他板に投稿された、興味深い格言の転載スレ 17 (404レス)
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109: 2019/06/11(火)20:26 ID:sQEBcB1Q(20/71) AAS
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誑かされるのが生きる事ではない。生きる事が誑かされる事なのだ。
この瓜二つに見える言葉は、俺には全く異なった音を伝える様だ。
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人生を解釈する上に非常に便利な思想というものは、その便利さで身を滅ぼす。
便利さが新たな努力を麻痺させるからだ。
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百五十年も前に、ナポレオン法典は、各人の思想発表の自由を規定したのである。
めいめいが好き勝手な事を主張する自由を認めた上で、
皆が協力して秩序ある社会を作ろうとは、
省31
110: 2019/06/11(火)20:29 ID:sQEBcB1Q(21/71) AAS
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出来上った知を貰う事が、学ぶ事ではなし、
出来上った知を与える事が教える事でもなかろう。
質問する意志が、疑う意志が第一なのだ。
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どちらを選ぶか、その理由が考えられぬからこそ、人は選ぶのである。
そこまで人は追い詰められねばならぬ。
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小説の面白さは、他人の生活を生きてみたいという、実に通俗な人情に、
その源を置いている。小説が発達するにつれて、
省29
111: 2019/06/11(火)20:34 ID:sQEBcB1Q(22/71) AAS
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人間が種族保存上、有効に行動し生活する為に、
自然は、人間に、知性という道具を与えたのは確からしいが、
己れの謎を解いて貰う為に与えたとは到底考えられぬ事である。
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神経質で、敏感で、いつも自分がいい子になりたいと思っている奴は、
時とすると実によく相手の心持ちを見抜くものだ。
然し、自分に関係のない事柄、つまり、どっちにしたって
自分はいい子になってられるという場合には、恐ろしく鈍感になるものだ。
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省31
112: 2019/06/11(火)20:34 ID:sQEBcB1Q(23/71) AAS
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人間とは何かという問いは、自分とは何かという問いと離す事ができない。
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ともかくも俺は生きのびた。そうだともかくもだ。
ともかくもなどとなんとうまい言葉を人間は発明しただろう。
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歴史を鏡と呼ぶ発想は、鏡の発明とともに古いように想像される。
歴史の鏡に映る見ず知らずの幾多の人間達に、
己れの姿を観ずる事が出来なければ、どうして歴史が、私達に親しかろう。
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省24
113: 2019/06/11(火)20:35 ID:sQEBcB1Q(24/71) AAS
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美しいものは、諸君を黙らせます。美には、人を沈黙させる力があるのです。
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同じ理論を抱いているというので親友だと思い込む、
実はただひとりでものを言うのが不安だからに過ぎぬとは気が附かぬ。
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凡そものが解るという程不可思議な事実はない。
解るという事には無数の階段があるのである。
人生が退屈だとはボードレールもいうし、会社員も言うのである。
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省30
114: 2019/06/11(火)20:35 ID:sQEBcB1Q(25/71) AAS
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個人の独創により、普遍的人間性を表現しようとする十九世紀理想主義の
権化たる点において、ベエトオヴェンは、文学の世界で言うなら
ゲエテやバルザックに比すべき稀有な芸術家だった…
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天下を整理する技術が、大根を作る技術より高級であるなどという道理は
ないのでありますが、やはり整理家は、無意味な優越感に取りつかれるらしい。
交通巡査でさえそうかも知れぬ。
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自分の経験した直観が悟性的判断を越えているからと言って、
省29
115: 2019/06/11(火)20:36 ID:sQEBcB1Q(26/71) AAS
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もし芸術作品の個性という事が言いたいのなら、
それは個人として生まれたが故に、
背負わなければならなかった制約が征服された結果を指さねばならぬ。
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批評文の作者はいつも、ある命題が心に浮ぶと同時に、
その反対命題が心に浮ぶくらい鋭敏でなくてはならぬ。
