[過去ログ] 妄想的時代小説part2 (566レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
517: 2009/03/14(土)04:32 ID:oLXReZqP(1) AAS
>>513さん
まだー?
518: 2009/03/22(日)01:02 ID:0l593Bq9(1) AAS
好きなスレなのに
519: 2009/04/01(水)21:31 ID:UkRvl16x(1) AAS
たまにはage
520
(6): 2009/04/02(木)11:20 ID:aYWBiJ18(1/11) AAS
紹介していただいてまいりました。折角なので投下させてください。

フランス革命期元帥、ジャン・ランヌとその妻ルイーズ・アントワネットの一夜です。
漫画「ナポレオン」のランヌの影響が強いです。
521: 絹の糸1 2009/04/02(木)11:22 ID:aYWBiJ18(2/11) AAS
 青天は徐々に赤が蝕み、古代紫のヴェールをまとい、やがて濃紺の素肌をさらした。街中に点々と焚かれた
篝火が石畳を妙に幻想的に見せている。
"彼"は、まだ戻っていなかった。結婚して一週間と数日を過ごし、彼は戦場へ帰っていった。初めて送り出した
そのときは、婚礼のときよりも美しく整っていたように思われた。
 ルイーズ・アントワネットは徐々に強まる夜風から逃れるように、窓を閉じた。眼が乾く。僅かに走った痛みに
瞼をおろしてみると、涙が溢れてきた。思い切り沁みる。その感覚に慣れた頃、ルイーズはようやく目を開けることができた。
だがその涙が必ずしも肉体の反応でだけ流しているものでないことを、彼女はよく理解していた。それだけではない。
幼い頃から周囲はよく見えていた子供であったし、何処かで背伸びをしているときにはそんな自分にも気づいていた。それを人は澄ましているだとか、聡明だとか、大人びているとか評価する。或いは伯爵家令嬢という枠組みは
十八になったばかりの彼女を少女ではなく一人の女性として映し出すのだ。自意識とのずれを感じたことはない。
ルイーズはさめた、己の白い頬を撫でた。少し乾いている。あとでオイルを与えるべきかもしれない。
省26
522: 絹の糸2 2009/04/02(木)11:24 ID:aYWBiJ18(3/11) AAS
しばしそうしていると、じわりとそこだけが暖かくなるような心地があった。ルイーズはぴくりと眉をひそめ、
続けて現れた彼の姿を見つめていた。瞼の奥、記憶の彼は表情を引き締めている。真剣な眼差しは、男が兵士であることを
嫌でも思い出させた。戦場では自分が、どうあるべきなのか。多くを語ったわけではない。ただ、どんな兵士こそが
真の兵士たるかを、彼は教えてくれた。ルイーズにとって必要のない知識ではあるかもしれない。だが彼女にとっては
それが、夫を知る手段のひとつであった。彼の過去も、考えも、深くは知らぬうちに結ばれてしまった。その事実が
余計に、若妻の心を苛んでいる。
この楔のように打ち込まれた寂寞が何故起きるのか、ルイーズは既に気づいていた。体の火照りが日に日に、
増している。その焼けつくような痛みは肉体があるからこそ訪れるものなのか、それとも心の中に巣食う何かなのか、
そこまでは特定できなかった。いや、恐らく両方だろう。ルイーズはリボンをつまみあげ、中空に浮かせて見つめた。
リボンの穂先が、大きく開いた胸元をなぞった。くすぐったさに目を細めながら身を起こすと、窓がかすかに
省29
523: 絹の糸3 2009/04/02(木)11:24 ID:aYWBiJ18(4/11) AAS
「くっ、あ……あ、ああ」
簡単に纏め上げた髪が邪魔で、ルイーズは首を振りながらいやいやをするようにシーツへと髪を預けた。ほろほろと
崩れていく。緩やかなウェーブのかかったセミロングが、押しつぶされるように広がった。
 だがルイーズは、もう一歩至りきれない自分に気づいていた。快感はあるのだが、違う。彼に触れられた
あの記憶より、もう数段も劣るような鈍い感触なのだ。かといってただ触れている、わけでもない。中途半端な、
どうしようもない歯がゆさにルイーズは唇を開いた。
「……あなた……」
いうと、掌の中で乳首が心地よさを訴えてきた。ぞくぞくと背筋を這い登ってくる感覚。
「あなた……あなた」
ルイーズは鼻を鳴らしながら、むずかるように繰り返した。きいきいと蝶番が啼いている。背筋が自然と反り、
省40
524: 絹の糸4 2009/04/02(木)11:25 ID:aYWBiJ18(5/11) AAS
 身を焼かれるような羞恥に、ルイーズはいやいやと首を振って瞼を閉じた。以前この無骨な夫は、別の女性と
結ばれていた。その女性は妻であったけれども、彼がエジプトに遠征している頃、密通した上に子を孕んだそうだ。
だからこそ彼はそういった、性的なことに対し敏感なのではないだろうかとルイーズは感じていたのだ。
こんな淫らな女とは思わなかった、離縁する! そう突きつけられたとて、何ひとつ不思議はなかった。ルイーズにとり
ジャン・ランヌとは、そういう人物に映っていたのだ。
しかし訪れたのはあたたかい、少し乾いた感触だった。じわりと熱が伝わってくる。瞳を恐る恐る開くと、
ルイーズの額には彼の掌が乗っていた。
「……私の前でしてみなさい」
妙にかしこまった調子でジャンはいった。普段は自身を俺と呼ぶ人だから、ルイーズにとりそれはひどく珍しいことである。
しかしそれ以上に、驚きが勝っていた。ルイーズは確かめるように唇を開きかけたが、ジャンの言葉はそれを押さえ込んだ。
省41
