他板に投稿された、興味深い格言の転載スレ 17 (404レス)
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104: 2019/06/11(火)20:24 ID:sQEBcB1Q(15/71) AAS

自信というものは、いわば雪の様に音もなく、
幾時の間にか積った様なものでなければ駄目だ。
そういう自信は、昔から言う様に、お臍の辺りに出来る、頭には出来ない。
頭は、いつも疑っている方がよい。
難かしい事だが、そういうのが一番健康で望ましい状態なのである。


「あいつは、ああいう奴さ」という。甚だ厭な言葉である。
だが、人を理解しようとして、その人の行動や心理を、どんなに分析してみた所が、
最後につき当る壁は、「あいつは、ああいう奴さ」という同じ言葉であるから妙である。
省35
105: 2019/06/11(火)20:25 ID:sQEBcB1Q(16/71) AAS

自然は、美や真理を提供してくれるモデルではない。
自然とは貧乏人にこたえる冬の事だ。
こたえない人は、恐らく人間の一部を廃業したのだろう。


2+2=4とは清潔な抽象である。
これを抽象と形容するも愚かしい程最も清潔な抽象である。
この清潔な抽象の上に組立てられた建築であればこそ、
科学というものは、飽くまでも実証を目指す事が出来るのだし、又事実実証的なのである。


省33
106: 2019/06/11(火)20:25 ID:sQEBcB1Q(17/71) AAS

実生活の自然な傾向は行為せずに眺める事を禁じている。
作家の眼は、この禁制を破る。
作家は、観照の世界という全く不自然な心的態度のうちに棲むものだ。
この世界に居ると、実生活は、狂態で充満していると見えるのが当り前な事なのである。


死を目標とした生しか、私達には与えられていない。
その事が納得出来た者には、よく生きる事は、よく死ぬ事だろう。


私は、沢山売れる本は読みません。
省34
107: 2019/06/11(火)20:25 ID:sQEBcB1Q(18/71) AAS

真似は尋常な行為である。
子供は、理解する前に、まず真似をしなければ、大人にはなれないし、
私達の生活の大部分は人真似で成り立っている。
真似をするには、他人の存在が必要であるのみならず、他人への信頼が必要である。


人間は、憎悪し拒絶するものの為には苦しまない。
本当の苦しみは愛するものからやってくる。


君が口にする社会不安という言葉さえ、
省28
108: 2019/06/11(火)20:26 ID:sQEBcB1Q(19/71) AAS

私達は、皆、人間の顔には、非常に興味を持っている。
生活上の必要から、興味を持たざるを得ないから、
人の顔の表情に関しては特に鋭敏にもなっている。
私達は、皆、凡庸なものであろうが、肖像画家の眼を持っている。


死はいつも向うから歩いて来る。俺達は彼に会いに出掛けるかも知れないが、
邂逅の場所は断じて明かされてはいないのだ。


考えるという事と書くという事は二つの事実を指してはいないのである、
省27
109: 2019/06/11(火)20:26 ID:sQEBcB1Q(20/71) AAS

誑かされるのが生きる事ではない。生きる事が誑かされる事なのだ。
この瓜二つに見える言葉は、俺には全く異なった音を伝える様だ。


人生を解釈する上に非常に便利な思想というものは、その便利さで身を滅ぼす。
便利さが新たな努力を麻痺させるからだ。


百五十年も前に、ナポレオン法典は、各人の思想発表の自由を規定したのである。
めいめいが好き勝手な事を主張する自由を認めた上で、
皆が協力して秩序ある社会を作ろうとは、
省31
110: 2019/06/11(火)20:29 ID:sQEBcB1Q(21/71) AAS

出来上った知を貰う事が、学ぶ事ではなし、
出来上った知を与える事が教える事でもなかろう。
質問する意志が、疑う意志が第一なのだ。


どちらを選ぶか、その理由が考えられぬからこそ、人は選ぶのである。
そこまで人は追い詰められねばならぬ。


小説の面白さは、他人の生活を生きてみたいという、実に通俗な人情に、
その源を置いている。小説が発達するにつれて、
省29
111: 2019/06/11(火)20:34 ID:sQEBcB1Q(22/71) AAS

