎた。
元々そこまで妖力の残高に自信のあるほうでない品岡は露骨に足運びの精彩を欠く。
ロッポウの足音がすぐ背後まで迫ってくる……!

>「――スリップ」

横合いから鈴の鳴るような声がしたが早いか路面が突如凍りつき、疾走していたロッポウが足を取られた。
省30
275: 品岡ムジナ ◆VO3bAk5naQ 2017/02/21(火)15:19 ID:nF0h8BIm(2/3) AAS
刹那、品岡の姿がロッポウの視界から消えた。
十歩ほど離れたアスファルトが擦れる音、一瞬だけ現れた品岡が更にブレて消える。
品岡の姿を捉えたロッポウが粘液を吐く頃には最早的はそこにない。
形状変化で足の骨を強力なバネに変え、鞠のように跳ね回っているのだ。

「っつおらぁ!」

バネの加速そのままに、横合いからハンマーがロッポウの顔面を捉えた。
氷の棘が赤子の表皮を一瞬で凍結させ、次いで打撃がそれを砕く。
そうして二度、三度と少しづつではあるが、確実にコトリバコの体積を削いでいく。

「修復する隙なんぞやるかいな」

祈ほどの強烈な速力はないが、ロッポウの反応速度を超えられればそれで十分。
省33
276: 2017/02/21(火)15:20 ID:nF0h8BIm(3/3) AAS
【次スレに続く】

【伝奇】東京ブリーチャーズ・弐【TRPG】 [無断転載禁止]©2ch.net
2chスレ:mitemite
277: 2017/02/24(金)05:35 ID:J7kwTUW9(1) AAS
期待してるよ!
278: 2017/06/08(木)08:51 ID:yUN74uNw(1) AAS
この板はめいいっぱいまで書き込まないとスレが倉庫に落ちないのである
279: 第壱話ダイジェスト 2017/06/08(木)21:48 ID:UXL9Bb/x(1/2) AAS
都内の某雑居ビルに事務所を構える高校生探偵の那須野橘音、
その正体は三尾の狐であり、妖壊漂白チーム東京ブリーチャーズのリーダーだ。
橘音のもとに、今日も上司の玉藻前から指令が下る。今回の討伐以来は八尺様。
橘音が所属メンバーに電話をかけまくった結果、
橘音の探偵事務所の助手でもあるターボババアの孫の太甫祈と
橘音と同じ雑居ビルでかき氷喫茶店をしている雪女(イケメン)の御幸乃恵瑠が作戦に参加することとなった。
祈が男子小学生に変装し、橘音が結界を張った公園に誘い込むべく囮となる。
祈は見事な機転で八尺様を公園に誘い込むことに成功し、戦闘が始まる。
最初は互角に戦っていたものの次第に追い詰められていくノエルと祈。
絶体絶命のピンチに陥った時、葬儀屋を営む鬼の尾弐黒雄が駆けつけ、事なきを得る。
省20
280: 第弐話ダイジェスト 2017/06/08(木)22:50 ID:UXL9Bb/x(2/2) AAS
都内で女性の謎の変死事件が多発――鞍馬山の妖怪銀行から盗まれた呪詛兵器「ハッカイのコトリバコ」の仕業だ。
コトリバコ漂白の命を受けた那須野橘音の元に集まるのは、多甫祈と御幸乃恵瑠と尾弐黒雄、
そしてのっぺらぼうで陰陽師の式神のヤクザで、ブリーチャーズの非正規メンバーでも品岡ムジナだ。
当初橘音は祈を連れて行くのは危険だとして事務所に残そうとするが、ノエルは橘音が性別不詳であることを指摘し激しく抗議。
紆余曲折を経てムジナの形状変化妖術により男に化けた上で同行することになった。
尾弐は自らの腕を切ったカッターの刃を、その事は伝えずに破魔の刃と称してを祈と橘音とノエルに渡すのであった。
現場に向かった一行は、付喪神化したハッカイ(8種類あるコトリバコの最上位)と遭遇。
複数の巨大な赤子が融合したような不気味な化け物の姿となったハッカイとの戦闘が始まった。
ハッカイがいかに強力といえど5対1、このままいけば勝てると思われた時だった。
ハッカイ以外の7種類のコトリバコが一斉に現れ、場は絶望に包まれる。
省20
281: 2017/06/09(金)00:04 ID:8VSaZ5kO(1) AAS
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省3
282: 第参話ダイジェスト 2017/07/09(日)21:14 ID:PrHTvua2(1/2) AAS
コトリバコとの戦いから少し時間が流れ桜が咲き始めた頃。
SnowWhiteに突如としてクリスが一人で現れる。
動揺するノエルに向かって、自分はノエルの姉だと言い、ブリーチャーズを抜けるように言って去っていく。
クリスを呆然と見送ったノエルは、我に返ると階下の橘音の事務所に駆け込む。
橘音は尾弐と共に今後のことについて話し合っているところであった。
ノエルの話を聞いた橘音は、3年前にもクリスと戦ったことがあり5人もの仲間が犠牲になったことを明かす。
恐るべき強敵だが、橘音は相手が手掛かりを見せた今がクリスと決着を付ける好機だと再戦を決意。
送り狼のポチを召喚し、クリスが使ったかき氷の器から行先を追跡させることとする。
まずは中学校に寄って祈と合流する流れとなった。