525: 絹の糸5 2009/04/02(木)11:26 ID:aYWBiJ18(6/11) AAS
ぬめぬめとした内壁、頬のかすかな襞をジャンは丁寧になぞった。抑えていたものが彼を、強く突き動かしている。
"何処でも闘える兵士"は、初めてその貪欲な様をさらした。
ようやくルイーズの唇を解放したジャンは、うっとりと飲みきれなかった唾液をこぼす彼女を撫でた。はじめ
この女と、結婚できるとは思わなかった。求婚はしたものの、いくら将であるとはいえ、まだ身分はあちらが
上だったからだ。最終的に結婚を是非と受け入れたのはルイーズ本人だったという。
「ルイーズ」
ジャンの呼びかけに、ルイーズは掌で返した。先ほど彼自身がしたのと同じように頬を撫でたあと、指先で頬の傷を
なぞっている。その手はゆっくりと、ジャンの首筋へ移動していった。そこでとまる。その先を望んでいるのだと、
ルイーズの目は訴えていた。ジャンは自ら制服の前をくつろげ、着やせする厚い胸板をさらした。
「ああ」
省39
526: 絹の糸6 2009/04/02(木)11:27 ID:aYWBiJ18(7/11) AAS
「俺のを見て、おぼえたのか」
あくまでジャンの問いかけはやわらかいものだった。血気盛んで喧嘩っ早い、あの男と同一人物と誰が思うだろう。
「他に、誰がいるのですか」
ルイーズは夫のする細かな意地悪にようやく反論した。返す言葉を失ったジャンは彼女の胸に顔をうずめ、
頬を摺り寄せてから乳首をひねりあげた。
「それもそうだ。悪かった」
詫びのかわりに、と口にしたわけではない。ジャンはつまみあげた蕾を含むと、乳暈までを吸い上げて弄んだ。
舌先で小さな穴を抉りながら、口づけと同じように幾度も食みなおす。今までルイーズに披露したことのなかった
性技は見事に彼女を堕落させた。背をのけぞらし、鼻を鳴らして彼女は快楽に打ち震えている。彼と比べれば
ずっと小さな手がシーツを切なげに掴んだ。
省42
527: 絹の糸7 2009/04/02(木)11:27 ID:aYWBiJ18(8/11) AAS
「やめるか」
怖気づいたように見えたのか、ジャンはそのままの声音で尋ねた。ルイーズはしかしふるふると首を振って、
まるで熱に浮かされたように指先を伸ばしている。
 ジャンはその手首をとって、自らの武器へ導いてやった。熱く脈打ったそれはルイーズに鼓動を伝え、彼の唇から
溜息を誘い出す。
血管の這い回る一物はある意味グロテスクですらあったが、今の彼女にはそう思われなかった。愛する夫の、
力そのもの。自ら触れたのは初めてであったが、幾度もこれに貫かれた記憶は残っている。反射のように媚肉が
濡れるのを感じた。
「少しずつ、擦るんだ」
ルイーズがそれをどう扱ってよいものかと考えあぐねていると、じきにランヌが口を開いた。若妻の無知を
省35
528: 絹の糸8 2009/04/02(木)11:28 ID:aYWBiJ18(9/11) AAS
ジャンは尻を抱えるように支えながら、尖りきった陰芯に口付けた。続けて舌でねぶりあげる。
「くひいっ」
こらえようとして抗いきれなかった、ルイーズの声がした。甘い悲鳴はジャンの舌の動きによって断続的に起こり、
肉体はぶるぶると快美に震えている。幾度かこじあけた女穴へも舌を差し込んでみると、うねっているのがわかった。
引き抜いてからまた、陰核へと戻っていく。水音が立つほど吸い上げると、ルイーズからひときわ強い声が上がった。
 ジャンはしかし、そろそろ自身の欲望を抑えきれなくなっていた。剛直の勢いに自分で気づいている。秘所から
顔を上げ、口内にあった唾液を飲み干してから、ルイーズを抱き起こした。
彼女の眼差しは既にとろけきっていて、ジャンと男根を交互に見比べていた。白く細い指先が、ジャンの股間へと
伸びる。触ることに躊躇いやおびえは、もう感じられなかった。
「怒らないでくださいね……」
省40
529: 絹の糸9 2009/04/02(木)11:29 ID:aYWBiJ18(10/11) AAS
よく濡らしてあったために痛みと、抵抗はない。だがルイーズの秘所はジャンの一物を待ち焦がれていたようだ。
「あ、あああっ」
悲鳴と同時にぎゅうっと締め付けが起こり、続けて搾りあげるようにうねりだす。呻かずにいられないほど、
ルイーズのそこはよく動いた。ジャンはしばらくその感触を楽しみ、ぴくぴくと緊張する彼女の唇を深く貪った。
 予告もなく腰を動かしはじめる。寝台のばねを利用しながら、ルイーズの支えてある腰を上下させた。塞いだままの
唇からくぐもった嬌声が漏れる。はじめこそゆったりとした調子であったが、やがてジャンは制御を忘れた。
後方へ妻を押し倒し、赴くままに腰をゆすりだす。
「ルイーズ」
半ばうわごとのように名を呼び、ジャンは奥を奥をと彼女を犯した。今までに一度もしたことがない、強く、
深いストロークでだ。汗ばんだ肌がぶつかりあうたびに乾いた音をたて、枕に後頭部をすりつけながらルイーズは
省37
530: 520 2009/04/02(木)11:30 ID:aYWBiJ18(11/11) AAS
以上で終了です。
お目汚し、失礼いたしました。
531: 2009/04/02(木)21:35 ID:P6Ay+wjv(1) AAS
凄く好みの作品でした
532: 2009/04/02(木)23:53 ID:dOhsnviR(1) AAS
普通にファンになりそうだよ
GJ
素晴らしかった
533: 2009/04/03(金)00:17 ID:dtJPq2Y4(1) AAS
よかったよ
登場人物にも興味が湧いたぜ
534: 2009/04/03(金)03:35 ID:Ru6SBOrf(1) AAS
GJGJ!!
よかったです。