人間が種族保存上、有効に行動し生活する為に、
自然は、人間に、知性という道具を与えたのは確からしいが、
己れの謎を解いて貰う為に与えたとは到底考えられぬ事である。


神経質で、敏感で、いつも自分がいい子になりたいと思っている奴は、
時とすると実によく相手の心持ちを見抜くものだ。
然し、自分に関係のない事柄、つまり、どっちにしたって
自分はいい子になってられるという場合には、恐ろしく鈍感になるものだ。


省31
112: 2019/06/11(火)20:34 ID:sQEBcB1Q(23/71) AAS

人間とは何かという問いは、自分とは何かという問いと離す事ができない。


ともかくも俺は生きのびた。そうだともかくもだ。
ともかくもなどとなんとうまい言葉を人間は発明しただろう。


歴史を鏡と呼ぶ発想は、鏡の発明とともに古いように想像される。
歴史の鏡に映る見ず知らずの幾多の人間達に、
己れの姿を観ずる事が出来なければ、どうして歴史が、私達に親しかろう。


省24
113: 2019/06/11(火)20:35 ID:sQEBcB1Q(24/71) AAS

美しいものは、諸君を黙らせます。美には、人を沈黙させる力があるのです。


同じ理論を抱いているというので親友だと思い込む、
実はただひとりでものを言うのが不安だからに過ぎぬとは気が附かぬ。


凡そものが解るという程不可思議な事実はない。
解るという事には無数の階段があるのである。
人生が退屈だとはボードレールもいうし、会社員も言うのである。


省30
114: 2019/06/11(火)20:35 ID:sQEBcB1Q(25/71) AAS

個人の独創により、普遍的人間性を表現しようとする十九世紀理想主義の
権化たる点において、ベエトオヴェンは、文学の世界で言うなら
ゲエテやバルザックに比すべき稀有な芸術家だった…


天下を整理する技術が、大根を作る技術より高級であるなどという道理は
ないのでありますが、やはり整理家は、無意味な優越感に取りつかれるらしい。
交通巡査でさえそうかも知れぬ。


自分の経験した直観が悟性的判断を越えているからと言って、
省29
115: 2019/06/11(火)20:36 ID:sQEBcB1Q(26/71) AAS

もし芸術作品の個性という事が言いたいのなら、
それは個人として生まれたが故に、
背負わなければならなかった制約が征服された結果を指さねばならぬ。


批評文の作者はいつも、ある命題が心に浮ぶと同時に、
その反対命題が心に浮ぶくらい鋭敏でなくてはならぬ。


人生の謎は、齢をとればとる程深まるものだ、とは何んと真実な思想であろうか。


省28
116: 2019/06/11(火)20:38 ID:sQEBcB1Q(27/71) AAS

人間の生活を一番よく知っている人が一番立派な文学作家なのだ。
私はもう、それを信じて疑わない。他はみんな附けたりだ。
それでなくて何が文学というものが面白かろう。
文学だと思って読まなければ面白くないような文学は私はもういらない。


キリストの一生ほど、彼〔ドストエフスキー〕に強い疑いを起させたものはなかった。
人から来た疑いは解く事も出来よう。だが神から来た疑いを解く事は出来ぬ。


ベルグソンは若いころにこういうことを言ってます。
省29
117: 2019/06/11(火)20:39 ID:sQEBcB1Q(28/71) AAS

才能の鍛錬が、才能の玩弄に落ちない事は、先ず稀有だと言っていい。


凡そ物の真相とは、人間が追求するが発見は出来ない或るものの様にも考えられるし、
発見はするが追求は出来ない或るもののようにも考えられる。
恐らくどちらも本当であろう。