一方、新学期を迎えた祈のクラスに、モノ・ベアードと名乗る転入生が現れる。
省19
283: 第参話ダイジェスト 2017/07/09(日)21:16 ID:PrHTvua2(2/2) AAS
しかし尾弐はそれではクリスに勝つには不十分だと考え、
いざとなったら乃恵瑠を殺害しクリスに決定的な隙を作ることを考えていた。
尾弐にとって、人を殺めた《妖壊》は憎むべき存在であり、かつて妖壊化したノエルもその中に含まれるのであった。
尾弐のその考えを察した橘音は、莫大な妖力の行使によってケ枯れ寸前になりながらも
ノエルを信じて見守るように諭し、万が一駄目なら共に手を穢そうと告げる。
そしてポチには、クリスとの戦いから手を引き、雪の中で倒れた祈を連れ戻しに行くように告げる。
橘音は最初からノエルとクリスに一騎打ちをさせるつもりであった。
橘音が雪の女王から受けた依頼とは、ノエルがクリスと決着を付けられるように導いて欲しいというものであったのだ。
一方、クリスと戦っている乃恵瑠も、尾弐が自分に殺意のようなものを向けている事に気付き、
それを戦略上の良し悪しの問題として冷静に受け止めるのであったが、「死にたくない」という本音が口をついて出る。
省26
284: 第肆話ダイジェスト 2017/10/18(水)23:18 ID:F0LWmYSU(1/2) AAS
7月半ばになったころ、橘音がいつものメンバーを集めて温泉への慰安旅行を持ちかける。
皆の返事を聞く前に橘音が半ば強引に押し切る形で、全員参加となった。
一週間後、一行は妖怪の妖怪による妖怪のための温泉旅館「迷い家」を訪れる。
温泉や散策を楽しみ、夜になって豪華な晩餐をとっていたところ、迷い家の主であるぬらりひょんの富嶽が現れ、一行に依頼をもちかける。
それは最近発見され人間達の手によって上野の博物館に捕らわれていいるニホンオオカミの保護であった。
橘音はじっくり作戦を練ってから実行に移そうと言うが、その夜ポチが単身ニホンオオカミに会いに行こうと脱走。
総出で追跡するが、ポチに追いついた橘音はポチの先走った行動を許し、そのまま行くように告げるのだった。
残りのメンバーは一晩泊まり、次の日天神細道をくぐって東京に戻る。
橘音は偽のカンスト仮面によるニホンオオカミ誘拐の予告上を仕掛け、
東京ブリーチャーズの犬神にカンスト仮面の振りをして乱入して騒ぎを起こしてもらっているうちにニホンオオカミを連れ去るという計画を立てていた。
省21
285: 第肆話ダイジェスト 2017/10/18(水)23:20 ID:F0LWmYSU(2/2) AAS
ポチはシロに、自分の作った匂いの道をたどって逃げるように要請する。
シロは逆にポチ達に逃げるように言い、寄り添ってほしいと言ったポチに身を寄せようとする。
丁度その時、ロボが現れ、一行は銀の弾丸という切り札無しに迎え撃つ事となった。
シロを前にして我を失ったロボは、相手を食べる事で魂を取り込んで一つになれるという理屈でシロを噛み殺す。
更に、同族を自らの中にかくまうという理由で狼の血を引くポチを次のターゲットとして戦闘続行。
死亡したかのように見えたシロだが、祈が一縷の望みをかけてシロを抱いて天神細道をくぐり、河原医院にかつぎこむ。
普通の狼だったら死んでいたところだったが、妖怪として覚醒したシロは息を吹き返し、河童の軟膏で瞬時に回復した。
ブリーチャーズの結束の強さに心を動かされたことが、妖怪としての覚醒を促したのだった。
シロと共に急いで戦場に戻ろうとする祈の前に、突然壮麗な門が現れ、ミカエルと名乗る天使が現れる。
彼女は聖罰と称し半死半生にした橘音と魔滅の銀弾を寄越して、激励するような言葉を残し去って行った。
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