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人生の謎は、齢をとればとる程深まるものだ、とは何んと真実な思想であろうか。
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省28
116: 2019/06/11(火)20:38 ID:sQEBcB1Q(27/71) AAS
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人間の生活を一番よく知っている人が一番立派な文学作家なのだ。
私はもう、それを信じて疑わない。他はみんな附けたりだ。
それでなくて何が文学というものが面白かろう。
文学だと思って読まなければ面白くないような文学は私はもういらない。
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キリストの一生ほど、彼〔ドストエフスキー〕に強い疑いを起させたものはなかった。
人から来た疑いは解く事も出来よう。だが神から来た疑いを解く事は出来ぬ。
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ベルグソンは若いころにこういうことを言ってます。
省29
117: 2019/06/11(火)20:39 ID:sQEBcB1Q(28/71) AAS
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才能の鍛錬が、才能の玩弄に落ちない事は、先ず稀有だと言っていい。
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凡そ物の真相とは、人間が追求するが発見は出来ない或るものの様にも考えられるし、
発見はするが追求は出来ない或るもののようにも考えられる。
恐らくどちらも本当であろう。
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人はこの世に動かされつつこの世を捨てる事は出来ない、
この世を捨てようと希う事は出来ない。
世捨て人とは世を捨てた人ではない、世が捨てた人である。
省33
118: 2019/06/11(火)20:40 ID:sQEBcB1Q(29/71) AAS
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日本の歴史が今こんな形になって皆が大変心配している。
そういう時、果たして日本は正義の戦いをしているかという様な考えを抱く者は
歴史について何事も知らぬ人であります。
歴史を審判する歴史から離れた正義とは一体何ですか。空想の生んだ鬼であります。
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極めて柔軟な精神は屡々懐疑的な精神と間違えられる。
極めて懐疑的な心は屡々無関心と誤られる。
これらには共通した消極的な類似があるからだ。
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省20
119: 2019/06/11(火)20:40 ID:sQEBcB1Q(30/71) AAS
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あらかじめ売ることを考えて、新築する料簡は、千三ツ屋のそれに似ている。
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作の真髄を会得する感覚を養うなら、幼少からじかに一流品に接するに如くはない。
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肉眼と心眼があるかぎり、レンズの目は邪魔だと私は心得る。
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けれどもこの世に、もし平和というものがあるならば、
季節のものだけしかない食膳の上にあるのではないかと、このごろしきりに思うのである。
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省22
120: 2019/06/11(火)20:41 ID:sQEBcB1Q(31/71) AAS
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世間には笑われておぼえることが山ほどあるのである。
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この言葉を聞くと前の言葉はうそだと分る。それなら今の言葉もいずれはうそになる可能性がある。
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政治家が国を誤るのは俗受けをねらってパフォーマンスをやる時に多い。
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歳は勝手にとったのだ、白髪は知恵のしるしではない、老人のバカほどバカなものはないと
私は金言のありたけを並べるが、その誘惑にたえかねるのだろう、老人は教えたがる。
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省18
121: 2019/06/11(火)20:42 ID:sQEBcB1Q(32/71) AAS
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有名な作家の、有名な作品を読むのも似たようなものだ。そんなに面白い作品なら、
作者が生きていようといまいと関係なく面白いはずである。作品は作者から独立すると、
作者は思いたいから思う。作品は不朽で、死後も遺ると思いたいから思う。ごく稀に死んで
からも売れる作品があるからそう思うのは無理もないが、作者は死ぬと同時に読者を失う。
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読者も共に老いただろう。六十七十を越え、亡くなった人もあるだろう。
健康でも、もう本は買わないだろう。読まないだろう。
作者は長生きすると、読者がこの世からいなくなるのを見ることがある。
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省14