個人的にナポレオン期が好きなのでうれしかったw
535: 2009/04/03(金)04:09 ID:uUoNMCGo(1) AAS
登場人物の色気が凄いな
536: 2009/04/03(金)10:50 ID:zORcaXoH(1) AAS
GJ
文章が綺麗だね、上品だし
とても官能的だった
537: 520 2009/04/03(金)12:32 ID:+ENos6MK(1/12) AAS
レスくださったかた、コメントありがとうございます。
フランス革命期〜ナポレオン帝政期がとても好きなので、
ご意見がいただけてとてもうれしいです。

別な人物を題材にした小説がもう一本あるのですが、
連続で投下して良いものか迷い……
もしよろしければ、投下させていただけないでしょうか。
ご意見をお聞かせいただければ幸いです。(誘い受けに見えたら申し訳ない)
538: 2009/04/03(金)12:39 ID:zir+v0i9(1) AAS
読ませて貰えると嬉しい
ぜひお願いします
楽しみに待ってる
539: 2009/04/03(金)13:58 ID:S93uww9b(1) AAS
>もしよろしければ、投下させていただけないでしょうか。
勿論おk
wktk
540: 2009/04/03(金)15:47 ID:0J1/itIQ(1) AAS
引き込まれるものがある
もっと読みたい
連投は気にせず投下してくれw過疎スレだから
541: 520 2009/04/03(金)21:09 ID:+ENos6MK(2/12) AAS
うれしいレスをたくさん、ありがとうございます。
お言葉に甘えて、投下させていただきますね。