人はこの世に動かされつつこの世を捨てる事は出来ない、
この世を捨てようと希う事は出来ない。
世捨て人とは世を捨てた人ではない、世が捨てた人である。
省33
118: 2019/06/11(火)20:40 ID:sQEBcB1Q(29/71) AAS

日本の歴史が今こんな形になって皆が大変心配している。
そういう時、果たして日本は正義の戦いをしているかという様な考えを抱く者は
歴史について何事も知らぬ人であります。
歴史を審判する歴史から離れた正義とは一体何ですか。空想の生んだ鬼であります。


極めて柔軟な精神は屡々懐疑的な精神と間違えられる。
極めて懐疑的な心は屡々無関心と誤られる。
これらには共通した消極的な類似があるからだ。


省20
119: 2019/06/11(火)20:40 ID:sQEBcB1Q(30/71) AAS

あらかじめ売ることを考えて、新築する料簡は、千三ツ屋のそれに似ている。


作の真髄を会得する感覚を養うなら、幼少からじかに一流品に接するに如くはない。


肉眼と心眼があるかぎり、レンズの目は邪魔だと私は心得る。


けれどもこの世に、もし平和というものがあるならば、
季節のものだけしかない食膳の上にあるのではないかと、このごろしきりに思うのである。


省22
120: 2019/06/11(火)20:41 ID:sQEBcB1Q(31/71) AAS

世間には笑われておぼえることが山ほどあるのである。


この言葉を聞くと前の言葉はうそだと分る。それなら今の言葉もいずれはうそになる可能性がある。


政治家が国を誤るのは俗受けをねらってパフォーマンスをやる時に多い。


歳は勝手にとったのだ、白髪は知恵のしるしではない、老人のバカほどバカなものはないと
私は金言のありたけを並べるが、その誘惑にたえかねるのだろう、老人は教えたがる。


省18
121: 2019/06/11(火)20:42 ID:sQEBcB1Q(32/71) AAS

有名な作家の、有名な作品を読むのも似たようなものだ。そんなに面白い作品なら、
作者が生きていようといまいと関係なく面白いはずである。作品は作者から独立すると、
作者は思いたいから思う。作品は不朽で、死後も遺ると思いたいから思う。ごく稀に死んで
からも売れる作品があるからそう思うのは無理もないが、作者は死ぬと同時に読者を失う。


読者も共に老いただろう。六十七十を越え、亡くなった人もあるだろう。
健康でも、もう本は買わないだろう。読まないだろう。
作者は長生きすると、読者がこの世からいなくなるのを見ることがある。


省14
122: 2019/06/11(火)20:42 ID:sQEBcB1Q(33/71) AAS

まねっ子の方が売れて、元祖のほうが売れないとは神も仏もないが、
神と仏は住々ないものである。


ひとりで旅してひとりで暮らしたら、鴎外漱石の時代とたいした違いはないのではないか。


男はその精神の内部によって目立つことは許されても、
衣装のような外部によって目立つことは許されないと、
むかしものの本で読んでもっともだと思って以来、私は風俗には従うことにしている。


省9
123: 2019/06/11(火)20:44 ID:sQEBcB1Q(34/71) AAS

私はしばしばひとを当人と他人に分ける。
そしてこの世はその当人にみちみちたところだと見わたす。
イギリス人は自分の国の小学生に、わがイギリスが世界中に植民地を持ったのは、
南アフリカでは首長に懇望されたからであり、エジプトでは王の苦しい財政を助けるためであり、
インドではインド人の幸福を願ったためであると教えているという。

あまりのことに中国人も日本人も笑うが、その中国人は尖閣列島から
石油が出ると聞くと、すぐこの島々は中国領だと言いだす。
わが外務官僚はこのとき直ちに駁して尖閣列島は沖縄に属し沖縄はわが国に属すと言った。
日本の利益を代表する弁論である。ところがわが国の大新聞は中国に遠慮して、
省2
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