122: 2019/06/11(火)20:42 ID:sQEBcB1Q(33/71) AAS
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まねっ子の方が売れて、元祖のほうが売れないとは神も仏もないが、
神と仏は住々ないものである。
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ひとりで旅してひとりで暮らしたら、鴎外漱石の時代とたいした違いはないのではないか。
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男はその精神の内部によって目立つことは許されても、
衣装のような外部によって目立つことは許されないと、
むかしものの本で読んでもっともだと思って以来、私は風俗には従うことにしている。
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省9
123: 2019/06/11(火)20:44 ID:sQEBcB1Q(34/71) AAS
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私はしばしばひとを当人と他人に分ける。
そしてこの世はその当人にみちみちたところだと見わたす。
イギリス人は自分の国の小学生に、わがイギリスが世界中に植民地を持ったのは、
南アフリカでは首長に懇望されたからであり、エジプトでは王の苦しい財政を助けるためであり、
インドではインド人の幸福を願ったためであると教えているという。
あまりのことに中国人も日本人も笑うが、その中国人は尖閣列島から
石油が出ると聞くと、すぐこの島々は中国領だと言いだす。
わが外務官僚はこのとき直ちに駁して尖閣列島は沖縄に属し沖縄はわが国に属すと言った。
日本の利益を代表する弁論である。ところがわが国の大新聞は中国に遠慮して、
省2
124: 2019/06/11(火)20:44 ID:sQEBcB1Q(35/71) AAS
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あなた四十にもなって、ほんとうに男がほしくないの?と辻元清美に迫ったのは瀬戸内寂聴で
(「婦人公論」九月二十二日号)、辻元は言葉をにごしていた。
瀬戸内は辻元が袋だたきにされているのを見かねて、
話なら聞いてやるからいつでもおいでと言ってくれたので来たのである。
瀬戸内はその昔デビューした当時、女であることを売り物にしたといじめられた。
女にも当然性欲があること男と同じである。一人ならず何人とでも恋愛すると昂然といったのだろう。
再起できないまでにたたかれたのによく耐え、婦人の支持を得て次第に人気作家になった。
むかし身分ある老女に、女はいつまで女かと問うたら
桐の火桶を火箸でゆるりとかき回しながら、灰になるまでと答えたという。
省3
125: 2019/06/11(火)20:44 ID:sQEBcB1Q(36/71) AAS
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わが選挙権は税金(初め十五円のち三円)以上納めた成年男子にしかなかった。
税金と選挙権とは関係ない。成人したら自動的に選挙権あるべしち騒いで
制限選挙を撤廃し普通にせよと大正末年にめでたく成功したのはいいが、
婦人参政権を忘れていた。婦人もそんなものほしがらなかった。
かりに制限選挙のとき有権者は八百万人しかいなかったとせよ。それだけで沢山だ。
凡そ人間は汚濁ばかりの集団だとしても、稀には国益第一のものもいる。
良心あるものもまじっているに違いない。貧乏人代表がいないと仰有るならその代表何百人かをまぜるがいい。
ただ有権者が二倍になれば腐敗は十倍になる。
だから制限選挙でいいのだ、ギリシャ人は一定の税金を納め、
省3
126: 2019/06/11(火)20:45 ID:sQEBcB1Q(37/71) AAS
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日清日露の戦役まで侵略戦争だと支那人が言うのは勝手だが、日本人が言うのは不自然である。
それなら当人ではない。他人である。
当人というものは自分の利益とみれば沖縄県石垣の尖閣諸島でさえ自国領だと言いはるものである。
それが健康な個人であり国家である。わが家であり、わが社である。
故にと健康というものはイヤなものである。
けれどもおお、個人も法人も国家も健康でなければならないのである。
わが国のごとく他人が言いはることを先回りして言って良心的だと思う国家は、
怪しいかな他国に侮られるのである。
山本夏彦
127: 2019/06/11(火)20:45 ID:sQEBcB1Q(38/71) AAS
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芸人の代表は力士だと私は見ている。
相撲とりは、幕下から十両、さらに関取と日の出の勢いで出世するから、贔屓が何十人もつくのである。
勝ち相撲のあとは座敷がかかる、着かえてかけつけ大杯をぐっと呑みほす、
祝儀を頂いてから次から次へと座敷をつとめる。最後の座敷には芸者が待っている。
関取は芸者に買われるのである。
芸者はいやな客の機嫌気褄をとって、そのうさ晴らしに役者買いをするのである。
橘屋のいろなら買いたいという旦那がつくのである。
大阪では白粉ちんこ、砂ちんこ、扇子ちんこといった。
役者買いは歌舞伎役者が第一、二の次は関取、噺家、講釈師はげてもの買いだといった
省1
128: 2019/06/11(火)20:45 ID:sQEBcB1Q(39/71) AAS
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戦後といっても昭和三十年代までは戦前と同じである。
すべて石油によって変わったと思えば早分かりである。
三井三池の大ストライキ(昭和三十四年)は石炭が石油に変わったということで、
石炭は高いが石油はただ同然で、その石油を採用することによってわが高度成長は成ったのである。
したがって三井三池の血を血で洗うストライキは無益だったのである。
失業者の救済策だけ講じればよかったのである。このときマスコミが果した役割を思い出してみるといい。
一大決戦みたいなことを書き、負けるに決まった戦さを勝った勝ったと書くこと戦時中のようだった。
山本夏彦
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