今度は、フランス革命期〜エジプト遠征まで活躍した海軍軍人、ブリュイ提督と
その奥様のお話です。

彼は家族関係の資料・家の資料が少ないもので(軍事的資料はあり)、
奥様のお名前は私が勝手に考えましたが、そういうのがお嫌いな方は申し訳ありません。
542: 真珠の囁き1 2009/04/03(金)21:12 ID:+ENos6MK(3/12) AAS
 燭台に照らされた料理は湯気こそたっていないが、まだ作られたばかりだった。ようやく食卓へとたどり着いた
ブリュイ=デゲリエ伯爵は、早々にナプキンを広げ祈り、銀器をとった。
「すまん、遅くなった」
テーブルの向かい、妻が涼しい顔で澄ましている。濃いこげ茶の髪をきちんと結い、纏め上げていた。表に出るわけでなし、
流行も嫌いだといって、おかしくない程度にだけ取り繕われている。ブリュイからすれば十分身奇麗だと思うが、
女性には色々あるらしい。
 ブリュイが彼女を娶ったのは、三十を過ぎてからだった。晩婚だと自分でもわかっているが、友人には結婚しない
とまで宣言している者もあるくらいだし、あまり気にしてもいなかった。無論それが変わり者であることは
知っていたが、躍起になって気に入らない嫁をもらうこともないだろうと考えていたのだ。
少尉に昇進した頃、母が縁談を持ってきた。二十歳すぎの、この時代としては少々『嫁き遅れ』な娘だ。それでも
省38
543: 真珠の囁き2 2009/04/03(金)21:12 ID:+ENos6MK(4/12) AAS
 プロポーズのときの彼女からは、考えられない態度だった。ブリュイは月明かりの階段、踊り場で、彼女の腕を
掴んだ。帰ろうとする彼女を引き止めたときのことだ。柔らかな体を思い切り抱き寄せ、想いを伝えた。熱に
浮かされたような心持で、なんといったかあまり記憶にないが、とにかく彼女が他の男の手に触れるのを嫌だと
感じた。ブリュイの人生の中で、こと男女関係においては初めての強い衝動だった。
その夜はじめて、マルグリットを抱いた。性格からすると遊んでいておかしくもなかったが、彼女の肉体は
清らかなままだった。できるだけ丁寧にブリュイは愛撫を施し、痛みも極力減らそうと力を緩めた。海軍の職務について
彼は誰より優秀であったが、女性の扱いとなると幼い甥に負けるほどの晩熟だった。
何度かそうして抱いているうち、マルグリットの態度が変化した。まずあまりブリュイと目を合わせなくなった。そして
今のように、追い詰めるように言及することが増えた。何か自分が気に入らないことでもしただろうかと思っては
いるものの、原因はやはりわからない。ただ時折、妙に寂しげな目をしてブリュイを見つめるようになった。それに
省41
544: 真珠の囁き3 2009/04/03(金)21:13 ID:+ENos6MK(5/12) AAS
「……腕を見せてください」
僅かな沈黙の中に呼吸が混じり、それが落ち着いた頃に彼女はいった。ブリュイはやはりわけがわからなかったが、
いわれるがまま上着を脱いだ。シャツの袖を捲り上げる。数ヶ月前、ようやく糸の抜けた傷痕があった。海賊相手に
サーベルを振り上げたところで、二方向から切りかかられてしまったのだ。身を翻してかわしたが、
縫う必要のある怪我がふたつできた。それが、これだった。
「一緒に、劇場へいったことがありましたわね」
よくおぼえている。結婚前、女性を何処に誘ってよいものかわからず、華やかそうだからという理由で連れて行った。
ブリュイの記憶ではそれをいたく気に入ったように見えていたが、あれと腕がどう関係するのだろうか。
「あなたはまだ、この傷が癒えていなかった」
たしかにそうだ。普通に服を着られるほどには回復していたが、包帯は巻いていたし傷も痛かった。膿むことは
省43
545: 真珠の囁き4 2009/04/03(金)21:14 ID:+ENos6MK(6/12) AAS
「それとも、あなたの勇猛さは海だけなのかしら」
マルグリットにとっては、ただの冗談だったのだろう。当然ブリュイはそれもわかっている。しかし気づけば、
腕に力をこめていた。髪の毛に指をさしいれ、深々と口付けをおとした。逃れようとする彼女の身をしたたかに
固定したまま、抉るように口付けを繰り返す。息継ぎの必要はなかった。慣れている。長い接吻で軽い酸欠になった
彼女の体から力が抜けた。そのまま寝台へ導き、押し倒す。
「君は、私のものだ」
前あわせの彼女の服に手をかけ、左右に引っ張った。ボタンがはじけとび、シルクの下着が飛び込んでくる。
うっすらとすける彼女の乳房は、ブリュイの掌でも余るほど大きい。
「他の、他の誰にも渡さない」
声が今にも上ずりそうだった。それでも力で抑えつける。彼女の瞳にうつった自分の目は、欲望に満ちていた。
省44
546: 真珠の囁き5 2009/04/03(金)21:16 ID:+ENos6MK(7/12) AAS
 物欲しげなマルグリットの瞳が愛しくて、ブリュイは両手をその頬にやった。体を後退させ、額に額をあわせる。
「マルグリット。私を愛しているか」
瞼を硬く閉じ、ブリュイは尋ねた。こくん、と妻が唾を飲む音がする。再び彼が目を開くと、潤んだ栗色の瞳が見つめていた。
「ええ。世界中の誰よりも」
あたたかな感触があった。彼女の手が、彼がしているのと同じように、頬を支えていた。
「あなたは世界で一番、勇敢な人。世界で一番、逞しい人。世界で一番、愛しい人よ。だから……」
マルグリットの腕がブリュイの首に絡んだ。耳元に唇が寄せられる。
「もっと、好きにしていいのよ」
ようやくブリュイは、自分の彼女に対する『遠慮』に気がついた。昔から女性の扱いは苦手で、紳士としての
振る舞いと誠実さを己に問うことだけで精一杯だった。それは裏を返せば自分のことで手一杯になっていたということだし、
省38
547: 真珠の囁き6 2009/04/03(金)21:16 ID:+ENos6MK(8/12) AAS
「あっ、あ、フランソワ、あっ、ひっ」
ブリュイの股間に、ぼたぼたとぬるい水が落ちてきた。涎だ。涙もまじっているかもしれない。鼻声になっているあたり、
かなりぐずっているのだろう。顔は見えなくとも、わかる。それだけ自分は彼女を見つめてきたのだ。だからこそ
それが、決して悲しみや裏切りを感じているものでないことも悟ることができた。常日頃鈍感と罵られるブリュイにとって
それは、本当に珍しいことだった。
 飢えていた。ブリュイはまだ使い込んでいない花弁を、片手で押し広げた。指を引き抜き、空洞を見据える。
「よく見える」
言葉責めができるほど多弁ではない彼は、とろとろと蜜をこぼす洞穴をじっと見据えることにした。それだけで
マルグリットは身を焼くような恥辱に襲われる。
 しばらくそうして彼女の震えを楽しんでいると、その首がブリュイを振り返った。
省40
548: 真珠の囁き7 2009/04/03(金)21:17 ID:+ENos6MK(9/12) AAS
「股を開くんだ」
マルグリットはまるで生まれたばかりの馬や牛のように脚をふるわせ、彼の声に従った。
「いい子だ」
囁いてやると、マルグリットはうれしそうに目を細めた。切なげに体をゆすり、ブリュイの次の言葉を待っている。
 彼はマルグリットの尻を抱え、自分のものを反り返らせた上から割れ目を重ね合わせた。陰毛が時折すれ、
くすぐったさがやってくる。粘着質な音は彼女の女陰が原因だった。
「あっ、ああ、そこお」
いやいやをするようにブリュイの胸へ頬をすりつけ、彼女は媚びた。無論そのようなつもりはないのかもしれないが、
それがブリュイにとってはかわいくてならなかった。
 マルグリットの陰核が、彼のものをぬらしていく。無尽蔵なのかと思われるほどに分泌される牝の汁は、
省38
549: 真珠の囁き8 2009/04/03(金)21:18 ID:+ENos6MK(10/12) AAS
「ああ、マルグリッ、ト、っく、ぞ」
ブリュイはようやく、己の楔に開放を命じた。一番奥深く、子宮近くまで届くのではないかと思われるほどの場所で、
白濁を吐き出す。歯を軋らせ、瞬間的に全身を駆け巡る快楽に身をゆだねた。
 同時にマルグリットが、長く甘い悲鳴を上げた。両脚を腰に絡め、内部の震えと同じように肉体をわななかせる。
顎をそらし、飲みきれなかった唾液を溢れかえらせた。
しばらくそのまま、二人は崩れて動けなかった。荒い呼吸が合っている。男と女の、情交のにおいだけが残った。
先に力を取り戻したブリュイは、妻から己を引き抜いた。
ぐったりと横たわる彼女の股間はぽっかりと口を開いていたが、ブリュイを失うと放屁のような音をたてた。
恥ずかしそうに、マルグリットが腕で目元を覆う。空気が入ったのだろう。息もつかせぬ勢いで彼は犯していた。
当然といえば当然だ。
省24
550: 520 2009/04/03(金)21:20 ID:+ENos6MK(11/12) AAS
以上で終了です。
愛あるセックスではありますが、「絹の糸」よりはハードめなので、
苦手な方がいらっしゃいましたら申し訳ありませんorz

他にもフランス革命期、ナポレオン帝政期には好きな軍人(夫婦単位)が多いので、
是非またの機会には、投下させていただけたらなと思います。

お読みくださった方、ありがとうございました。
551: 520 2009/04/03(金)21:24 ID:+ENos6MK(12/12) AAS
申し訳ありません、補足です。

絹の糸→エジプト遠征よりちょっとあと
真珠の囁き→フランス革命前

です。
「なんで貴族同士がこんな悠々と暮らしてるんだ」と思われた方、
時代がわかりにくくて申しわけありませんでした。
552: 2009/04/04(土)00:11 ID:bUzU0zBy(1) AAS
GOODJOB!!
……これはエロい
読後に余韻が残る
大変面白かったです
553: 2009/04/04(土)14:24 ID:DPMb0hud(1) AAS
神が降臨しているとは
GJ
554: 2009/04/04(土)17:04 ID:PYsFmNu/(1) AAS
GJ!
読み応えあるな
ご馳走さま
555: 2009/04/05(日)03:31 ID:fDWRByRC(1) AAS
2作ともよかった
貪るように読んでしまったよ
556
(1): 2009/04/05(日)04:38 ID:udo6Iemv(1) AAS
GJ!
ただ欲をいうと
文章が詰まってきつい気がする
557: 2009/04/05(日)11:29 ID:HkLLPhMa(1) AAS
素敵な作品でした
558: 2009/04/05(日)13:34 ID:PG34HptS(1) AAS
う、うめぇ…。
559
(2): 520 2009/04/07(火)00:37 ID:nWIe6g9O(1) AAS
わああレスがこんなにも……すごくうれしいです。ありがとうございます。
また新たに執筆しておりますので、恐らく今しばらくの時間を頂戴しますが、
いずれ投下させていただけたらと思っています。

>>556
参考にさせていただきたいのですが、具体的にどのようにしたら読みやすいですか?
一文章をもう少し早めに改行するとかでしょうか。よろしければご助言お願いします。
560: 2009/04/07(火)03:12 ID:uVLKWC+H(1) AAS
多弁な職人は反感を持たれ易い傾向がありますよ。
感想にレスを返す等の行為は、
自衛の為に控えられた方が良いかも知れません。

創作上の相談事、読み手と交流したい場合は以下のスレへどうぞ。
SS書きの控え室92号室
2chスレ:eroparo
エロパロでエロネタ書いて叩かれた 原稿用紙2枚目(批評スレ)
2chスレ:eroparo
■ エロパロ板総合雑談スレッド・3■
2chスレ:eroparo
省5
561: 2009/04/08(水)01:59 ID:IncBKf4G(1) AAS
過疎スレが賑わっていてうれしいw

>>559
よかったです。
次回作もwktkで待ってます!
562: 2009/04/08(水)04:46 ID:8MVMAWDC(1) AAS
>>559

563: 2009/04/08(水)13:23 ID:q8Q1yVYW(1) AAS
賑わってるな
564: 2009/04/10(金)22:51 ID:g/e6le7K(1) AAS
保守
565: 2009/04/11(土)22:19 ID:tg9/HE6O(1) AAS
圧縮に備えて
566: 2009/04/15(水)11:47 ID:kFjM4hRo(1) AAS
やっべ、EU2でオナニーMOD作るために登場人物の年齢調べてたら
史上結婚した連中よりもそれっぽい妄想が湧いてきて困るwwwww
1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.207s*